カール・マルクス(長谷部文雄訳)『賃労働と資本』岩波文庫
1934年に出版された本書は、労賃がどのように決まるかという問題を扱っている。
マルクスのメッセージは次の箇所に要約される。
「生産的資本が増大すればするほど、分業と機械の使用とがますます拡大する。分業と機械の使用が拡大すればするほど、労働者の間の競争がますます拡大し、彼らの賃金がますます収縮する」(p. 87)
「(労働者は)機械と競争せねばならず、機械によって失業させられる」(p. 94)という箇所を読み、AIと競争し、AIによって失業させられそうな現代人の状況を言い当てていると思った。
また、資本主義の本質をついた次の箇所も印象的である。
「かようにして生産様式、生産手段はたえず変革され、改革されるのであり、分業はより進んだ分業を、機械の使用は機械のより進んだ使用を、大規模な作業はより大規模な作業を、必然的に生じせしめるのである」「資本に対し、何らの休息を与えないで、絶えず進め!進め!と耳語する法則である」(p. 77)
ここを読み、『共産党宣言』の中の「自分が呼び出した地下の悪魔をもう使いこなせなくなった魔法使い」(p. 50)というフレーズを思い出した。
こうした資本主義社会を変えることは難しいが、少なくとも「包摂」されないよう、意識したいと思った。
1934年に出版された本書は、労賃がどのように決まるかという問題を扱っている。
マルクスのメッセージは次の箇所に要約される。
「生産的資本が増大すればするほど、分業と機械の使用とがますます拡大する。分業と機械の使用が拡大すればするほど、労働者の間の競争がますます拡大し、彼らの賃金がますます収縮する」(p. 87)
「(労働者は)機械と競争せねばならず、機械によって失業させられる」(p. 94)という箇所を読み、AIと競争し、AIによって失業させられそうな現代人の状況を言い当てていると思った。
また、資本主義の本質をついた次の箇所も印象的である。
「かようにして生産様式、生産手段はたえず変革され、改革されるのであり、分業はより進んだ分業を、機械の使用は機械のより進んだ使用を、大規模な作業はより大規模な作業を、必然的に生じせしめるのである」「資本に対し、何らの休息を与えないで、絶えず進め!進め!と耳語する法則である」(p. 77)
ここを読み、『共産党宣言』の中の「自分が呼び出した地下の悪魔をもう使いこなせなくなった魔法使い」(p. 50)というフレーズを思い出した。
こうした資本主義社会を変えることは難しいが、少なくとも「包摂」されないよう、意識したいと思った。