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人への投資と時間的視野

2022年5月10日の日本経済新聞「経済教室」にて、慶應義塾大学の鶴光太郎先生は次のように述べている。

「労働者によってのメリットは企業にとってコストでしかないという対立関係・常識が、急速に陳腐化してきている。企業の生産性向上の源泉が物的資産から無形資産を含む広い意味での人が生み出す資産に移り変わっていることも、その背景の一つであろう」

そして、鶴先生が提唱するのが、「従業員のウェルビーイングの向上」「社会的課題への貢献」「企業価値向上」の3つが両立し、補完関係を生む「ステークホルダー資本主義2.0」である。

ただし、この関係が成立するためには、企業の時間的な視野が重要になるという。なぜなら、従業員への投資はその時点では企業のコストになるが、ある程度の時間が経過すると、従業員のスキルやパフォーマンスに反映され、企業の利益に結び付くからである。

長期的視点を持てるかどうかが鍵となるが、目先の利益が得られないと企業がもたないのも事実である。

人へ投資する際、短期的利益と長期的利益の両方を考えておく必要がある、と思った。

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