宮元皮膚科クリニックのブログ

毎日の診療の中で気づいたことや気になることを書いています。
皮膚病や肌のトラブルのさまざまなアドバイスをいたします。

保湿と運動

2013年10月31日 07時20分43秒 | 診断と治療
今日は全国的に秋晴れの予報です

何をするにも良い季節です
音楽の秋、芸術の秋、読書の秋、スポーツの秋、旅行の秋・・・・・。
楽しみですね。

さて。

私は昨夜、仕事を終えて都心に勉強会に出席してまいりました。
大学病院の教授の講演会です。
そのテーマは近年増加し続けているアトピー性皮膚炎でした。

中身の濃いお話を聞いて、とても勉強になりました
そこで、とても印象的な結論は。

アトピー性皮膚炎の治療と予防に効果的なのは、保湿と運動であるということです。

まず、保湿のことですが。
これは、保湿クリームを塗ることはもちろんですが、環境周囲の湿度の低下に注意をすべきということです。
具体的には、夏のクーラーや冬の暖房の使用を極力控えるべきということです。
100年前の東京の湿度は一年中80パーセントを超えていたそうでが。
近年は、夏でも60パーセント前後、冬は30~40パーセントなのです。
環境湿度が下がると、皮膚はかんそうするだけでなく、さまざまな物質にかぶれやすくなることがわかっているのです。
ですから、都会の現代人は敏感肌になり、アトピー性皮膚炎になりやすくなってきたのです。

もう一つ必要なのが運動です。
現代人は運動不足になり、子供のうちからゲーム三昧で外遊びが減ってきました。
その結果、汗を上手にかかない体質になりつつあるのです。
発汗機能が劣っていると、皮膚の角質層の水分量が減少し、これまた外部からの物質の侵入を招くのですね。

そこで、アトピー性皮膚炎にならない予防は
ずばり、暖房をあまりつけず、寒さは重ね着でのりこえること
そして、保湿クリームを塗ること。
積極的に運動は行い、汗をかきやすい体質をめざすこと。
なのです。

現在湿疹がひどい方は、まずはしっかり治療しましょう。
治さないと、汗をかくとかえってかゆいと感じてしまうからです。

適切な治療を行いつつ、暖房を控え、保湿ケアを行い、運動を積極的に行う・・・・・・これが効果的なんですね

この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 治療と予防 | トップ | 湿度とかぶれ »

診断と治療」カテゴリの最新記事