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『道草』(読書メモ)

夏目漱石『道草』新潮文庫

漱石の自伝的な小説

そこそこの給料をもらい、社会的地位も確立している主人公「健三」が、養父母、姉、義理の父からお金を無心される様子が延々と描かれている。

さらに、気持ちがかみ合わない奥さんとの会話がてんこ盛りである。

作品全体に「ネガティブな雰囲気」が漂っていて、正直言って、あまり面白いとはいえない。

あまりに暗いので、ちょびちょび読み進めて、読了するのに半年くらいかかった。

ただ、驚いたのは、相性が良いとはいえない奥さんの気持ちや、ひねくれた自分の気性を漱石が克明に理解していたこと。

つまり、自分たちの夫婦関係を俯瞰して、客観的に小説化しているところがすごい。

こんなに赤裸々に親戚や夫婦のことを小説にしようと思った漱石の動機はなんだったのか?

そこを知りたいと思った。






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