みどりの野原

野原の便り

10月22日 鵜殿ヨシ原

2007年10月22日 | Weblog
ツバメのねぐらとしてしか知らなかった「鵜殿ヨシ原」

最寄の阪急京都線上牧駅まで所要時間1時間半、これはまあいいとして、乗り換え5
回には参った。でも行った甲斐はあった。
鵜殿のこともわかったし、いろんな植物にも会えた。

宇治川・木津川・桂川の合流地点から4キロ下流の淀川右岸にある鵜殿ヨシ原は、
昔から良質のヨシがとれ、雅楽のひちりきのリードとして使われ、生活にもいろい
ろ利用され、生き物のよい住みかでもあった。
広さは甲子園球場の18倍もある。

1970年代から始まった淀川の治水工事のため川幅が広げられ、河床を掘り下げられ
て、河原は乾燥化し、ヨシ群落は大きく減少し、乾燥に強い陸性の植物が入り込ん
できた。ツル植物に覆いかぶさられている所もあった。


白く見えるのはオギ セイタカヨシやセイタカアワダチソウも多い。

生物多様性を守り、水辺の環境を守るためにもヨシ原は大切なものだという。

河川改修で河床を掘り下げられた結果、水面と河川敷の差は6メートルにもなり、
ヨシの根は水の層に届かない。

ヨシを回復させるために、導水路を作って淀川からポンプでくみ上げた水を流した
り(ヨシに水を近づける)、河川敷を切り下げる(ヨシを水に近づける)実験が行
われて、上流部では効果が上がっているらしい。


        水をヨシに近づける 導水路

今日はその水路沿いにAさんの案内で植物観察をした。

ここで目立つのはオギの銀色の穂。ヨシ・セイタカヨシの薄茶色の穂。コンクリー
トブロックになっている水路の右側はヨシは生育できず、セイタカアワダチ
ソウの黄色がひろがっていた。。

一望したところでは、植物もそんなに種類がありそうに見えなかったが、歩いてみ
ると意外といろいろあった。

20年ぐらい前にI先生に教えてもらった時に見たきりで、その後見つけられないで
いるゴキヅルが、たくさん見れたのが私にとって大収穫で、大感激だ
ったが、これもヨシに覆いかぶさるツル植物なので、ツルマメ・ヤブガラシ・アレ
チウリ・クズなどとともにヨシにとっての大敵らしい。  が、
個人的にはゴキヅルは許してあげて。と言いたいところ。

  
         ゴキヅル                 このように割れる

イネ科、カヤツリグサ科のものの他、水の近くにはヤナギタデなどタデの仲間。
シロネ・イヌゴマ・ニガクサ・レモンエゴマ・イヌコウジュ・クソニンジン・カワ
ラニンジン・中には希少種になっているヌマトラノオ・タコノアシ・アゼオトギリ
などが細々と生き残っているといった感じだった。

ホソバイヌタデというのは初めて知った。
 

ナンバンギセルもまだ咲いていた。

後で聞くと全部で70種近く見たそうだ。


弁当を食べた河原は広々として、涼しい風が吹き、うろこ雲の秋空だった。
           右側に淀川がある
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