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「党づくりの後退から前進への歴史的転換を果たす」ために、地方議員のみなさんの力を総結集し、支部と心ひとつにたちあがろうということです。

2024-05-10 | 日本共産党へご協力を!

2024年5月10日(金)

地方議員オンライン交流会

地方議員のみなさんへ

田村智子委員長のよびかけ

 「支部と心一つに『手紙』にもとづく党づくりへ 地方議員オンライン交流会」が9日午前、党本部と各地を結んで開かれ、田村智子委員長が最初に「地方議員のみなさんへのよびかけ」を行いました。内容は次の通りです。


写真

(写真)よびかけをする田村智子委員長=9日、党本部

 全国の地方議員のみなさん、こんにちは。議会活動、要求運動、党建設など、各地域の日本共産党の顔となって、日々、奮闘されているみなさんに、心からの敬意を表します。

 今日、私は、すべての地方議員のみなさんに心からよびかけを行います。それは、党大会決定と2中総の「手紙」がよびかけた今大会期最大の任務――「党づくりの後退から前進への歴史的転換を果たす」ために、地方議員のみなさんの力を総結集し、支部と心ひとつにたちあがろうということです。

 2中総の「手紙」は、この2年間の党づくりが、歴史的な分かれ道になる、ここに党の命運がかかっていると訴えました。この「手紙」をうけて、いま支部での真剣な議論がはじまっています。支部の存在意義を確かめあって胸が熱くなった、「このままこの支部を終わらせるわけにはいかない」と支部長が入党の働きかけに足を踏みだしたなど、前向きの変化も生まれています。

 同時に、2年後までに第28回党大会時現勢の回復・突破を果たすという目標に照らした「目標水準」の運動には、まだ大きな距離があり、運動の規模を数倍に引き上げることがどうしても必要です。打開のカギは、党づくりを全支部運動、全党員運動にしていくことができるかどうかです。いま、全党が7月末までに「目標水準」の運動をつくりだそうと奮闘しています。

 このとりくみの成功へ、支部、党機関とともに、全国2300人の地方議員が連帯して力を発揮しよう。そのために、三つのよびかけを行いたいと思います。

よびかけ(1)

党地方議員団の後退から前進への歴史的転換を果たす大会期にしよう

 第一のよびかけは、党づくりで後退から前進への歴史的転換を果たすことと一体に、日本共産党地方議員団の後退から前進への歴史的転換を果たそうということです。

 大会決議では、「わが党の地方議員は、日常不断に草の根で住民と結びつき、住民の利益を守り、要求にこたえて地方政治を動かすとともに、その活動を通して、日本共産党の信頼を広げるかけがえのない役割を果たしている」と述べています。

 私がまず心からの敬意をこめて訴えたいのは、全国2300人の党地方議員団のみなさんが、さまざまな困難をのりこえ、苦労されながら日々果たしている役割は、日本国民と日本共産党にとって文字通り「かけがえのない」――“宝”のような存在だということです。

 党議員団は、住民の苦難軽減をモットーに、草の根の要求実現に、あるいは国の悪政から暮らしをまもる防波堤として、住民運動と“二人三脚”で頑張り、全国で地方政治を動かしています。

 学校給食無償化は、昨年8月の「赤旗」の全国調査でも、1788自治体のうち小中学校とも無償化したのが493自治体、約3割に達し、その後も広がっています。子どもの医療費無料化は、2023年4月のこども家庭庁調査で、通院で18歳まで無料のところが1202自治体、15歳までが482自治体、合計96・7%、もう子どもの医療費無料化は「当たり前」というところまで広げてきました。

 悪政の防波堤としての役割も発揮されています。国民健康保険では、国が都道府県化のもとで統一保険料を自治体に迫るもと、自治体独自の国保料値下げと子どもの均等割の減免をと、全国で奮闘しています。介護保険の改悪にも立ち向かい、介護保険料の引き下げを実現した自治体もひろがっています。

 こうしたわが党の議員団の活躍は、議席占有率で最高時の8・43%から減ったとはいえ、この4月末時点でも7・19%と、議員数4400人だった「平成大合併」前の時期と、ほぼ同じ割合を維持していることによるものです。

 同時にこうした「かけがえのない」党地方議員団の陣地が、この間の統一地方選挙、引き続く中間地方選挙を通じて後退傾向を脱していない現状があります。党大会では、4年前の第28回党大会時から331人の議席後退となったことを報告しましたが、その後も残念ながら5月1日現在で20人後退しました。候補者を立てられず、あるいは自力の後退で、党の議席が後退あるいは空白になってしまう。こんなに悔しいことはありません。そのことに私たちも胸を痛めない日はありません。党の地方議員が減少すれば、住民要求にこたえる力が弱まってしまう。地域における党の影響力も弱まってしまう。これは地方議員のみなさん自身が痛感していることと思います。

 ここで何としても、後退から前進へと転じようではありませんか。どうやって前進へと転じるか。その最大の力は、「つよく大きな党」をつくる以外にありません。悔しい後退をバネに党づくりの新たな努力を開始している党組織が生まれていますが、ここにこそ活路があるのではないでしょうか。新しい党員を迎え入れ、要求運動でも選挙闘争でも自覚的にとりくむ支部を広げていく。「しんぶん赤旗」読者のネットワークを地域に広げて、党の大切な友人であり、選挙では一番の協力者となる読者を広げていく。ここにこそ、後退から前進への最大の保障があることを強く訴えたいのです。

 7月末までに「目標水準」の運動へと党勢拡大運動を飛躍させ、直面する総選挙勝利への勢いを全国津々浦々からつくりだそうではありませんか。目前の沖縄県議選、中間地方選挙、来年の都議選・参院選の連続選挙、そして3年後の統一地方選挙を展望して、その勝利の最大の保障――つよく大きな党をつくろうではありませんか。

よびかけ(2)

「歴史的チャンス」の情勢、党大会決定と綱領路線を生き生きと語って党をつくろう

 第二のよびかけは、「歴史的チャンス」の情勢をとらえて、党大会決定と綱領路線を生き生きと語って、党をつくろうということです。

 大会決定は「自民党政治の全体が末期的な状況」と指摘し、党の先駆的役割が光っていることを解明しました。それから4カ月。情勢は、大会決定の解明通りに、劇的に進展しています。私は、いまの情勢のもとで、日本共産党が果たしている役割について、二つの点を訴えたいと思います。

 一つは、党と「しんぶん赤旗」の奮闘が、自民党を文字通りの窮地にまで追い込んだということです。衆議院補欠選挙では、「衆院3補選、崩れる自民支持層 立憲3勝共産寄与」(「日経」)と報じられたように、自民党への不信任、維新への審判、市民と野党の共闘の勝利をかちとるうえで、日本共産党が大きな貢献を果たしました。市民連合の中野晃一さんからは、「『しんぶん赤旗』日曜版のスクープをきっかけに、日本共産党が裏金事件を厳しく追及したことが、補選の発端となり、最大の争点の一つとなった」など、私たちが勝利に貢献したことを高く評価いただいています。補選後の世論調査では「政権交代」を望む声が「自民・公明政権の維持」を上回り、まさに自民党政治を終わらせることが、国民多数の要求になっています。自民党を断崖絶壁まで追い込むうえで、わが党が果たした役割に深い確信をもって、元気いっぱい奮闘しようではありませんか。

 いま一つは、日本共産党が、自民党政治に代わる新しい政治、新しい社会について、すべてにわたって希望ある対案を指し示す党だということです。多くの国民は自民党政治に愛想をつかしながら、それに代わる新しい政治が見えているとはいえない状況があります。しかし、わが党は、内政でも、外交でも、そして資本主義に代わる新しい社会でも、すべてにわたって希望ある解決の道を太く示している党です。

 暮らしと経済では、この間、異次元の金融緩和を続けた「アベノミクス」の破綻が劇的に明らかとなる事態が進展し、異常円安、物価高騰が国民の暮らしを苦しめているのに、自民党政治は「打つ手なし」のどん詰まり状態に陥っています。暮らしを支え、中小企業の営業を立て直して、実体経済を再生する経済政策への転換――「経済再生プラン」が、いよいよその値打ちを増しています。

 平和をめぐってはどうでしょうか。岸田政権は日米首脳会談で、自衛隊を事実上、米軍の指揮下に組み込むことまで合意しました。これは日本の主権を米国に売り渡すにひとしいものであり、売国政治と呼ばずして何と呼ぶのでしょうか。同時期の4月17日、志位議長の講演で日本共産党が提唱した「東アジア平和提言」は、憲法9条の理想に立った提案であるとともに、現に存在する枠組みを活用して平和をつくる提案として、国内外で反響を広げつつあります。「東アジア平和提言」は、「外交ビジョン」のさらなる発展という大会決定の実践であり、この内容を学び、大いに語っていこうではありませんか。

 地球的規模の貧富の格差の拡大、気候危機の深刻化を前にして、「資本主義というシステムを続けていいのか」を真剣に考える動きが起こっています。こうした状況のもと、4月27日に学生オンラインゼミで志位議長が行った講演「『人間の自由』と社会主義・共産主義――『資本論』を導きに」は、綱領路線と大会決定を発展させ、「社会主義には自由がない」というイメージを根底からくつがえし、日本共産党がどういう政党かを、もっとも本質的なところから明らかにするものとなりました。大学内の立て看板をみて、党員でも同盟員でもない学生が、ゼミの仲間を誘って党本部まで来たという、これまでにない経験も起こっています。青年・国民を党に結集する新しい鉱脈を発見した思いです。「しんぶん赤旗」日刊紙に何回かに分けて掲載し、出版物にもなる予定です。ぜひ地方議員のみなさんが率先して学び、社会主義・共産主義への展望を、共産主義者として自らの言葉で語っていこうではありませんか。

よびかけ(3)

経験豊かなベテラン議員、若い世代・真ん中世代議員がともに力をあわせよう

 第三のよびかけは、地方議員のみなさんがもっている可能性を党づくりへ実らせるために、経験豊かなベテラン議員、若い世代・真ん中世代議員がともに力をあわせようということです。

 いま、全国の地方議員団の構成のなかで、60代・70代を中心とする人生経験豊かなベテランの議員のみなさんが、党活動・党建設においても牽引(けんいん)力を発揮されています。党機関の一員として頑張っていただいている方も少なくありません。私は、ベテランの同志のみなさんの奮闘は、住民の暮らしの守り手として人生を歩み続けてきた、日本共産党員だからこその献身的な奮闘だと、心から誇りに思います。同時に、その大切な議席を次の世代に引き継ぐために「党づくり」の牽引力として力をつくされることを心からよびかけるものです。

 20代~50代の若い世代・真ん中世代の地方議員、あるいは1期目・2期目の議員のみなさん、党活動の経験があまりないなかでも立候補を決意し、議会活動でも党活動でもさまざまな挑戦をされているみなさんは、党と日本社会の未来をひらく宝のような存在です。私は、昨年、「若い世代・真ん中世代の地方議員の学習交流会」でお話しする機会がありましたが、中央としてみなさんの活動を援助するとりくみを系統的に進めることをお約束します。若い世代・真ん中世代に党をつくることに、お互いに挑戦しようではありませんか。

 ベテランも若い世代も、双方がともに力を発揮し、みんなの力を集めて党づくりを成功させよう。これが第三のよびかけです。

 どう党づくりにとりくむか。地方議員のみなさんからの悩み、聞きたいことも寄せていただきました。ベテランの議員のみなさんは、“さまざまな活動が自分に集中している”“次の後継者がつくれていない”という悩みがつきないという方が多いと思います。若い議員のみなさんからは、“党を語る自信がない”“どう頑張ればいいかがわからない”という方が少なくないと思います。中央として、これらの悩みをすべて受け止めて、ともに打開をはかっていく決意です。今日、私はとくに次の三つの活動でともに前進をつくっていくことを訴えるものです。

地方議員団としての党生活の確立をはかる

 一つは、議員団としての党生活の確立です。

 議員団会議を定期的に開いて、日常の党生活をしっかり確立しましょう。党大会決定や2中総決定をはじめ党の方針を時間をとって討議し、具体化する。みんなが「しんぶん赤旗」をよく読み、学習の時間もとって、世界と日本の情勢と党の役割をたえずつかんで活動する。この原則的な活動が、日本共産党の地方議員として、苦労はあっても、頑張る力が湧いてくる根本的土台だと思います。

 昨年の「地方議員学習交流会」に参加したある議員は「最近実感しているのは、議員の前に党員なのであって、党員としての成長を機関と議員団がどう考えて、保障していくのかが大事だと思っています」と発言されました。目の前の課題だけに追われ、長期的な視野や世界に目を向けることができなくなると、自分がスカスカになって、疲弊して、深いところからの力がでなくなる。同時に議員団で、この数年、学習の時間をつくる努力や、会議で一人ひとりが発言と質問ができるように少人数での議論の機会もつくって、年齢や議員としてのキャリアに関係なく意見を尊重していることも、紹介されました。

 これはベテランの議員にとっても、また若い世代への継承にとっても、大変大事だと思います。党機関の援助もうけながら、すべての議員団で党生活を確立し、2300人の力が生き生きと発揮される党になろうではありませんか。

学習の位置づけを抜本的に高める

 二つは、学習の位置づけを抜本的に高めることです。

 若い世代や経験の少ない議員のみなさんの党員としての成長を保障し、自信をもって活動していくうえでも、ベテランのみなさんにとって切実な課題である議員団の世代的継承を成功させるうえでも、いま、この努力を強めることが求められているのではないでしょうか。

 とくにいま、自民党政治がゆきづまり、わが党に期待と注目が集まりうる情勢が展開しているからこそ、それを阻もうとする党への攻撃もあります。どんな攻撃にも揺らぐことなく、党の路線に確信をもってこれをうちやぶり、国民に攻勢的に党を語っていく力の源泉となるのが、党綱領と科学的社会主義に対する世界観的確信です。そのために党大会決定、綱領、規約、科学的社会主義、党史を学習することです。

 ある真ん中世代の議員は、党史『日本共産党の百年』を学び、「初めて自分が党員として成長している実感を持った」と語っています。

 学習する時間をとることを惜しまず、自分が党員として成長することも、つよく大きな党をつくる一歩と位置づけて、とりくもうではありませんか。

困難は支部とともに、機関と協力し、党づくりで突破する

 三つは、困難は、支部とともに、機関と協力し、党づくりで突破しようということです。

 選挙での後退をとりかえして次は必ず勝利する。議員の後継者をつくる。さまざまな活動が少数の人に集中している状況を解決する。こうした問題も根本的には、党づくりで打開するしかありません。

 いま2中総の「手紙」が、困難を党づくりによってのりこえようと、支部の心に灯をともし始めています。ぜひ、地方議員としても、芽生え始めている支部の決意を後押ししていこうではありませんか。「手紙」をまだ討議し、具体化するに至っていない支部にも、ぜひ足を運び、自分自身の党づくりへの思い、決意を語っていこうではありませんか。

 党員を増やす、読者を増やすということは、困難もあるけれども、最もやりがいのある楽しい活動だということも強調したいと思います。自分の入党の初心を語る、いま抜群の注目をあびている「しんぶん赤旗」をアピールする。自分の選択した生き方や頑張っている活動を語ることほど、やりがいある活動はありません。

 「私は、だから、世の中を変える生き方を選びました。あなたもぜひ」と、党を応援してくれている方、「赤旗」読者、後援会員、要求で結びついた人に、思い切って支部とともに呼びかけてみようではありませんか。

 全国の地方議員のみなさん。2300人の地方議員が、1万7千の支部・グループのみなさんと心ひとつに奮闘するなら、党づくりの後退から前進への歴史的事業は必ずできると私は確信しています。

 2300人の地方議員団の草の根の力をさらに大きくし、未来に引き継ぐために、総選挙の勝利で日本の「夜明け」をきりひらくために、ともに奮闘しようではありませんか。

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「私に決定の権限があるなら、在韓米軍を(朝鮮半島に)駐留させない」とも語った。コルビー元副次官補は、トランプ前大統領が再選を果たした場合、国家安保補佐官候補として有力視されている国防専門家だ。

2024-05-10 | 世界の変化はすすむ
 

トランプ前大統領の「米軍撤退論」の隠れた前提…

「韓国の核武装を排除しない」

登録:2024-05-09 06:01 修正:2024-05-09 08:06

 

「在韓米軍と東アジア同盟の性格が変わる」 
「米国は北朝鮮の核攻撃から韓国を守らないだろう」
 
 
ドナルド・トランプ前大統領が4月2日、ウィスコンシン州のグリーンベイで選挙遊説をしている=グリーンベイ/ロイター・聯合ニュース

 米国大統領選挙を控え、共和党の大統領候補ドナルド・トランプ前大統領と側近たちは、相次いで「在韓米軍撤退」に触れている。在韓米軍の防衛費引き上げを狙った「取引戦略」かもしれないが、韓国の安全保障に決定的影響を及ぼす米国の大戦略変化の流れに備える必要があるとみられる。

 エルブリッジ・コルビー元米国防副次官補(戦略・戦力担当)は6日(現地時間)、聯合ニュースのインタビューで、「米国の主な懸案ではない北朝鮮(問題)を解決するために、これ以上朝鮮半島で米軍を人質として取られるわけにはいかない」とし、「韓国は北朝鮮に対して自国を防衛する上で主となる、圧倒的な責任を負わなければならない」と述べた。「私に決定の権限があるなら、在韓米軍を(朝鮮半島に)駐留させない」とも語った。コルビー元副次官補は、トランプ前大統領が再選を果たした場合、国家安保補佐官候補として有力視されている国防専門家だ。

 これに先立ち、トランプ前大統領も先月30日(現地時間)に報道されたタイム誌のインタビューで、「なぜ私たちが豊かな国である韓国を守らなければならないのか」という発言で、在韓米軍の存在に否定的な立場を示した。「韓国から米軍を撤退させるのか」という質問に「私は韓国が私たちをまともに待遇してほしいと思っている」としたうえで、「私は、彼らがそこにいる米軍4万人(実際には2万8500人)に対して事実上何も支払わなかったため、交渉を行った」と答えた。

 トランプ前大統領と主な側近たちが在韓米軍の撤退や削減を示唆するのは、まずは「負担の分担(バードン・シェアリング)」のレベルで韓国により多くの防衛費分担金を求めるためとみられている。トランプ前大統領が在任当時、韓国の防衛費分担金を大幅に引き上げるよう圧力を加え、北大西洋条約機構(NATO)にもより多くの軍事費支出を求めたのと同様の交渉戦略ともいえる。韓米が来年末で終わる第11次防衛費分担特別協定の後続の協定に向けた交渉をすでに進めているのも、トランプ前大統領が再び政権を握る可能性を念頭に置いたものとみられる。

 
 
ドナルド・トランプ前大統領が政権に復帰した場合、有力な国家安保補佐官候補とされているエルブリッジ・コルビー元米国防副次官補が6日(現地時間)、ワシントンDCにある自身のシンクタンク事務所で、聯合ニュースのインタビューに応じている/聯合ニュース

 だが、米国国内の政治の変化と米中競争激化という大きな流れの中で、米国の戦略が根本的に変化していることも見逃してはならないという指摘もある。

■中国との競争に米国の力を集中…韓国は自ら対応すべき

 コルビー元副次官補は、今回の聯合ニュースのインタビューをはじめ、一貫して「米国は最大の脅威である中国に力を集中させなければならず、北朝鮮に対する脅威は韓国が自ら対応しなければならない」と主張してきた。成均館大学政治外交学科のチャ・テソ教授は、「冷戦時代のように非武装地帯(DMZ)近くに在韓米軍の大規模兵力を駐留させ、『トリップワイヤー(有事に米国の自動介入を保証するもの)』の役割を果たす構造は消え、北朝鮮に対する防衛は韓国がほぼ専担する形にする一方、韓国が防衛費をさらに多く支払うよう迫っている」とし、「米国の大戦略が中国に焦点を合わせるにつれ、東アジア同盟の性格が全体的に変わってきており、在韓米軍の性格も変化することを明確に認識して備えなければならない」と語った。

 特にコルビー元副次官補は、「できるだけ早い時期に(韓国軍に)戦時作戦権を移管しなければならない」と述べた。韓国の保守陣営が反対してきた戦作権の移管を、米国の保守陣営が強く要求しているということだ。また、米国は自国の都市を犠牲にしてまで韓国を北朝鮮の核攻撃から保護しないとし、「韓国の核武装を排除しない」とも語った。チャ・テソ教授は「米国の国力が下がり始めた1970年代、ニクソン政権が在韓米軍を減らしたことを受け、韓国で核武装の試みがあったのと似た局面」だと指摘する。北朝鮮の核問題が深刻になった状況で、トランプ前大統領の再選が現実化した場合、韓国内で独自の核武装論が本格化する可能性を予告したものでもある。米国の大統領選挙の結果は予断できず、トランプ陣営の朝鮮半島政策が実現するとは断定できないが、米国内でこうした声が次第に広がっている変化は決して見逃せない。韓国が見て見ぬふりをするにはあまりにも大きく危険な変化が進んでいる。

パク・ミンヒ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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