みどりの野原

野原の便り

2月7日 余野川ダム

2007年02月07日 | Weblog
自然環境市民大学31回目

午前は自然災害についての講義

淀川水系には治水(洪水・農業用水など)・利水(水の利用・
発電など)対策として5つのダム(丹生ダム・大戸川ダム・
天ヶ瀬ダム・川上ダム・余野川ダム)が計画されてきた。

5つのダムのうち「余野川ダム」事業は、水利用が減少見込み
であること。洪水調節の効果、経済性などを理由に、全国で
はじめて「ダム事業は当面実施しない」ことになった。
利害の絡むなかで勝ち取った運動の成果である。

洪水対策にはダムのほかに、森林整備や調整池・遊水池・田畑
の保全などにより、一気にに水が流れないようにする「流出抑制
」・ポンプ場や放水路で水を早く海へ流すようにする・河積確保
や堤防を強化するなどの方法があり、巨額の費用がかかるダム
だけに頼る意味が薄れてきている。

災害が起こる背景には、1970年ごろから重機使用・鉄やコンク
リートの使用などそれまでとは工事の質も変わり、人が今まで
は住まなかった(危ない)所も手ごろな価格の住宅地となり、
人が住むようになったことも関係するのではないかとのこと。

護岸も「溢れても大事に至らない程度の堤防を」という方向だ
そうだ。

上手に自然と付き合うということの大事さ。
自然に逆らった住み方が災害を招いているということか。

この山にはオオタカも棲むという。

午後からは、ダム予定地を見学

静かな山村、池田炭の炭焼き釜跡もある里山風景のすぐ後ろは、
ダムの計画地で、すでに山は削られ谷は埋められて自然は大き
く破壊されていた。
ここまでにも莫大な費用がすでに使われている。

工事用の広い道路、頑丈なフェンス。立派な側溝にはカエルの
ための階段が・・・
小さなことに配慮があるようで、大きく生態系を壊していてコッ
ケイな感じがした。

ここにはオオタカも棲むという。

立派な道路は1メートル当たり100万円の工事費がかかっている
という。
ダムの底になるはずだったところから周りの山を見ると、赤と白
の標識が高いところに見える。
それは最高水位をあらわすものだという。

わあー。今見ている里山風景もほとんどが水の中に沈んじゃう。

ダムというのは川をせき止めて作るものだと思っていたのに、
この余野川ダムは、余野川から山に水を引いてきて作るという
変な計画だった。
来る時に見た余野川は水量の多い川ではないのに、なぜここに?。

本当にダムは必要なの?

山頂をを越えたところに突然現れた造成地。
もっと駅に近い住宅地もまだ人が集まらないというのに。
この破壊。

講師の方は、「このダムの莫大な費用は私たちの税金を使ってい
ます。自分の税金がどんなことに使われているのかもっと感心を
もって!」とおっしゃってたのが心に残った。




コメント
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