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韓米が毎年実施してきた合同軍事演習「キーリゾルブ演習」と「トクスリ演習」を今年から終了することを決めた。

2019-03-04 | アメリカの常識は世界の非常識

3・4月の韓米軍事演習、事実上廃止…朝米交渉の動力を生かす

登録:2019-03-04 05:39 修正:2019-03-04 08:11

韓米、ハノイ合意見送りから2日後に決定 
朝米対話に向けた“外交・軍事的支援”続ける  
キーリゾルブ、名前を変えて期間も縮小  
トクスリ、名称なしに規模を縮小して実施

 
韓米国防当局は、今年からキーリゾルブ演習とトクスリ演習という名の合同演習を終了することにしたと、国防部が3日に発表した。写真は3日、京畿道平沢のキャンプ・ハンフリーズの様子//ハンギョレ新聞社

 韓米が毎年実施してきた合同軍事演習「キーリゾルブ演習」と「トクスリ演習」を今年から終了することを決めた。先月28日、ベトナムのハノイで終わったドナルド・トランプ米大統領と金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長の朝米首脳会談は合意に至らなかったが、外交的プロセスが維持され、これを後押しするための軍事的努力も引き続き行われることを知らせる強力なシグナルだ。

 チョン・ギョンドゥ国防部長官とパトリック・シャナハン米国防長官代行は2日夜、電話会談でこのように決めたと、国防部が3日に発表した。指揮所演習の「キーリゾルブ演習」は「トンメン(同盟)」という韓国語の演習に、また、野外機動演習の「トクスリ演習」は別の名称なしに、大隊級規模を中心に年中実施する方式に変わる。

 韓米国防当局の電話会談は、ハノイでの朝米首脳会談が終わって2日も経たないうちに実現した。朝米首脳会談の合意が見送られた後、状況の悪化を防ぎ、今後の交渉の動力を維持することで韓米が共感した措置だ。「両長官は、こうした同盟の決定が、朝鮮半島の完全な非核化を最終的かつ完全に検証可能な方法で達成しようとする外交的努力を後押しするための両国の期待が反映された措置であることを明確にした」と国防部は説明した。

 米国の今回の決定は、金委員長が朝米首脳会談で、核実験とミサイル発射実験の永久中断を文書で約束する用意があることを明らかにしたことに対する軍事的相応の措置とも言える。トランプ大統領は首脳会談直後、宿泊先で開いた記者会見で、「金委員長が核実験を行わないと述べた」と重ねて強調し、韓米合同軍事演習の再開の可否に関する質問に、「それはかなり前に放棄した」と答えた。

 キーリゾルブ演習は、有事の際に朝鮮半島の外から投入された米軍を迅速に展開できる能力を高めるためのもので、室内でコンピューター・シミュレーション・ゲーム形式で進められる。2008年から戦時作戦権の移管に備えて、韓国軍中心に変わった。今年は、戦時作戦権の移管条件を検証するための第1段階である「最初作戦運用能力(IOC)」の評価が行われる見通しだ。「トンメン」と命名された新指揮所練習は、4日から12日まで行われる。従来より期間が半分に減った。「トンメン」の前には「19-1」のように年度が付けられるという。

 トクスリ演習は、実際の兵力と装備が投入される野外機動演習だ。1975年から「フォールイーグル(FOAL EAFLE)」という英語の名前で呼ばれていたが、2008年からキーリゾルブの練習と共に実施されてきた。特定の時期に大規模な兵力と装備が集中する演習であるため、北朝鮮が敏感に反応してきた。国防部当局者は「時期と規模を分散することで、過去の誇示的な性格から離れ、実質的内容を担保する方向で訓練を行う」と述べた。

 今回の決定で、B-1B爆撃機や空母、F22ステルス戦闘機など、朝鮮半島における米軍の戦略兵器の展開も中断されるものと見られる。韓米は昨年6月12日、シンガポールでの第1回朝米首脳会談以来、合同軍事演習「乙支フリーダムガーディアン」と空中訓練の「ビジラントエース」を中止し、朝鮮半島で戦略兵器を展開しなかった。金委員長は今年新年の辞で「我々の主張」として、「外国勢力との合同軍事演習と外部からの戦略資産の持ち込みの中断」を要求した。

 一方、トランプ大統領は2日(現地時間)、メリーランド州ナショナルハーバーで行われた保守政治行動会議の演説で、ハノイ会談は失敗ではないとしたうえで、「我々はこの数日間、多くのことを学んだ」と述べたと、ロイター通信が報じた。トランプ大統領はこの場で「交渉が妥結すれば、北朝鮮は信じられないほど明るい経済的未来を迎えることになるが、引き続き核兵器を保有するなら、いかなる経済的未来もないだろう」と強調した。

ユ・ガンムン記者、イ・ボニョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
 
 

米韓大規模演習を終了

米国防総省発表 非核化協議を促進

 【ワシントン=遠藤誠二】米国防総省は2日、韓国の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相とシャナハン国防長官代行が同日、電話会談し、朝鮮半島有事を想定して毎年春に行われる最大規模の米韓合同軍事演習を終了させることで合意したと発表しました。規模を縮小した新たな訓練に切り替える方針です。朝鮮半島の非核化にむけた米朝両国の協議を促進させるためとしています。

 終了させる合同演習は、指揮所演習「キー・リゾルブ」と野外機動訓練「フォール・イーグル」。これらは昨年は規模を縮小して実施されました。韓国メディアによると、これまでの合同演習に代わる新たな訓練が4日、始まりました。

 米国防総省の声明は、「鄭国防相とシャナハン国防長官代行は、最終的かつ全面的に検証された朝鮮半島の非核化のための外交的努力を支持し、緊張をやわらげるための決定だと表明した」と強調しています。

 トランプ米大統領は3日、ツイッターで「韓国との軍事演習をやりたくない理由は、何億ドルものお金を節約するためだ。この時期に北朝鮮との緊張を緩和するのは良いことだ」と述べました。

 2日の電話会談で鄭国防相は、2月27、28両日にベトナムの首都ハノイで行われた2回目の米朝首脳会談で合意に至らなかったことは「残念」だとする一方、「今回の首脳会談の結果をもとに、米朝両国がより精力的な協議を継続することに期待」を表明しました。

 米韓合同演習をめぐっては、昨年6月に行われた初の米朝首脳会談を踏まえ、8月に予定されていた「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン」などが中止されました。

しんぶん赤旗

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一刻も早く休戦協定を平和協定に変え、日朝国交正常化を行うのが日本国民の願いだ!

2019-03-03 | 3・1独立運動の伝統を受け継いで

朝米首脳会談決裂、日本マスコミ「拙速会談」批判…政界は「安堵」

登録:2019-03-01 22:15 修正:2019-03-02 08:04

 
ホワイトハウスのサラ・サンダース報道官が28日、自身のSNSのインスタグラムにドナルド・トランプ米大統領と金正恩北朝鮮国務委員長が2回目の朝米会談を終えて笑って握手する写真を掲載した/聯合ニュース

 日本のマスコミは2回目の朝米首脳会談が合意なしで終わったことに対して、事前準備が不足した拙速会談だったという評価を主に出した。朝日新聞は1日「首脳頼みの打開は限界」という題名の記事で「事前準備がうまくできなかった首脳外交だったと言わざるをえない」と評価した。この新聞は「実質交渉を仕切り直せ」という題名の社説でも「ドナルド・トランプ米大統領が過剰な譲歩を控えたのは正しいとしても、そもそも溝が深すぎる。事前の準備の乏しさは否めない」と書いた。読売新聞も社説で「トランプ氏は昨年の首脳会談を『成功』と誇示し、その後の実務者協議が膠着状態に陥っても、楽観的な見方に終始していた。北朝鮮の出方を見極められなかった」として「今回の会談に踏み切ったのは、時期尚早だったのではないか」と指摘した。

 日本の政界からは、対北朝鮮制裁が維持されることに安堵するという声が出てきた。小野寺五典・前防衛相は「中途半端な妥協より交渉を仕切り直す方が良い」として「米国は、北朝鮮に対し核・ミサイルの廃棄を要求し続け、拉致問題の提起を継続して欲しい」と話した。石破茂・前自民党幹事長は「(北朝鮮の)非核化を完全に達成できないまま制裁を解除する最も良くない結論で終わらなかった点は幸運」と話した。

 菅義偉官房長官は1日、記者会見で「(米国が北朝鮮に)安易な譲歩をせず、同時に建設的議論を継続し北朝鮮の具体的行動を促すというトランプ大統領の決断を全面的に支持する」と話した。安倍晋三首相も前日同じ立場を明らかにした。

東京/チョ・ギウォン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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100年前に3・1運動がソウルで始まり全国に広がったように、この日も全国各地で「大韓独立万歳」の叫びが鳴り響いた。

2019-03-02 | 3・1独立運動の伝統を受け継いで

100年前の“あの日”のように…全国で「大韓独立万歳」

登録:2019-03-01 22:25 修正:2019-03-02 07:53
 
全国で3・1運動100周年記念行事 
市民の手にも、建物にも太極旗 
光州では「日本軍鎮圧」状況劇 
天安独立記念館にも3千人集まる 
京畿道では「慰安婦被害者」追悼行事 
日帝が動かした徳寿宮光明門も本来の場所へ

 
1日午前、ソウルの光化門広場で文在寅大統領夫妻と市民1万人あまりが参加した中で、100周年三一節記念式行事が開かれた=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 1日、100年前の“あの日”のように、全国各地で「大韓独立万歳」の叫びが鳴り響いた。独立した祖国で市民は太極旗を手に持ち、民衆が中心となって日帝に抵抗した3・1運動の意志と精神を賛えた。

 政府の3・1運動100周年記念式は午前11時、ソウルの光化門(クァンファムン)広場で開かれた。政府の記念式が世宗(セジョン)文化会館など室内でなく、屋外で開かれたのは今回が初めてだ。光化門広場周辺の政府ソウル庁舎など主要建物には大型太極旗が懸けられ、一つの巨大な“太極旗広場”になった。数万人の市民が太極旗を手に、光化門とソウル広場一帯を埋め尽くした。

 ソウル市の3・1運動100周年公式記念行事は午後2時から始まった。これに先立ち、柳寛順(ユ・グァンスン)烈士の母校の後輩である梨花女子高の在学生・卒業生300人余りは、大型の太極旗を持ち中区貞洞(チョンドン)の校庭を出発し、ソウル広場~光化門広場を行進した。ソウル広場に集まった3千人余りの市民と国立合唱団、ソウル大学オーケストラは、スコットランド民謡の「Auld Lang Syne」(「蛍の光」原曲)バージョンの愛国歌と三一節歌、鴨緑江(アムノッカン)行進曲、独立軍歌などを泣きながら歌った。

 朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長は舞台に上がり、「今日午後2時にソウル市が行事を企画した理由は、100年前の今日午後2時に万歳の声が初めて鳴り響いたため」とし、「大韓独立万歳」を先唱した。3千人余りの市民と独立有功者の子孫はもちろん、近隣で「太極旗集会」を開いていた朴槿恵(パク・クネ)釈放運動本部など保守団体もこれを聞き「大韓独立万歳」を唱和した。

 
      ソウル広場で開かれた「100年大合唱」行事=チェ・ユンテ記者//ハンギョレ新聞社

 この日、1938年日帝の徳寿宮(トクスグン)公園化計画により強制移転された徳寿宮光明門(クァンミョンムン)が本来の場所に戻された。文化財庁は2016年、光明門跡を発掘し移転を推進してきた。そしてこの日、本来の場所に戻った光明門の竣工式が開かれた。

 100年前に3・1運動がソウルで始まり全国に広がったように、この日も全国各地で「大韓独立万歳」の叫びが鳴り響いた。京畿道水原(スウォン)では、市民2300人余りが集まり「大韓独立宣言書」を朗読し、大極旗を打ち振って華城行宮(ファソンヘングン)一帯を行進した。日本軍「慰安婦」被害者が暮らす京畿道広州(クァンジュ)のナヌムの家では「日本軍性奴隷被害者追悼祭」が開かれた。参席者は最近亡くなったキム・ジョンブンさんなど被害者の生涯を悼む時間を持った。

 
光化門広場~ソウル広場で開かれた各種の三一節行事を見守る市民たち=チェ・ユンテ記者//ハンギョレ新聞社

 光州(クァンジュ)錦南路(クムナムノ)と5・18民主広場一帯では、100年前に日帝に抵抗したデモを再現する独立万歳行進が繰り広げられた。この日の行進には、親日残滓清算と平和統一実現を望む市民と学生約3千人が参加した。彼らは太極旗と朝鮮半島旗を打ち振り「親日・分断積弊を撤廃しよう」、「民族自主を勝ち取ろう」などのスローガンを叫んだ。また「独立新聞」を撒いて、「独立軍歌」を歌い、錦南路方面に前進した。日本軍の扮装をした30人余りは、彼らの前に塞ぎ立ち、銃を放って鎮圧を試みる状況劇を演出することもした。

 
1日午前、ソウルの光化門広場で、文在寅大統領夫妻と市民1万人余りが参加した中で、100周年三一節記念式行事が開かれた=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 全国有数の“闘争の聖地”とされる忠清道地域では、3・1万歳運動が再現された。忠清南道天安(チョナン)の独立記念館では、独立有功者、光復会員、市民など3千人余りが参加した中で、独立宣言書朗読、独立有功者表彰などが続いた。大田(テジョン)中央科学館では、大田3・1万歳運動が繰り広げられた。

 大邱(テグ)・慶尚北道と江原道地域でも記念行事が続いた。大邱では、市民4500人余りが太極旗を持ち、「大韓独立万歳」を叫び、達城(タルソン)公園、大邱第一教会、普賢寺(ポヒョンサ)からそれぞれ出発し、国債報償運動記念公園までの1.5~2.7キロメートルを行進した。

チェ・ユンテ、アン・グァノク、ホン・ヨンドク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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労働新聞、米国批判せず「問題解決のため生産的対話を継続」

2019-03-02 | 米朝対話

「避けて通れない難関」…金委員長、間接話法で“交渉”の意志示す

登録:2019-03-02 06:26 修正:2019-03-02 08:11

労働新聞、米国批判せず「問題解決のため生産的対話を継続」 
「3回目の首脳会談」への意志示す…韓中ロに遠まわしに“仲裁”を要請 
リ・ヨンホ外務相の深夜会見で北朝鮮側に不利な世論の遮断に乗り出す

 
朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」が1日付で、ベトナムのハノイで開かれた朝米首脳会談のニュースを1~2面にわたって報じた。同紙は、金正恩国務委員長とドナルド・トランプ大統領が建設的な対話を交わし、生産的な対話を続けていくことにしたと報じた/聯合ニュース

 ハノイで開かれた第2回朝米首脳会談の合意が見送られた後、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が示したメッセージは簡明だ。「交渉を続ける」。もう少し詳しく説明すると、「生産的な対話」を通じて第3回首脳会談を実現させ、「段階的同時行動原則」に基づいて朝米両国の信頼水準に合わせた「非核化-相応の措置の取引」を進めるというメッセージだ。

 金委員長のメッセージは、異なる2つの窓口から発信された。まず「労働新聞」で、“総評・総論”を明らかにした。リ・ヨンホ外務相の深夜記者会見では“方法論・各論”を提示した。いずれもメッセージの公式性が高い。「労働新聞」は朝鮮労働党中央委員会の機関紙で、リ外務相は北朝鮮の公式対外窓口だ。

 「労働新聞」は1日付の1・2面にわたって、28日のハノイ会談のニュースを報じた。同紙に掲載された13枚の写真で、金委員長はいずれも笑顔を見せている。記事は1130字で短い方だが、対米批判はまったく見当たらない。同報道に込められた金委員長のメッセージは、「問題解決のための生産的な対話」を続け、「ハノイ首脳会談で議論された問題(を)解決」するとともに、「新たな再会」(第3回朝米首脳会談)を実現させたいということだ。

 同紙はハノイ会談を「朝米関係を両国人民の利益に合わせて発展させる意味ある契機」だと評した。合意が見送られたのは、“破綻”や“決裂”ではなく、長い過程で「避けて通れない難関と紆余曲折」の一環だということだ。金委員長がトランプ大統領とともに「70年間の敵対関係の中で積み重ねられた反目と対決の壁が高く、朝米関係の新しい歴史を切り開いていく旅程には、避けて通れない難関と紆余曲折があるが、手を取り合って知恵と忍耐を発揮し、共に乗り越えていけば、両国人民の志向と念願に合わせて関係を画期的に発展させていけるという確信を表明した」という部分が、それを表している。また両首脳が「建設的で虚心坦懐な意見交換」を行ったとし、金委員長が「再会を約束して(トランプ大統領と)別れの挨拶を交わした」と報じた。

 
北朝鮮のリ・ヨンホ外務相(右)が今月1日未明(現地時間)、ベトナム・ハノイのメリアホテルで記者会見を開き、前日行われたドナルド・トランプ米大統領と金正恩北朝鮮国務委員長の首脳会談が合意に至らなかったことに対する立場を明らかにした。左はチェ・ソンヒ外務副相/聯合ニュース

 リ外務相が28日午前0時過ぎにハノイのメリアホテルで行った深夜の記者会見は、内容と形式ともに前例のないメッセージの発信だ。リ外務相は、金委員長がトランプ大統領との会談で明らかにした構想の核心内容を、2ページの文書を読み上げる方法で、世界メディアに公表した。リ外務相と同行したチェ・ソンヒ外務副相は、5分間にわたり、会見場に集まった取材陣の質問に答えた。北朝鮮当局者が、誰かを激しく非難しない目的で記者会見を開き、質疑応答まで行った前例はこれまでなかった。政府当局者は「金委員長がトランプ大統領との会談で要求したのが制裁の“前面解除”ではなく、“一部解除”であることをマスコミに知らせることで、北側に不利な世論の拡散の早期遮断を狙ったようだ」とし、「反論より釈明会見と呼ぶべきかもしれない」と述べた。

 会見によると、金委員長がハノイ訪問に携えた“非核化措置”の主な内容は、寧辺(ヨンビョン)の核施設の永久廃棄と核実験・長距離ロケット発射の永久中止を文書で約束することだ。寧辺の廃棄と関連し、範囲とレベル(「プルトニウムとウランを含むすべての核物質生産施設」)▽査察と検証(「米国専門家の立会いのもと」)▽廃棄の主体(「両国技術者の共同作業」)を具体的に明らかにした内容が注目される。北朝鮮の核をめぐる交渉に詳しい元政府高官は「米国の査察と検証、共同作業を前提にした寧辺の核施設の永久廃棄は、北側がこれまで一度も提示したことのない新しい提案」だと指摘した。

 リ外相は会見で「米国側が交渉を再び提案する場合でも、我々の方針は変わらない」とし、北朝鮮側が先に交渉の再開を要請するか“譲歩案”を提示する可能性を排除した。しかし、これを鵜呑みにする必要はない。金委員長の提案について、「朝米間の現信頼水準」に基づいて取ることができる「最も大きな歩幅の非核化措置」としながらも、「信頼構築段階を経れば、非核化過程はさらに早く前進できる」とし、余地を残した部分に留意する必要がある。金委員長が表明した「段階的同歩的(同時行動)措置」(2018年5月7日、第2回朝中首脳会談)という“原則”を守るものの、米国側の相応の措置次第で、北側の提案内容も変わる可能性があるという意味が込められているからだ。

 金委員長が「非常に真摯な交渉への意志」(政府高官)を明らかにしているものの、朝鮮半島情勢はしばらく「進展なき膠着」局面は避けられないものと見られる。ハノイ会談で明らかになった朝米両国の取引条件の格差が非常に大きく、トランプ大統領の国内での立場が弱いためだ。元政府高官は「寧辺は北朝鮮の核能力の少なくとも半分以上なのに、トランプ大統領が本格的な折衷に乗り出さず、交渉を中断したのは非常に残念だ」とし、「政府が創意的な方案を用意し、役割を果たすべき」だと助言した。「労働新聞」も、ハノイ会談が「朝鮮半島や周辺地域、世界の平和と安全に貢献する意味ある契機」という評価で、韓国や中国、ロシアなどの“仲裁・促進の役割”を遠まわしに要請した。

イ・ジェフン先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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文大統領は「私たちに訪れた(現在の)朝鮮半島の平和の春は、誰かに作ってもらったわけではなく、私たち自ら、国民の力で作り上げた結果」だ。

2019-03-02 | 米朝対話

文大統領、

朝米間の仲裁役を強調「韓国の役割がより重要になった」

登録:2019-03-02 06:27 修正:2019-03-02 07:59

文大統領、金委員長との会談後に韓米首脳会談  
非核化・制裁緩和めぐる隔たりを埋める試み

문재인 대통령이 1일 오전 서울 광화문에서 제100주년 3.1절 기념사를 하고 있다/한겨레신문사

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は1日、第2回朝米首脳会談で合意が見送られたことについて、「韓国政府は朝米と緊密に話し合い、協力して、両国間の対話の完全な妥結を必ず実現させる」と述べた。朝米間の仲裁者・促進者として今回も突破口を開く意志を明らかにしたのだ。

 文大統領は同日、3・1運動100周年記念演説で、「これから私たちの役割がさらに重要になった」と述べた。朝米首脳が合意には至らなかったが、これまで2度も直接会って交流を深めただけに、文大統領が仲裁者として隔たりを埋める手助けをするという意味とみられる。文大統領は「私たちに訪れた(現在の)朝鮮半島の平和の春は、誰かに作ってもらったわけではなく、私たち自ら、国民の力で作り上げた結果」だとし、朝米首脳間の合意を導き、朝鮮半島問題を主導的に解決していく考えを重ねて示した。

 文大統領は朝米首脳の対話が続くことを期待し、ベトナムのハノイで会った両国首脳の努力を肯定的に評価しようと努めた。彼は記念演説で「長時間にわたって対話を交わし、相互理解と信頼を高めたことだけでも、意味のある進展」だとし、「特に両首脳の間に、連絡事務所の設置まで議論が行われたのは、両国の関係正常化に向けた重要な成果」だと意味づけた。また、「トランプ大統領が見せた持続的な対話意志と楽観的な見通しを高く評価する」と述べた。

 文大統領は今後、朝米首脳にそれぞれ会って、両国の立場を正確に把握すると共に、調整する作業に乗り出すものとみられる。前日、文大統領はハノイで会談を終えて帰国の途についたドナルド・トランプ大統領との電話会談で、「近いうちに直接会って協議を続けていこう」と提案し、トランプ大統領もこれに同意した。特に、トランプ大統領が文大統領に「金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長と対話した後、その結果を知らせるなど、積極的な仲裁役を果たしてほしい」と要請しただけに、韓米首脳会談の前に南北首脳が会うかどうかにも関心が集まっている。

キム・ボヒョプ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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「北朝鮮がすべての制裁の解除を要求した」というドナルド・トランプ米大統領の主張に対し、北朝鮮が深夜記者会見を開いて反論した。

2019-03-01 | 米朝対話

北朝鮮、深夜に反論会見…

「全面的制裁解除を要求したわけではない」

登録:2019-03-01 08:20 修正:2019-03-01 08:32

 
北朝鮮のリ・ヨンホ外務相が今月1日午前0時15分、宿泊先のベトナム・ハノイのメリアホテルで、深夜記者会見を開き、第2回朝米首脳会談で合意に失敗したことに対するドナルド・トランプ大統領の説明に反論している。左はチェ・ソンヒ外務副相=ハノイ/ノ・ジウォン記者//ハンギョレ新聞社

 「北朝鮮がすべての制裁の解除を要求した」というドナルド・トランプ米大統領の主張に対し、北朝鮮が深夜記者会見を開いて反論した。

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長のベトナム訪問に随行している北朝鮮のリ・ヨンホ外務相は1日(現地時間)午前0時15分ごろ、金委員長の宿泊先のハノイ・メリアホテルで記者会見を開き、「我々はすべての制裁を要求したわけではない」と反論した。

 リ外務相は「我々が要求するのは全面的な制裁解除ではなく、一部解除、具体的には国連制裁決議11件のうち2016~2017年に採択された5件、中でも民需経済と人民生活に支障をきたす項目だけを先に解除してほしいというもの」だと述べた。

 同日午後2時15分ごろ、ランプ大統領は宿泊先のJWマリオットホテルで記者会見を開き、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長との第2回朝米首脳会談で合意が見送りになった理由として、「北朝鮮がすべての制裁の解除を要求したため」と説明したことに真っ向から反論したのだ。

 リ外務相は「我々は昨年6月、シンガポールで行った第1回朝米首脳会談で、共同認識に基づく信頼構築と段階的解決の原則に従い、今回の会談で現実的な提案を行った」と述べた。

 彼は「米国が国連制裁の一部、すなわち民需経済と人民の生活に支障をきたす項目の制裁を解除すれば、寧辺(ヨンビョン)地区のプルトニウムとウランを含むすべての核物質生産施設を、米国専門家の立ち会いのもと、両国の技術者らによる共同作業で永久かつ完全に廃棄するということだ」と明らかにした。

 リ外務相は「これは朝米両国間の信頼レベルからして、現段階で私たちが踏み出せる最も大きな歩幅の非核化措置」だと強調した。

 また「我々が非核化措置を取っていく上で、より重要な問題は安全保障問題だが、米国がまだ軍事分野の措置を取るのが負担になるとみて、部分的な制裁解除を相応の措置として提示した」と説明した。

 リ外務相は「今回の会談で、我々は米国の懸念を減らすため、核実験と長距離ロケット発射を永久に中止するという確約も文書の形で提供する意向も明らかにした」と述べた。

 同当局者は「信頼構築の段階を経れば、今後非核化過程はさらに早く前進できるだろう」とし、「しかし、会談過程で米国側は寧辺の核施設の廃棄措置のほかにもう一つを追加すべきだと主張した。したがって米国が我々の提案を受け入れる準備ができていないことが明白になった」と主張した。

 リ外務相はまた「現段階で我々が提案した内容よりも良い合意がなされるかどうかについて、この場で明らかにするのは難しい」としたうえで、「このような機会が再び訪れることも、なかなかないかもしれない」と述べた。

 また「我々のこうした原則的な立場には変わりがなく、今後、米国側が交渉を再び提案する場合でも、我々の方針は変わらないだろう」と強調した。

 リ外務相の深夜記者会見は、前日の28日午後、トランプ大統領が記者会見を開いてから10時間後に行われた。金委員長一行は、トランプ大統領の記者会見の内容を分析し、対応方針について話し合ってから、深夜に反論会見を開くことを決めたものと見られる。

 首脳間の交渉内容に対する事実関係をめぐり、両側が単独記者会見と深夜記者会見を通じて攻防を繰り広げたわけだ。対話再開の雰囲気が再び作られるまでは、かなりの時間がかかる見込みだ。

 
今月1日午前0時15分(現地時間)、ハノイのメリアホテルの前で取材陣がリ・ヨンホ外務相の記者会見の取材を待っている=ハノイ/パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮のチェ・ソンヒ外務副相は、リ外務相の会見に続き、記者団との質疑応答で「民需用の制裁決議の部分的決議すら解除するのは難しいという米国側の反応を見て、(金正恩)国務委員長の同志が今後の朝米交渉について少し意欲を失うかもしれないという印象を受けた」と述べた。

 チェ副相は「今回、私が首脳会談を見ながら、国務委員長の同志が米国が進める米国式の計算法について、理解に苦しんでいるような印象を受けた」と語った。

 チェ副相は、北朝鮮が今回の交渉で北朝鮮に提示した案について「寧辺の核団地全体、その中にあるすべてのプルトニウム施設やすべてのウラン施設を含むすべての核施設を、丸ごと米国専門家の立会いのもと、永久かつ不可逆的に廃棄することに対する(提案)」だとし、「歴史的に提案したことのない提案を今回にした」と述べた。

 彼女は「このような提案に対し、米国側が今回受け入れなかったのは、天才一遇の機会を逃したも同然だ」と主張した。

ハノイ/ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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