名護市長選23日投票 きょうから「三日攻防」
国・米軍にモノ言える岸本さん
デニー知事が押し上げ
23日投票の沖縄県名護市長選は20日、投票箱の閉まるまで最終盤の奮闘が勝敗を決する「三日攻防」に突入します。同市辺野古の新基地建設の是非、米軍由来の新型コロナ感染爆発から市民の命と暮らしを守るかどうかが最大争点となった大激戦で、新基地ノーを掲げる岸本ようへい候補(49)は、政府丸抱えの現市長を猛追。岸本候補は19日、玉城デニー知事とともに市内各所を回り、米軍由来の感染拡大を認めず、何も言わない現市政を転換し、「国にも米軍にもはっきりモノが言える市政に変える」と力を込めました。(関連)
岸本候補は、政府が強行する新基地建設について「これ以上、沖縄に基地負担を押し付け、市民を新たな基地の危険にさらすわけにはいかない」と強調。安心・安全の市民生活を守ることが原点だとして「新型コロナでも、新基地についても、言うべきことは言う市政に。変えるべきは変える、止めるべきは止める」と訴えると、熱烈な「ようへいコール」が起こりました。
保育料の無償化など子育て支援について岸本候補は、新基地建設への協力を前提とした米軍再編交付金に頼らずとも、市の予算全体の1・5%で継続できると力説。基金をつくるほか、ふるさと納税や市有地の活用など、具体的な財源を示しながら、「必ず実現します」と表明しました。
デニー知事は「沖縄でのコロナ感染爆発は米軍が市中にウイルスを引き連れてしまったと言わざるを得ない」と指摘。ヨーロッパの国と異なり、日本は感染抑止をめぐって米軍に国内法が適用されない不平等な日米地位協定の問題があるとして、「当たり前の要求が通るように変えなければ」と述べました。その上で、国や米軍にモノが言える岸本候補の必勝を訴えました。
一方、現市長も同日午後、市内各所で訴え。子ども医療費・保育料・給食費の「無料化」について、「私が東京へ出向いて国と交渉した。前市政になかった交付金を財源に充てている。大きな事業の継続には財源が必要だ」と述べ、米軍再編交付金の受け取りを当然視する考えを示しました。
また、現市長陣営は地元業者に激しい締め付けを行い、自民・公明の組織を総動員して期日前投票などへの動員を強めています。期日前は2日間で6000人以上が投票。前回並みに近い数字で推移しています。
南城市長選
子ども大切にする市政推進
チョービン候補 力こめ訴え
投票が23日に迫る沖縄県の南城市長選で必勝を目指す現職の、「オール沖縄」の瑞慶覧(ずけらん)チョービン候補(63)は19日、市内で街頭宣伝し、「子どもたちは未来の宝だ。多様性のある子どもたちを大切にする環境をつくる」と改めて表明しました。
「市民の声でまちづくり」を引き続き最優先に市政運営を行うことを掲げる瑞慶覧候補は、老朽化・危険とされている児童館について、「廃止する前に必ず(代替)計画をつくる。子どもたちの(代わりの)居場所の計画を住民に説明し、居場所ができたときに廃止するのが手順だ」と説明しました。
瑞慶覧候補は前回、65票の僅差で初当選。今回の市長選も自民、公明両党推薦の前市長と、1票を争う大激戦です。相手陣営は政府官邸挙げての、なりふり構わない執念を持った取り組みで集票しています。
米軍特権を許さず、同県名護市辺野古の米軍新基地建設に明確に反対する瑞慶覧候補の再選を目指す、「みんなが主役・南城市民の会」は、デマや圧力をはね返し、「あと一回り二回り、支持の輪を広げよう」と大奮闘。コロナ禍での期日前投票による早めの分散投票などを呼びかけています。