11月初め、ハイキングで前を通りかかり、よさげな「感」がした。
すでに廃業されていると聞いた。
ボランティアさんに教えてもらった連絡先に妹が連絡を取ってくれ今日の見学が実現した。
子どもの頃、自宅に風呂ができるまでは近くの銭湯に行っていた。
なつかしい思い出もある。
町の銭湯は年々少なくなっている。
煙突が見えた。
「旭湯」さん 2020年9月に閉湯された。
暖簾がかかってないのが淋しい外観。
奥様が迎えてくださった。
千鳥破風の上部に亀の瓦
中へ入る。 ん?
目ざとく傘立ての向こうに見つけたのは・・
鮮やかなタイル絵。お~~。
木製の鍵?のついた下駄箱 これはたまに見かけますね。
ここは男湯のようだ。
男湯の脱衣室 重厚な感じの更衣ロッカーがたくさん並ぶ。
営業中はいかに客が多かったがわかる。
ロッカーの漢数字は書いてあるだけではなく彫りが入った重厚なもの。
神棚もあった(右上)
反対側にもロッカー その手前には荷物秤のような大きい体重計。
壊れているらしいが120キロまで測れる。
奥に小さい手洗い場。
男湯 入口
手前の棚には洗面器やシャンプーなど。常連客の入浴グッズか?
「こんにちわ~」と今にもお客さんが入ってきそう。
男湯の洗い場 いつでも入れそう。
床も壁もいろんな柄のタイルがびっしり。
浴槽
浴室奥の壁一面にあったのは・・
極小のモザイクタイルで描いたタイル絵 すご~い。
絵を描いたのは見かけるが、全面タイル。凝ってる~。
これは昭和30年代の改修工事の時のもの(と聞いた気がする)
タイル絵 一部拡大
新しい感じの番台 向こう側の女湯へ。
女湯の脱衣室は、荷物が置かれたり雑然としていたが・・
赤ちゃんの着替え用の仕切りのある木のベッド(手前)があった。
浴室の洗い場は男湯と同じような造り。
鏡にはそれぞれに商店や会社の広告がきれいに残っていた。(男湯も)
旭湯の創業は大正14年(1925)
途中1度、昭和30年代?大規模な改修もされたようだが、大正創業当時のものも多く、しかもきれいな状態で残っている。
燃料は木材のおがくずを使用、製材所の減少で入手も年々しにくくはなってきたよう。
水の問題で少しの間休業されたこともあったが、それも切り抜けて営業を続けてこられた。
今回、釜が故障し、修理には莫大な費用がかかり、続行は無理と判断され、2020年9月に閉湯されたそう。
「まだまだ続けたかったんですけどねえ」奥さまも残念そう。
いつまでも残っていてほしい。これらが壊されたり朽ちていくのは忍びない。
どうにかできないのか・・。
銭湯内部や雰囲気を壊さない活用法とか・・。
私にはそんな力もないけれど・・どなたか良い案はありませんか~。
想像以上に立派な銭湯だった。
またタイル好きの娘と一緒に来よう。