2023年12月8日(金)
介護利用料
2割負担 対象拡大
反対論噴出のなか 厚労省 強行の構え
介護保険の利用料2割負担の対象拡大をめぐり、厚生労働省は7日の社会保障審議会の部会で反対論が噴出するなか議論を打ち切り、政府が年末の2024年度予算編成のなかで決めることとしました。このまま負担増となれば、早くて25年8月から施行する構えです。「無理やりだ」「会議の形骸化だ」と批判が相次ぎました。
介護保険制度の「史上最悪」と呼ばれる改悪メニューの一つで、原則1割負担の利用料を2割負担(利用者の4・6%)とする対象者を拡大し、負担増を押し付けるものです。利用料が倍加する人が相次ぎ、利用控えが懸念されています。
昨年末以降、国民の怒りで2度も先送りに追い込まれていましたが、岸田政権は負担増に固執。部会では、2割負担に引き上げる対象者の所得基準が明確にされないまま、議論を打ち切るという「異例の対応」(厚労省担当者)に出ました。
委員は「慎重意見が大勢を占めているのに納得しがたい」(全国老人クラブ連合会)、「これ以上、無理やりの議論を続けてほしくない」(認知症の人と家族の会)と猛反発。日本医師会の委員は、厚労省の会議が形骸化しており「部会の議論がどの程度反映されるのか」と迫りましたが、厚労省は「反映というか考慮する」と述べるにとどまりました。