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『新編 あいたくて』(読書メモ)

工藤直子(絵・佐野洋子)『新編 あいたくて』新潮文庫

何気なく本屋を歩いていたら、佐野洋子さんの書いた表紙が目にとまり、本書を買った。柔らかい言葉で書かれた工藤直子さんの詩は、すっと心に入ってくる。一番良かったのは「手ざわり」(p.114-115)という詩。

手ざわり

ひとの こころのなかには
ことばにならない「よびかけ」が
たくさん たまっているのかな
(おーい おーい どこに いる?
おーい おーい だれか いる?)

だから ひとは ときどき
とほうにくれて ぼんやりするのかな
わけもわからず ないたりするのかな

でも ひとは なぜか しっている
「みえない手」って きっとある と

だって そんなときだもの
(いま「みえない手」が
あたまを なでてくれた!)と
手ざわりを かんじられるのは



この詩を読み、いつも「手ざわり」を感じていたい、と思った。

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