宮元皮膚科クリニックのブログ

毎日の診療の中で気づいたことや気になることを書いています。
皮膚病や肌のトラブルのさまざまなアドバイスをいたします。

子供は風の子???

2015年11月22日 16時18分15秒 | スキンケア
大学通りの銀杏の木が、日に日に黄色の色を濃くしています。
銀杏の木の間の木々には、真っ赤に色づく木もあり、いよいよ紅葉のピークが近づいています

紅葉が進むのは、気温の低下に連動しています。
つまり。
日に日に気温が下がっているということを表しています。

先日、ちょっと驚いたことがありました
それは。
ある小学生のお子様に
「子供は風の子っていうでしょう。暖房の部屋にばかりいたらだめなのよ。」
とご注意もうしあげたところ。
ぽか~~んとしているのです。

あれれ???
もしかして。
「子供は風の子ってことば、知らないの?。」
と聞くと
「聞いたことない・・・」
と言うのです。

そこで、ほかのお母様にもお聞きすると
「そういえば、最近そういう言い回し、聞いたことないし、言わないですね。」
とおっしゃいました。

なるほど。
そうなんですね。

実は、最近、小さなお子様に乾燥肌が急増しています
その原因のひとつに、暖房のきいた暖かい部屋の中にいる時間がとても多いということがあるのです。

小さなお子様は、そもそも皮脂腺がまだ未熟ですから乾燥肌です。
さらに。
表面積も体積も小さいのですから、環境にすぐに影響を受けます。

最近、エアコンなどの暖房がきいた暖かい部屋の中で、ゲームなどをして過ごすお子様が増えています。
また。
ファンヒーターの風に当たったり、床暖房やホットカーペットの上で長時間座ったり寝転んだりしているのも、お子様の方が時間が長いのです。

その結果、全身乾燥肌になったり、鼻や目やのどの粘膜が乾燥してしまうのです

つまり。
最近の子供は、温風の子なんです

そのような生活の結果、アトピー性皮膚炎になるばかりでなく、花粉症や喘息、食物アレルギーにもなりやすくなるのです

暖かい部屋で薄着でいる子供は、寒い屋外に出て行きにくくなり、温度調節の発育も悪くなるとも言われています。
本当に、最近の都会の暖房生活は、危険がいっぱいですね

暖房は控えめにして、なるべく靴下や毛糸のパンツ、ベストなどを着せてください。
温風のそばにいかせないでください。
運動したりして、身体から熱を作り出すことも意識しましょう。
寒かったら、重ね着したり、暖かい飲み物を飲ませたりしましょう。
なお、こたつやストーブ、オイルヒーターなどは安全ですので、上手に利用しましょう

子供は温風の子ではいけないんです。
お母様、お気をつけくださいね







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