松尾睦のブログです。個人や組織の学習、書籍、映画ならびに聖書の言葉などについて書いています。
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『一年の風景』(読書メモ)
池波正太郎『一年の風景』朝日文庫
池波正太郎のエッセイ集である。
池波さんは、戦争中に徴用されて、軍用機を作るための旋盤工として働いていたことがあるという。
「朝は五時起きで、それこそ油だらけの明け暮れだし、三日に一度は徹夜作業という、これまでとは、がらりと変わった生活が始まったわけだが、『よく、つづくねえ。おどろいたよ』母がつくづくといったほどで、ほとんど欠勤もしなかった。そして私は、自分の手先の、あまりの不器用さに呆れ果ててしまった」(p. 175)
意外ではあるが、この経験が作家活動に影響していたらしい。
「強いていうなら、むりやりに徴用されて機械工になった一年半ほどの生活が、現在の私の小説の母胎となっている。そのことを書いていては長くなってしまうが、いまでも私は、自分の小説を頭で書くというよりも躰全体で書いているという知覚がある」(p. 176)
「躰で書く」という表現がすごい。
小手先ではなく、全身全霊を傾けて書いていたことが伝わってきた。
池波正太郎のエッセイ集である。
池波さんは、戦争中に徴用されて、軍用機を作るための旋盤工として働いていたことがあるという。
「朝は五時起きで、それこそ油だらけの明け暮れだし、三日に一度は徹夜作業という、これまでとは、がらりと変わった生活が始まったわけだが、『よく、つづくねえ。おどろいたよ』母がつくづくといったほどで、ほとんど欠勤もしなかった。そして私は、自分の手先の、あまりの不器用さに呆れ果ててしまった」(p. 175)
意外ではあるが、この経験が作家活動に影響していたらしい。
「強いていうなら、むりやりに徴用されて機械工になった一年半ほどの生活が、現在の私の小説の母胎となっている。そのことを書いていては長くなってしまうが、いまでも私は、自分の小説を頭で書くというよりも躰全体で書いているという知覚がある」(p. 176)
「躰で書く」という表現がすごい。
小手先ではなく、全身全霊を傾けて書いていたことが伝わってきた。
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