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この菌株は今日まで残っている5つのペスト菌系統のうちの4つの系統の祖先でもある。

2022-07-04 | 科学最前線

欧州が焦土と化した「ペスト拡散」のミステリー、

700年たって解明

登録:2022-06-18 10:44 修正:2022-06-18 12:26
 
ヨーロッパでの流行の8年前、キルギス北部の山岳地帯 
「疫病死亡」墓地からヨーロッパで流行したペスト菌株
 
 
14世紀のペストの惨状を描いた16世紀のベルギーの画家、ピーテル・ブリューゲルの絵「死の勝利」=ウィキメディア・コモンズ//ハンギョレ新聞社

 古遺伝学が史上最悪の伝染病の一つであるペストの発源地に関するミステリーを、発生から675年がたって解き明かした。

 死者の歯から抽出した古代ゲノム分析を通じて、14世紀にヨーロッパを焦土化させたペストが始まった地域は古代貿易路であるシルクロードの中間起着地であることを突き止めた。この地域は、現在の中央アジアのキルギス北部山岳地帯だ。

 ドイツのマックス・プランク人類史科学研究所とチュービンゲン大学、英国のスターリング大学の共同研究陣は「現在のキルギス地域で14世紀に病気で死亡した人から、ペスト菌(Yersinia pestis)を確認した」と、国際学術誌「ネイチャー」に発表した。

 マックス・プランク研究所のヨハネス・クラウゼ博士(古生物学)は「アルファ、デルタ、オミクロンが全て武漢のコロナ菌株から始まったように、ペストのすべての菌株が始まった地域を探し出した」と述べた。

 ネズミとノミを通じて感染するペストは、1346~1353年にユーラシア西部一帯を襲い、数千万人の命を奪った。当時、ヨーロッパ、中東、北アフリカの人口の60%が感染し、致命率は30~60%に達したという。

 ネズミがペスト菌の天然の貯蔵所、ネズミに生息するノミが直接的な伝播媒体だ。ペストは、病原体に感染した人の肌に黒い斑点ができることから「黒死病」とも呼ばれる。

 しかし、最初の発源地と伝播経路はこれまで究明されていなかった。当時、モンゴル帝国の軍隊に包囲されていたヨーロッパ東方のクリミア半島のカッファやコーカサス、または中央アジアの他の地域が発源地であるという仮説があるだけだった。中国にあるペスト菌の遺伝的多様性が最も大きいという点が、東方発源説を裏付けた。

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古遺伝学が解き明かした675年間のミステリー

 今回の研究は、スターリング大学のフィリップ・スラビン博士(中世史および環境史)が数年前、キルギスのテンシャン(天山)山脈のイシク・クル湖周辺にある14世紀のキリスト教の共同墓地で、ペストの起源についての手がかりとなりうる記録を発見したことから始まった。

 イシク・クル湖近くの二つの共同墓地には、1338年と1339年に作られた墓碑が並はずれて多かった。1248~1345年の間に建てられた467基の墓碑のうち、1338~1339年に建てられたものが118基もあった。そして、このうち10基が死亡原因として疫病に言及していた。

 1~2年で異常に多くの死者が出たということは、当時何か驚くべき事件が起きていたことを意味するとスラビン博士は語った。

 
 
ある伝染病の犠牲者の墓碑。シリア語で「1649年(西暦1338年)寅年。これは信者のサンマークの墓である。疫病で死亡した」と書かれている=マックス・プランク研究所提供//ハンギョレ新聞社

 この墓地は1880~1890年代、ロシアの学者たちが初めて発見した。スラビン博士は疑問を解く手がかりを探るため、マックス・プランク研究所のクラウゼ博士とともに、ロシアのサンクトペテルブルクに運ばれた遺体30体を追跡調査した末、遺体が埋まっていた墓の墓碑を見つけることができた。続いてドイツのチュービンゲン大学の古遺伝学の研究陣が、墓碑が特定された遺体7体から遺伝物質を抽出して分析した。その結果、ある墓地から発掘した3人の遺体の歯からペスト菌が発見された。

 研究陣はこのうち二つの遺体で、ペスト菌の全ゲノムの塩基配列を解読することに成功した。研究陣はこれを現代のペスト菌203個、14~19世紀のペスト菌47個の遺伝子と比較した。その結果、このペスト菌が8年後にヨーロッパを襲い始めたペスト菌株の直系祖先であることが分かった。クラウゼ博士のチームが2011年にロンドンのペストによる死者から採取したペスト菌も同じ系統だった。

 また、この菌株は今日まで残っている5つのペスト菌系統のうちの4つの系統の祖先でもある。クラウゼ博士は「ペストが拡散する直前に、ペスト菌の遺伝的多様性が爆発的に増えたという信号」だとし「これは疫病のビッグバンと言える」と述べた。

 
 
テンシャン山脈の麓にあるキルギスのチュイ渓谷のKara-Djigach遺跡の発掘場面。発掘作業は1885年から1892年まで行われた=マックス・プランク研究所提供//ハンギョレ新聞社

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マーモットが起爆剤…ヨーロッパのネズミが焚き付け

 ペストの発源地がこの地域であることを裏付ける他の情況証拠もある。テンシャン山脈を取り囲んでいるキルギス、カザフスタン、中国新疆地区のマーモットや他のげっ歯類から採取したペスト菌が、ここの菌株と非常に似ているという点だ

 クラウゼ博士は「発源地を『この村、あの谷』というふうにはっきり指摘することはできないが、『この地域』と特定することはできる」と話した。

 研究陣は、ペスト菌に感染したマーモットと濃厚接触した人間がキルギスの流行の起爆剤の役割を果たし、ペストの免疫力のないヨーロッパのネズミが焚き付け役となったと推定した。

 スラビン博士は、テンシャン地域は古代シルクロードの貿易路であることから、この地域をペスト発源地とみるのが合理的だと述べた。キルギスの墓から発見されたインド洋の真珠、地中海のサンゴ、外国のコインなどは、交易商品がここを通過したことを物語っている。したがって、長距離であれ域内であれ交易が病原菌を西側に広めるのに重要な役割を果たしたとみることができるということだ。

 
 
14世紀のペストの発源地とされたキルギスのテンシャン山脈一帯=マックス・プランク研究所提供//ハンギョレ新聞社

 しかし、1300年代初めに同地域でペストが発生した理由は明らかにされていない。ただ研究陣は、ここの菌株が全世界の野生のげっ歯類の個体群が形成しているペスト菌の溜まり場の一つであることだけは間違いないと強調した。ノルウェー・オスロ大学のニルス・ステンセス教授(進化生物学)は、今回の発見は1300年代から始まった中央アジアの温暖な気候がヨーロッパの伝染病を触発したという仮説とも合致すると語った。

 研究陣の次の課題は、ここのペストがヨーロッパまでの3500キロメートルをどうやって移動していったのか、なぜ東アジアには広がらなかったのかを究明することだ。

 モンゴル帝国の軍事的拡張によるペスト伝播仮説を支持する研究者たちには、まだ疑いが残っている状況だ。米国の中世史家のモニカ・グリーン氏は「ネイチャー」に、「ペスト菌の祖先のゲノムを確保したのは素晴らしい突破口になるが、ペスト菌が1338~1339年にキルギスでビッグバンを引き起こしたという結論については確信できない」と述べた。グリーン氏は遺伝的証拠に基づき、13世紀のモンゴル帝国の拡張がペスト菌株の拡散と多様化を促進したという考えを持っている。

 ペストは現在もオーストラリアを除くすべての大陸に生息するげっ歯類を通じて発生している。しかし、衛生水準が高くなり、感染が発生するのはまれだ。感染しても抗生物質で簡単に治療できる。

クァク・ノピル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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このように遺伝子の突然変異を抑制する優れた能力は、がんを抑制するのに活用されるかもしれない。研究者は「このキノコが複製で進化する様子は、人の体内でがんが広がっていくのに似ている」と明らかにした。

2022-06-05 | 科学最前線

サッカー場の100倍、年齢2500歳…

世界最大「怪物キノコ」の驚くべき実体

登録:2022-06-03 10:10 修正:2022-06-03 11:58
 
米ミシガン州の森のワタゲナラタケの菌糸体、重さ推定400トン 
複製を重ねても突然変異が極めて稀…がん抑制に応用できる可能性
 
 
群がって生えているワタゲナラタケ。地上のキノコはこぢんまりとしているが、地下の菌糸体は巨大な個体だ=ダン・マルタ、ウィキメディア・コモンズ提供//ハンギョレ新聞社

 世界的科学ジャーナル「ネイチャー」は1992年4月2日、「世界で最も大きく、最も古い生物が発見された」というタイトルの論文を載せた。メディアを通じて大きな話題となったその主人公は、ワタゲナラタケだ。ところが30年近く経った後、発見者が新しい分析技法で再び測定した結果、そのキノコは当時測定したものよりはるかに大きく、年齢も高いことが分かった。

 ワタゲナラタケは韓国をはじめアジア、欧州、北アメリカに広く分布する食用キノコだ。高さ5~8センチ、直径4~6センチの黄色い笠が付いた平凡なキノコだが、キノコの笠と柄は全体の一部に過ぎない。地中にはもっと大きな菌糸体が植物の根のように伸びている。米ミシガン州クリスタルヒルにあるワタゲナラタケの菌糸体は、とりわけ大きい。

 
 
ワタゲナラタケが属するアルミラリア属のキノコの菌糸体の様子。死んだ木や弱い木を探して伸びていく=エリック・スタイナー、ウィキメディア・コモンズ提供//ハンギョレ新聞社

 カナダのトロント大学の生物学者ジェームズ・アンダーソン氏などカナダと米国の研究者たちは、科学ジャーナル「王立学会報B」の最近号に掲載された論文で、新たに測定したこのキノコの菌糸体が75ヘクタール(サッカー場の面積の100倍)にわたる森の地下にはびこっており、重さは少なくとも400トン、年齢は2500歳と推定されると明らかにした。研究者たちが1980年代末にこのキノコを初めて測定した記録は、面積37ヘクタール、重さ100トン、年齢1500歳だった。

 このキノコは「怪物キノコ」と呼ばれ有名になった。クリスタルヒルは観光名所になり、毎年8月にキノコ祭りが開かれる。この30年間、このキノコはその場で生き続け、さらに大きくなり年齢を重ねた自身の姿を見せた。

 今回の研究で、ミシガン州のワタゲナラタケは地球上で最も大きな生命体の一つとして記録されることになった。もちろん、このキノコは複製方式で自分の体を大きくしたため、オオクジラなど有性生殖をする動物とそのまま比較することには議論がある。複製による地上最大の生物は、米国ユタ州のヤマナラシの森であり、重さが6000トンに達する。

 
 
ワタゲナラタケの地上部位である笠と柄の部分=ダン・マルタ、ウィキメディア・コモンズ提供//ハンギョレ新聞社

 酵母、カビ、キノコなどからなる菌類は、動物や植物とは異なる別途の生物群を成し、光合成をせず酵素を分泌して有機物を分解するなど、植物よりは動物に近い。

 温帯地域に主に分布するワタゲナラタケの菌糸も、地中で死んだ木を分解し、または力の弱い木の根に寄生して殺す形で勢力を広げる。研究者は「このキノコは古い森なら他のところでも巨大に育ちうる」として「極少数だけが大きく育ち、残りは早く死滅する繁殖戦略を取っているとみられる」と論文で説明した。

 
 
ブナに生えたワタゲナラタケ。菌糸体が数百~数千年にわたり遺伝子を複製して巨大な体に育つが、体細胞の突然変異はきわめて少ないことが明らかになった=ポール・ダービーシャー、ウィキメディア・コモンズ提供//ハンギョレ新聞社

 また、今回の研究では「怪物キノコ」の遺伝子を初めて分析し、巨大な体で長い期間生きながらも体細胞の突然変異がきわめて少ないという事実を明らかにした。研究者はその理由として、このキノコの菌糸体の先端が損傷した遺伝子塩基配列を復旧し、生息地である森を透過し突然変異を誘発する紫外線の強度が弱いためだと説明した。

 このように遺伝子の突然変異を抑制する優れた能力は、がんを抑制するのに活用されるかもしれない。研究者は「このキノコが複製で進化する様子は、人の体内でがんが広がっていくのに似ている」と明らかにした。しかし、がんが極端な遺伝子の不安定性によって、複製の過程でDNAの損傷が積み重なることで進むとしたら、このキノコでは同じ過程が数百、数千年にわたり、遺伝子が非常に安定した状態で起きる。研究者は「このキノコの遺伝子の安定性とそれを可能にする過程が分かれば、がんを抑制するのに有用に使われるだろう」と論文で述べた。

■記事が引用した論文の原文情報:

Anderson JB, Bruhn JN,

Kasimer D, Wang H, Rodrigue N, Smith ML. 2018 Clonal evolution and genome stability in a 2500-year-old fungal individual. Proc. R. Soc. B 285: 20182233. http://dx.doi.org/10.1098/rspb.2018.2233

チョ・ホンソプ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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このダニがどのように水とエネルギーを節約して生存することができたかは、後続の研究課題になった。シェパード教授は「私の研究の関心事は蛾の精子の生理学」だ

2022-02-27 | 科学最前線

アフリカダニ…8年間何も食べず繁殖、27年も生きた

登録:2022-02-25 09:45 修正:2022-02-26 06:35
 
[アニマルピープル] 
8年断食しても繁殖に成功 
乾燥と少ない餌に適応、「極端な『持つ戦略』」
 
 
アフリカの乾燥地帯に生息する甲羅の柔らかいダニ。学名はArgas brumpti=ジョナサン・コーエン提供//ハンギョレ新聞社

 45年にわたる長期の観察研究は偶然始まった。米ニューヨーク州の小都市に位置するビンガムトン大学の生物学者ジュリアン・シェパード教授は、1976年に自分の専攻分野ではないアフリカダニの生きた標本をプレゼントされた。

 このダニが次の世紀まで生き延びるとは、彼は夢にも想像できなかった。そのうえ、雌のダニは8年間何も食べずに生き残り、最後の雄が死んでから4年後に繁殖に成功した。

 シェパード教授は「衛生昆虫学ジャーナル」最近号に掲載された論文で「このアフリカダニがダニの中で最長寿記録を立てた」とし「寄生節足動物がどれほど極端に『待つ戦略』を展開するのかをよく示している」と明らかにした。

 このダニはアフリカ東部と南部のサバンナや砂漠など乾燥地帯に生息する種で、甲羅が柔らかく、雌は2センチまで育つ大型種だ。大小の哺乳類やトカゲにくっついて血を吸うが、動物が眠る浅い洞窟や砂場、体を掻くシロアリの巣などで宿主動物を待つ。

 
 
大型の哺乳類が背中を掻くのにぴったりのナミビアのシロアリの塔。ダニが宿主を待つ場所の一つだ=オルガ・エルンスト、ウィキメディア・コモンズ提供//ハンギョレ新聞社

 シェパード教授は実験室で、ケニアの洞窟で採集した雌6匹、雄4匹、幼虫3匹からなるダニ集団をガラス瓶に入れ、一定の温度(21度)と湿度(81%)を維持して育てた。実験室で恒温・恒湿を維持するのは難しくなかったが、問題は餌だった。

 最初は実験動物のウサギやネズミなどを宿主として提供し、その後はネズミの血液を抜いて与えたりもした。生きた動物をダニの餌として与えるのが難しいうえ、動物実験をしなくなり、シェパード教授は1984年に餌やりを中断した。

 断食を余儀なくされた雌3匹は、1992年まで全く餌を食べずに生き残った。第1世代のダニたちは2003年まで生きた。27年も生きたわけだ。

 
 
最長寿のダニと明らかになったArgas brumptiを紹介したハリー・フックストラルの本「アフリカのダニ」(1956)の図版//ハンギョレ新聞社

 シェパード教授は「生物が環境に適応する姿はいつも魅惑的だ」とし「このダニも長期間水を得るのが事実上不可能な環境と、宿主と出会うまで長期間何も食べずに待たなければならない生活方式によく適応した」と、同大学の報道資料で述べた。

 驚くべきことは、ダニが長い断食に耐えただけでなく、その後餌を食べると、繁殖を始めたという事実だ。8年間の断食が終わった直後、シェパード教授は自分の血を提供したが、生き残った雌のうち1匹が3年にわたって繁殖に成功し、2世をつくった。

 最後の雄が断食中に死んだのは4年以上前の1988年だが、雌はどうやって繁殖できたのだろうか。シェパード教授は、「雌と雄の幼虫がすべて生まれたことを考えると、単性生殖ではなく、雄の精子を長期間保管しておき、餌を食べ始めた後に受精した可能性が高い」と明らかにした。

 
 
アルガス属のダニの産卵の様子=米疾病管理及び統制センター提供//ハンギョレ新聞社

 2世のダニたちは27歳を迎えた現在も生きており、系統分類を研究する南アフリカの共研究者の手に渡った。このダニがどのように水とエネルギーを節約して生存することができたかは、後続の研究課題になった。シェパード教授は「私の研究の関心事は蛾の精子の生理学」だとし「南アフリカの研究者がダニを活用できて嬉しい」と述べた。

 このダニは人間に病気をうつさず、これまで生態があまり知られていなかった。しかし、このダニにかまれると非常に痛く、傷が数カ月から数年間残るという。

引用論文:Journal of Medical Entomology, DOI: 10.1093/jme/tjab205

チョ・ホンソプ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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真鍋氏は、大気中の二酸化炭素濃度の上昇が地球の表面温度の上昇にどのように影響を与えるのかを示しました。

2021-10-06 | 科学最前線

ノーベル物理学賞 真鍋淑郎氏ら3氏

地球温暖化予測などに貢献

 スウェーデン王立科学アカデミーは5日、2021年のノーベル物理学賞を、気候の物理モデルの開発を主導し地球温暖化の予測に貢献した米プリンストン大学の真鍋淑郎(しゅくろう)上席研究員と独マックスプランク気象研究所のクラウス・ハッセルマン教授、複雑系の理論を発展させた伊サピエンツァ大学のジョルジョ・パリージ教授の3氏に授与すると発表しました。

 3氏は、複雑なシステムの無秩序な事象を理論化する革命的な貢献が評価されました。

 真鍋氏は、大気中の二酸化炭素濃度の上昇が地球の表面温度の上昇にどのように影響を与えるのかを示しました。1960年代、世界に先駆けて、対流によって空気が垂直輸送される現象や水蒸気の潜熱の効果を取り込んだ物理モデルを開発しました。

 ハッセルマン氏は、気象と気候を結びつけるモデルを作成。人間活動による二酸化炭素の排出が大気中の温度を上昇させることを証明することに貢献しました。

 パリージ氏は、無秩序で複雑な現象に隠されたパターンを発見して、さまざまな分野の理論に貢献しました。

 真鍋氏は1931年生まれ。東京大学で学位取得後、米海洋大気局(NOAA)で気候研究に従事。地球の複雑な気候システムを知るための気候モデルの基礎を築きました。

 日本人のノーベル賞受賞は計29人に(米英国籍を含む)。物理学賞は梶田隆章氏(15年)以来で、今回で計12人になりました。

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寿命の限界はそこまでということになる。医療技術が進歩し、関連のバイオテクノロジーが発展するにつれて、人間の寿命はどんどん限界である150歳に近づいていくことになるだろう」との見方を示している。

2021-06-26 | 科学最前線

人間の寿命の限界は150歳 

米国・シンガポールの最新共同研究

人民網日本語版 2021年06月24日16:44
 

世界最高齢としてギネス世界記録に認定されている日本人女性・田中力子さんは今年1月2日に118歳の誕生日を迎えた。1950年には47歳だった世界の平均寿命は現在、73歳にまで伸びている。そのため、「人間の寿命の限界は一体何歳なのだろう?」と考える人も少なくないだろう。北京日報が報じた。

米ロズウェルパーク癌研究所とシンガポールのバイオテクノロジー会社の研究チームが米国、英国、ロシアに住む54万4398人の被験者を対象に実施した最新の共同研究によると、人間の寿命は120歳以上まで達することが可能で、その限界は150歳であることが分かった。

研究チームは、被験者の血液サンプル、医療データを分析し、人間の老化のペースを知る新しい新指標・動的生体状態指標を発見した。

研究によると、人間の寿命は2つの要素と関係がある。1つは生物学上の年齢、もう一つは回復力だ。ティモシー・ピルコフ博士によると、「120歳から150歳に達すると、人間の回復力は完全に消失するため、寿命の限界はそこまでということになる。医療技術が進歩し、関連のバイオテクノロジーが発展するにつれて、人間の寿命はどんどん限界である150歳に近づいていくことになるだろう」との見方を示している。(編集KN)

「人民網日本語版」2021年6月24日

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2016年9月に地球を出発して5年ぶりに帰郷の途に就いた、金星の内側を通過する軌道で太陽を2周回り、計23億キロメートルに達する宇宙経路を辿って、2023年9月24日に地球に到着する。

2021-05-14 | 科学最前線

日本より遅れたが…米探査機、小惑星サンプル採取し地球帰還の途へ

登録:2021-05-13 05:18 修正:2021-05-13 06:49
 
無人探査機「オシリス・レックス」、小惑星ベンヌ出発 
2023年9月 ユタ州砂漠にカプセル落下予定 
日本の探査機よりもはるかに多いサンプルを採取
 
 
オシリス・レックスが小惑星ベンヌの表面に向かって下降する場面(想像図)=NASA提供//ハンギョレ新聞社

 米国は世界最高の宇宙探査国だが、小惑星探査においては日本に遅れを取っている。日本の探査機が二度も小惑星のサンプルを地球に持ち帰る間、成果を出せなかった米国の探査機が、ついに小惑星のサンプルを持って地球に帰還する旅路に就いた。日本より遅れたものの、採取したサンプルの量ははるかに多い。

 米国航空宇宙局(NASA)の小惑星探査機「オシリス・レックス」(OSIRIS-REx)が10日午後4時23分(米国東部時刻基準、日本時間11日午前5時23分)、地球に近い小惑星「ベンヌ」(Bennu)のサンプルを載せて2年半にわたる地球帰還の途に就いた。

 ベンヌは現在、約2億8700万キロメートル離れたところで太陽周回軌道を回っている。NASAによると、オシリス・レックスは同日、時速1000キロメートルの速度でベンヌの軌道を離れた。

 オシリス・レックスは2018年12月、ベンヌの軌道に到着し、1年半以上ベンヌを遠隔探査した後、2020年10月、ベンヌの表面にしばらく着地し、サンプル採取に成功した。

 オシリス・レックスが収集したサンプルは200~400グラムに達するものとNASAは推定する。最小目標値の60グラムよりは多いが、希望の1キログラムには大きく及ばない量だ。はやぶさ2が持ち帰った「リュウグウ」のサンプル5.4グラムに比べると、大きな収穫だ。サンプルが多いほどより多様で精密な分析が可能である。

 
 
7キロメートル離れた地点からオシリス・レックスに搭載されたカメラで撮影したベンヌ=NASA提供//ハンギョレ新聞社

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45億年前、太陽系形成初期の秘密解き明かす手がかりになるか

 ベンヌは大きさ490メートルのダイヤモンド型小惑星で、太陽系形成初期の45億年前にさらに大きな小惑星から分離した一種の太陽系の残骸だ。科学者たちはベンヌがこれまで単独で宇宙をさまよってきたため、太陽系初期の状態をそのまま保存しているものと期待する。ベンヌは炭素成分が多く、外見は黒く粗い。

 ベンヌのような小惑星を探査するもう一つの理由は、地球に衝突する可能性を調べ、これに備えるためだ。地球近傍天体(NEO)に分類されるベンヌは、確率は非常に低いものの、2175~2199年に地球と衝突する可能性があると推定される。今回の探査やサンプル採取により得られたデータは非常に有効に使われる可能性がある。

 
 
昨年10月、サンプル採取過程でベンヌの表面にできた窪み=NASA提供//ハンギョレ新聞社

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地球出発から帰還までの7年間にわたる道のり

 2016年9月に地球を出発して5年ぶりに帰郷の途に就いたオシリス・レックスは今後、金星の内側を通過する軌道で太陽を2周回り、計23億キロメートルに達する宇宙経路を辿って、2023年9月24日に地球に到着する。

 しかし、地球に着陸はせず、ベンヌの岩石や土、埃などを収めたカプセルをユタ州砂漠上空から落とす予定だ。NASAはこの際、カプセルの分離に失敗した場合、2025年に再び試みる計画だ。

 米国より先に、日本の探査機「はやぶさ2」は昨年12月、小惑星のリュウグウの表面で採取したサンプルを持って地球に帰還した。また、2013年には、はやぶさ1が別の小惑星「イトカワ」から微量の土壌サンプルを地球に持ち帰った。

クァク・ノピル先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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「日本政府が福島第一原発に保管されている123万トン以上の汚染処理水を太平洋に放出することを正式に閣議決定すれば、これは生態環境を無視する決定だ。

2021-04-13 | 科学最前線

日本が福島原発処理水の海洋放出を決定、

その影響は?

人民網日本語版 2021年04月13日11:05
 

日本政府は13日の閣議で、福島第一原発の放射性物質を含む汚染水を濾過・希釈した後、海に放出することを正式に決定した。

報道によると、東京電力は約1000基のタンクを準備しており、現在すでにその9割が満杯になっている。すべての貯水施設の総容量は約137万トンで、2022年秋に上限に達する見通しだ。

国際環境NGOのグリーンピースは、これを強く非難している。グリーンピース・ジャパンの気候変動/エネルギー担当の鈴木かずえ氏は12日、取材に対し「日本政府が福島第一原発に保管されている123万トン以上の汚染処理水を太平洋に放出することを正式に閣議決定すれば、これは生態環境を無視する決定だ。福島の住民を再び失望させるだけでなく、周辺及び環太平洋地域で暮らす住民を被曝の脅威に晒してしまう。日本には福島第一原発の所在地及び周辺の無人地帯で長期保管タンクをさらに建設し、放射能汚染の拡散のリスクを最小限に抑える技術と条件を持っている。だが内閣は太平洋に汚染処理水を放出するという、最もローコストな手段を選択した」と述べた。

福島原発事故水の量が多く、トリチウムの濃度が高いといった要素を考慮すると、生態環境部(省)原子力・放射安全センター首席専門家の劉新華氏もこのほどの取材で、「日本政府はタンクの増設などさらなる処理措置を検討し、軽率な放出を回避し、処理済み汚染水の放出準備に向け十分な時間を確保するべきだ」と述べた。

 ■世界には処理水の海洋放出の先例はなし

福島原発事故は2011年に発生し、原子炉が稼働停止してからすでに10年になる。劉氏は「福島原発の放射性物質を含む汚染水には主に、原子炉そのものの冷却材、事故後に炉心の冷却を維持するため注入された水、原子炉に浸透した大量の地下水や雨水という3つの出処がある」と述べた。

劉氏は「福島原発事故後、東京電力は汚染水の大半の放射性物質を除去するALPSと、処理・浄化後の汚染水を保管する大量のタンクを設置した。こうした処理水にはトリチウム、ストロンチウム、セシウム、ヨウ素などの放射性物質が含まれている」と述べた。

劉氏は「チェルノブイリやスリーマイル島など歴史上発生した原発事故はいずれも大気への放出で、福島原発事故のような大量の汚染水が出る原発事故は発生していなかった。そのため原発事故処理水の海洋放出には先例がない」と指摘した。

 ■海洋放出の方法にはさらなる検討が必要

劉氏は「原発事故処理水の処置には先例がなく、処置の方法についてはさらなる検討が必要だ。汚染水放出の海洋環境への影響の程度は、放出される放射性物質の種類、濃度、総量、及び特定の放射性物質と沈積物や海洋生物などの海洋環境重要要素との相互作用などによって決まる。しかし福島の大量の汚染処理水が太平洋に放出された後、放射性物質が放出エリア付近の海域の海洋沈積物及び海洋生物に密集し、一部の放射性物質が海流と共にその他の海域に移り、拡散することになる。日本は中国の近隣だ。日本が汚染処理水を近海または遠洋の公海のどちらに放出するとしても、放射性物質は海流に乗り北太平洋の海域に拡散する。中国の管轄海域は、放射性物質の境界を跨ぐ汚染の影響を避けられない」と述べた。

劉氏は「日本政府は除染係数の高い汚染水処理技術と装置を採用し、基準値を上回る放射性物質をさらに浄化処理し、処理水に含まれる放射性物質の量を極力減らすべきだ。トリチウムの処理技術を研究するとともに、研究の進捗と成果を速やかに公表し、実行可能な技術があれば直ちに汚染水のトリチウムの処理に用いるべきだ」と提案した。

グリーンピースは、放射性物質を含む汚染水の持続的な増加を回避するため、燃料デブリ冷却を現行の水冷から空冷に変更するよう提案している。地下水の持続的な浸透については、福島原発の敷地に堀を作り隔離すべきとしている。(編集YF)

「人民網日本語版」2021年4月13日

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ペバトロンは人工の加速器がつくりだす最大エネルギーの約100倍を超えるような超高エネルギーの宇宙線の起源です。

2021-04-03 | 科学最前線

銀河系内最強の宇宙線“加速器” 

「ペバトロン」存在の証拠つかむ

東大など日中のグループ

 銀河系内に存在するとされながら確証が得られていなかった伝説の宇宙線“加速器”「ペバトロン」の実在を示す決定的証拠をつかんだ―。東京大学宇宙線研究所の梶田隆章所長たちが2日記者会見して発表しました。ペバトロンは人工の加速器がつくりだす最大エネルギーの約100倍を超えるような超高エネルギーの宇宙線の起源です。

 同研究所など日本と中国の研究グループは、中国・チベット自治区の標高4300メートルの場所にガンマ線を感度よく観測する装置を設置し、実験を続けています。2014年から17年まで約2年間のデータを解析したところ、最高1000兆電子ボルト(エネルギーの単位)のガンマ線が天の川(銀河系円盤)方向に沿ってきていることが明らかになりました。

 1000兆電子ボルトのガンマ線の観測は人類史上初。同研究所の瀧田正人教授は「私たちの発見は、ペバトロンが銀河系内に確実に存在していることを示す決定的証拠となった」と意義を強調しました。

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外来種のネズミが侵入したラット島の生態系(A)で海鳥が減れば、海洋無脊椎動物が増え、海藻類が衰退。ネズミ駆除後の正常な生態系(B)では、海鳥のおかげで生態系の基盤である海藻類が繁栄

2021-03-13 | 科学最前線
ネズミの消えた「ラット島」での11年後の出来事
 
登録:2021-03-12 03:14 修正:2021-03-12 12:18
 
[アニマルピープル] 
1780年、日本船の座礁でネズミが侵入、海鳥が消える 
駆除後、鳥が戻ってくると、海藻の森の生態系も回復
 
イエネズミは大洋に浮かぶ島の90%に侵入している。世界的に鳥と爬虫類の絶滅の40~60%はネズミのためとされる=ウィキメディア・コモンズ提供//ハンギョレ新聞社

 アラスカからベーリング海へと長く伸びるアリューシャン列島の中ほどに「ラット島」がある。1827年にロシアの探検家フョードル・リトケがつけた正式名称だ。

 この島のアイデンティティーを決めたネズミは、1780年ごろ、日本の船舶が座礁して上陸したイエネズミだった。小さな10の火山島が集まる場に位置するラット島に侵入した外来種は、ネズミだけではなかった。1820年には毛皮を得る目的で、業者が北極ギツネ200つがいをこれらの島に導入した。

 
アリューシャン列島の中ほどにあるラット諸島(四角のカコミ)。アリューシャン列島一帯は海鳥などが多く生物多様性が豊かで、自然保護区域に指定されている=キャロライン・クーレ他(2021)、サイエンティフィック・リポーツ提供//ハンギョレ新聞社

 大洋に浮かぶ島は外来種に特に脆弱だ。陸地とつながったことがないため種の数が少なく、資源が豊富でないため食物連鎖も単純だ。そもそも哺乳類である天敵に対する防御手段を持たない動物も多い。

 ラット島は、外来種の侵入が海鳥を含めた土着の野生動物にどのような打撃を与えたのか、また侵入種の駆除の努力がいかなる結果を生むのかを示す代表的な例だ。アリューシャン列島が自然保護区域に指定された後、北極ギツネは1984年にラット島から駆除された。続いて大規模なネズミ駆除作業の末、2010年には侵入230年目にして「ネズミのいない島」が公式に宣言された。

 
ラット島全景。外来種のネズミが駆除された後、先住民が呼んでいた「ハワダックス島」という名が正式名称となった=アートソウルズ、米国魚類野生生物局提供//ハンギョレ新聞社

 この間、ラット島では、どのようなことが起きていたのだろうか。ネズミ駆除作業が始まる前後にかけて生態調査を続けてきた米カリフォルニア大学サンディエゴ校のキャロライン・クーレ教授らは、科学ジャーナル「サイエンティフィック・リポーツ」最新号に掲載された論文で、「ネズミがいなくなってわずか10年あまりで、生態系が全面的に回復した」と明らかにした。

 アラスカ魚類野生生物局などは2008年に、9日間にわたって汝矣島(ヨイド)の面積の3倍の2900ヘクタールのラット島全域に、ヘリコプターでネズミ駆除剤の入った餌51トンを散布した。

 島から外来種を駆除する史上最大規模の作戦は成功した。保護種のハクトウワシ43羽を含む422羽の鳥が駆除剤中毒で死ぬなどの副作用も生じたが、ネズミも姿を消した。

 
ラット島の潮間帯の様子。ネズミを駆除すると、海鳥が巻き貝やウノアシガイなどを食べることで海藻の森が栄える正常な状態が急速に回復した=ローリー・スタンスベリー提供//ハンギョレ新聞社

 この島で最高450グラムにまで育っていたネズミは、鳥の卵やヒナはもちろん、親鳥も攻撃していた。地中に穴を掘って繁殖する海鳥は特に脆弱で、島から消えた。

 ネズミのいない近くのブルディア島には1万羽のウミスズメが住んでいるが、ラット島にいるのは125羽に過ぎなかった。ブルディア島は数万羽のウトウが壮観だが、ラット島には1羽もいなかった。

 研究者たちによると、ネズミを駆除した直後から鳥は増えたものの、潮間帯の岩場などでの生態系の回復は明確ではなかった。しかし11年後の調査では、回復傾向が明らかになったと語る。クーレ教授は「調査に際しては、生態系の回復がこれほど早いとは全く予想できなかった」と同大学の報道資料で語った。

 ネズミが侵入して最上位の捕食者だった鳥にとって代わったことで、生態系は根本的に変わってしまった。ワシカモメやミヤコドリなどの海鳥は、潮間帯の岩場で巻き貝やウノアシガイなどの無脊椎動物を主に捕食していた。

 
外来種のネズミが侵入したラット島の生態系(A)で海鳥が減れば、海洋無脊椎動物が増え、海藻類が衰退。ネズミ駆除後の正常な生態系(B)では、海鳥のおかげで生態系の基盤である海藻類が繁栄=キャロライン・クーレ他(2021)、サイエンティフィック・リポーツ提供//ハンギョレ新聞社

 しかし鳥がいなくなると無脊椎動物が潮間帯を覆って海藻類を食べ尽くし、この島の生態系の基盤を成していた海藻の森が衰退。だがネズミを駆除したことで鳥が帰ってくると、海藻類を食べる無脊椎動物が減り、海藻の森が再び繁茂するようになった。

 クーレ教授は「現在のラット島の生態系の構造は、ネズミが侵入していない島と似たものとなっている」と述べた。ラット島は現在、先住民アレウトの呼んでいた「ハワダックス島」という名が正式な島名となっている。

引用論文:Scientific Reports, DOI:10.1038s41598-021-84342-2

チョ・ホンソプ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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ネイバーのハン・ソンスク代表取締役とカカオのヨ・ミンス共同代表取締役は、8日と10日に公開されたインタビューで、過去20年の韓国のIT産業を顧みて未来を展望し・・・、

2020-09-13 | 科学最前線
二十歳になったインターネット産業、
ネイバーとカカオの代表が予測した未来のITは?

登録:2020-09-11 22:00 修正:2020-09-12 08:37

韓国インターネット企業協会、発足20周年インタビュー

      

ハン・ソンスク・ネイバー代表取締役=韓国インターネット企業協会動画より//ハンギョレ新聞社

「インターネットはもはや革新産業でなく基盤産業」(ハン・ソンスク)
「今後は購読経済とコンテンツに注目すべき」(ヨ・ミンス)

 インターネット産業活性化のための企業の集いである韓国インターネット企業協会は、発足20周年を記念して、8日からインターネット企業の代表取締役など12人のインタビュー動画を順次公開している。ネイバーのハン・ソンスク代表取締役とカカオのヨ・ミンス共同代表取締役は、8日と10日に公開されたインタビューで、過去20年の韓国のIT産業を顧みて未来を展望し、このように語った。

 ネイバーのハン・ソンスク代表は「インターネット産業は今まさに本格的に始まった」として「新型コロナが一つの契機になった」と指摘した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が触発した非対面文化の拡散によりインターネット関連産業が浮上しているが、インターネット企業にとってこうした状況は新たな機会であり可能性になったという趣旨の話だ。ハン代表は「これまでインターネットは新しい革新産業、特異でギーク(卓越した知識がある人)な人々がするものとして認識されたとすれば、今後はITがすべての産業の基盤になる基盤産業段階に移ると思う」と話した。さらに「これからはインターネット産業という区分自体がなくなり、ITが基本となって多様な産業が共生する形になるだろう」と見通した。

 こうした環境のもと、ネイバーは創作者と中小事業者(SME)のデジタル転換を応援することに努めるという事業的指向性も明らかにした。ハン代表は「(IT専門人材がいない小規模事業者にも)デジタル転換は目前の問題」だとし、「彼らにとって必要なサービスとツールは何かを熟慮し、簡単で楽に使えるツールを作ることに集中している」と明らかにした。

 代表的な女性企業家として後輩に「ITは男性・女性という区分を考えずに仕事が出来る分野」とも話した。彼女は「ITは利用者の心をきめ細かく読んで利用者との関係を作っていく能力が要求される分野という点で、女性にとって良い機会になりうる」と助言した。そして「本人が今している産業とITを連結するならば、どのような新しいものが生まれるかを考えてみて下さい」とも付け加えた。

      

ヨ・ミンス・カカオ共同代表=韓国インターネット企業協会動画より//ハンギョレ新聞社

 インターネット企業協会発足20周年とカカオトークの開始10周年を同時に迎えたカカオのヨ・ミンス代表は、2010年の「カカオトーク開始」を基準として過去20年を顧みた。彼は「インターネット・ウェブ基盤サービスが始まった最初の10年間に、ネイバーやダウムなど珠玉のような会社が生まれ、その後の10年にはモバイルの革命的変化とともにカカオやラインなど多くのアプリ基盤サービスが生まれ成長した」と、インターネット産業が歩んできた時間を説明した。

 今後大きく成長する分野としては、「サブスクリプション(定額課金)エコノミー」と「コンテンツ」を挙げた。ヨ代表は「サブスクリプションの産業規模は予測するたびに拡大しており、既存のオールド・エコノミー(旧経済)を代表する自動車や家電などの分野でも定額課金化しようとする努力が続いている」と説明した。ヨ代表はまた「新型コロナの拡散以後、オンラインとモバイルコンテンツの消費が増えた点と、世界中で韓流コンテンツに対する関心が集中している点は、コンテンツ産業がさらに広がる基盤だ」と付け加えた。
チェ・ミニョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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アメリカに従って間違いないのか?レムデシビルは腎臓機能の喪失と血圧の低下など深刻な副作用をもたらす可能性もあるが、

2020-05-04 | 科学最前線
米国「レムデシビル、新型コロナの回復期間を31%短縮」
登録:2020-05-01 06:39 修正:2020-05-01 07:50


米国立アレルギー感染症研究所、約1000人を対象に臨床試験 
ファウチ所長「投薬患者11日ぶりに回復…他の患者は15日」 
トランプ大統領「非常に肯定的な出来事…FDAの緊急使用承認を支援」 
ワクチン開発を8カ月に短縮する「超高速作戦」も進行中

        

アンソニ―・ファウチ米国立アレルギー感染症研究所長が4月29日(現地時間)、ホワイトハウスで新型コロナウイルス感染症への対応について発言している=ワシントン/ロイター・聯合ニュース

 エボラ治療薬のレムデシビルが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療に効果があるという米国機関の臨床試験結果が発表された。米国国内のCOVID-19感染者が104万人、死者が6万人を超えた状況で舞い込んだ朗報に、ドナルド・トランプ大統領と専門家らも期待感を示した。

 米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)は29日(現地時間)、報道資料を発表し、レムデシビルを投薬したCOVID-19入院患者は、そうでない患者より回復期間が31%短縮されたと明らかにした。今年2月から米国やドイツ、スペイン、英国など世界68の地域にわたって1090人余りの患者に静脈注射を打つ方式で臨床試験を行ったが、この薬を投与しなかった患者は回復に15日かかった一方、投与した患者は11日で回復した。

 同研究所の責任者でホワイトハウスのCOVID-19タスクフォースのメンバーであるアンソニー・ファウチ所長は同日、ホワイトハウスで記者団に「かなり良いニュース」だと述べ、臨床試験の過程と結果を詳しく紹介した。また「31%の向上は100%のようには画期的には見えないかもしれないが、非常に重要なレベルの証拠だ。なぜなら同薬がこのウイルスを防げることが立証されたからだ」と述べた。

 同席したトランプ大統領も「明らかに肯定的な出来事」と喜び、食品医薬局(FDA)が同薬に対する緊急使用を承認するよう支援する意向を示した。また「我々はすべてが安全であることを望むが、特に効果があるものについては非常に早く承認されてもいいと思う」と述べた。新しい治療薬への期待感でニューヨーク証券市場も値上がりした。

 同薬を製造する製薬会社「ギリアド・サイエンス」は、5月末までに150万ドス(投与量)を生産して病院に無償で寄贈する計画だと発表した。ウォールストリート・ジャーナルは、患者の大半に5日ずつ投薬すると仮定した場合、約21万人の分量に当たると報じた。

 しかし、以前の試験結果によると、レムデシビルは腎臓機能の喪失と血圧の低下など深刻な副作用をもたらす可能性もあるが、これはCOVID-19の重症患者の症状でもあり、薬のためなのか病気のためなのか判断が難しい可能性もあるとワシントンポスト紙が指摘した。また、今度の臨床試験では、死亡率の面で同薬を投与した患者(8%)と投与しなかった患者(11%)の間に大きな差がなかった。ファウチ所長は「統計的に有意義ではないが、分析を続ける」と述べた。

 こうした中、トランプ政権は専門家らが約18カ月とみているCOVID-19ワクチンの開発期間を8カ月に短縮する「超高速作戦」(Operation Warp Speed)プロジェクトを進めていると、ブルームバーグ通信が報じた。ワクチン開発を急ぎたいトランプ大統領が3月にアレックス・アザー保健福祉長官がこの任務を与えており、民間の製薬会社をはじめ、政府機関、軍が参加する。来年1月までに3億人分を確保するのが目標だ。米保健福祉省は「『超高速作戦』はトランプ大統領の大胆な指導力の拡張であり、COVID-19危機対応において従来のようなアプローチに対する拒否だ」と述べた。
ワシントン/ファン・ジュンボム特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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防疫当局は、近いうちに血しょう治療指針を確定し、発表する方針だ。まだCOVID-19の治療剤が開発されていない中、血しょう治療が有力な候補に浮上している。

2020-04-09 | 科学最前線
新型コロナ重症患者に
「完治者の血しょう」を投与し、
初めて治療に成功

登録:2020-04-07 22:26 修正:2020-04-08 07:14

セブランス病院研究チーム 
大韓医学会誌に論文発表 
 
「回復期の血しょうを2回投与後 
呼吸が回復し、ウイルスも減少」 
代案治療剤として浮上 
 
2015年のMERSの際に使った方法 
防疫当局「専門家が最終的に検討中 
血しょう治療指針を近く発表」

        

今月7日、大邱東山病院の医療陣が新型コロナウイルス感染症の治療のため、病院に入ろうとし向かっている//ハンギョレ新聞社

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)重症患者に完治者の回復期の血しょうを注入して効果があった事例が7日、初めて確認された。防疫当局は、近いうちに血しょう治療指針を確定し、発表する方針だ。まだCOVID-19の治療剤が開発されていない中、血しょう治療が有力な候補に浮上している。

 セブランス病院のチェ・ジュニョン、キム・シニョン教授の研究チームは同日、国際学術誌の大韓医学会誌(JKMS)に発表した研究論文で、「COVID-19の感染で急性呼吸困難症候群を伴った重症肺炎が発生した患者2人に血しょう治療を行った結果、回復に大きく役立った」と明らかにした。回復期の血しょうを利用した治療法は、ワクチンや治療剤の開発が難しい状況で活用する治療方法の一つで、特定疾患にかかった後に回復した人の血しょうの中に抗体が形成される点に着目したものだ。2015年のMERS(中東呼吸器症候群)当時も治療法として使われた。

 セブランス病院は、71歳の男性と67歳の女性患者がカレトラやヒドロキシクロロキンなど、他のCOVID-19患者に使う抗ウイルス剤治療を施したにもかかわらず、呼吸困難と肺炎症状が続いたことを受け、12時間おきに完治者の血しょうを2回にわたって投与した。その後、2人の患者ともウイルス濃度が低下し、呼吸が回復するなど、症状が好転した。彼らの主治医であるチェ・ジュニョン教授(感染内科)は研究論文で「回復期の血しょう投与とステロイド治療後、炎症数値やリンパ球数など各種の臨床数値がよくなった」と明らかにした。2人の患者は共にCOVID-19完治判定を受けた。

 これと関連し、クォン・ジュヌク中央防疫対策本部(防対本)副本部長は同日のブリーフィングで「COVID-19関連の血しょう治療指針はMERS当時の指針を準用し、専門家たちの検討を受ける最終手続きを踏んでいる」とし、「確実な治療剤やワクチンがない状態で、重症患者の致死率を下げることが重要であるため、(専門家たちの)検討後に関連血しょうの確保と投入関連システムが稼動できるよう迅速に準備する」と述べた。

 血しょう治療と共に駆虫薬など“治療薬候補群”への関心も高まっている。最近、効能が発表されたのは、米国の製薬会社「メルク」が開発した駆虫薬「イベルメクチン(ivermectin)」だ。「サイエンス・デイリー」の3日付報道によると、オーストラリアのモナシュ大学生医学発見研究所とピーター・ドハティ感染・免疫研究所などが共同参加した研究チームは、イベルメクチンが細胞培養された新型コロナウイルスの生長を48時間以内に止め、消滅させたという実験結果を発表した。ただし、防疫当局は前日、「患者や人ではなく細胞水準で効果を検証したものなので、安全性と有効性がまだ立証されていない」として、慎重な態度を示した。

 米国の製薬会社「ギリアド」のエボラ治療薬「レムデシビル」も同様に、COVID-19の治療薬剤として注目を集めている。先月23日、新型感染症中央臨床委員会(委員長:ソウル大学感染内科オ・ミョンドン教授)は、国内で臨床試験を行っているCOVID-19治療薬のうち、レムデシビルが最も効果が高いと発表した。レムデシビルは今年1月、米国の患者に使われ、1日で好転した事例が報告されている。エイズ治療薬のカレトラもCOVID-19の増殖に必要なタンパク質分解酵素を抑制し、COVID-19治療の代案として引き続き取り上げられている。

 専門家らは、治療薬の効果を判断するにはまだ早いと口をそろえる。ソウル大学保健大学院のキム・チャンヨプ教授は「ワクチンと治療薬は効果だけではなく、副作用と毒性もある」とし、「2年間にわたる臨床実験などを経て開発を行っても、安全性と有効性を検証できるかどうかは分からない」と指摘した。
クォン・ジダム、パク・ジュンヨン、パク・ダヘ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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月探査機「嫦娥4号」は月の裏側(東経177度6分、南緯45度5分付近)での軟着陸に無事成功し、世界で初めて近距離から撮影した月裏側の写真

2019-01-03 | 科学最前線

<速報>

月探査機「嫦娥4号」、月裏側軟着陸に成功

人民網日本語版 2019年01月03日13:27
 

北京時間1月3日午前10時26分、月探査機「嫦娥4号」は月の裏側(東経177度6分、南緯45度5分付近)での軟着陸に無事成功し、世界で初めて近距離から撮影した月裏側の写真を、中継通信衛星「鵲橋」を通じて地面に送った。これにより人類は月探査において新たな1ページを開いた。(編集SC)

「人民網日本語版」2019年1月3日

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李九段は不屈の意志で勝利を収めた。それだけでも素晴 らしい」!

2016-03-14 | 科学最前線

李世ドル九段がアルファ碁に初勝利 人間対象のソフトウェア実験に批判も

登録 : 2016.03.13 23:03 修正 : 2016.03.14 08:19

79手で勝率70%、87手で勝率急落

アルファ碁を開発した、グーグル・ディープマインド共同創業者のムスタファ・スレイマン氏が9日(韓国時間)、ツイッターに投稿したアルファ碁のプログラム操縦室の全景=ツイッタ―画面キャプチャー//ハンギョレ新聞社

李九段、樊麾2段との対局以外資料なく 
2時間考える時間もコンピューターに有利 
アルファ碁の実験対象となったような状況で 
孤軍奮闘している姿にファン感動

 

 「本当に大変だった。それでも素晴らしい」

 李世ドル(<イセドル>ドルは石の下に乙)九段のアルファ碁との第1~4局を見守ったプロの碁士は、李九段の反撃を歓迎した。キム・マンス八段は「5カ 月前に行われた樊麾2段との対決棋譜だけでアルファ碁を判断し、第1~3局で不覚を取った。しかし、李九段は不屈の意志で勝利を収めた。それだけでも素晴 らしい」と評価した。

 

 実際、アルファ碁と李世ドル九段との対局は、李九段にとって有利ではなかった。ソフトウェア政策研究所のチュ・ヒョンソク上席研究員は、「1月にネイ チャー誌に掲載された説明では、通常のコンピュータ囲碁プログラムのように1~2秒間隔で打つ場合、ニ~五段に相応するとされていた。考える時間が2時間 に増えたとしても、これほど強力とは思わなかった」と話した。衝撃的な3連敗で最も打撃を受けたのは、李九段だ。世界最強と呼ばれる李九段は、アルファ碁 に勝ちたい一心で、第3局からプロの棋士にはあまり見られない危険極まりない手を連発した。第4局では、アルファ碁が膨大な損害もたらす駄目詰まりを3回 以上打ったからこそ、勝機を掴むことができた。未知の相手に向かって、実験対象となったような彼が孤軍奮闘している姿は、ファンには痛ましく思えるほど だった。

 

 

アルファ碁と李世ドル九段との第4局の棋譜。黒 アルファ碁 白 イ・セドル九段//ハンギョレ新聞社

 機械と人間の対局という全く新しい対局方式は、人間には決して有利ではなかった。アルファ碁の代わりに、碁盤の前に座った人は、 グーグル・ディープマインドのスタッフであるアザ・ファン博士だ。アマ六段の実力の持ち主とはいえ、彼が見つめるのは李九段ではなく、左側のコンピュー ターのモニタだ。碁石を打つ際も、高段者というよりは初心者のような手つきだ。このような雰囲気も李九段にとっては非常に奇妙なものだ。5時間もの間、一 度もトイレに行かないため、平均2回は席を立つ李九段は、ほぼ5~6分の時間を失うことになる。

 

 考える時間を2時間与えたのも、人間よりもコンピューターに有利だった。40台のコンピューターに1200以上の中央演算処理装置と200以上のグラ フィックスカードを装着したアルファ碁の人工神経ネットワークは、毎秒数万の確率を計算するが、勝てる手を見つけるまで、平均1分程度はかかる。チュ・ ヒョンソク上席研究員は、「30秒以内に必ず打たなければならない樊麾ニ段との非公式の速棋対決では、アルファ碁が3勝2敗で2回負けた。李世ドル9段と の対局で考える時間を増やしたのも、そのためだろう」と話した。

 

 プロの碁士たちは、対局の前の相手の棋譜を研究する。しかし、アルファ碁の棋譜は、樊麾ニ段との対局しか参考にできる資料がなかった。チョ・ヒェヨン九 段は「相手を知らないまま、対局することに他ならない。ベールに隠された相手に会ったようなものだ」とした。グーグルの対局提案を軽く受け入れたのが他な らぬ李九段だから、誰のせいにもできないかもれない。しかし、韓国碁院がもっと慎重に検討すべきだったという点も、問題として指摘されている。

 

 グーグルの行動に対する批判も出ている。英国のニューキャッスル大学でコンピュータサイエンスの講義を行っている、カイスト経営大学院のムン・ソンチョ ン教授は、「ITの世界では、ソフトウェアの『性能』を評価する過程を伴うのが一般的だ。しかし、人間を対象に、イベントのようにソフトウェアを実験する ことは、科学哲学の観点から批判を受け兼ねない」と指摘した。

 

 機械と人間の対決は否定的な面だけではない。キム・マンス八段は「これまで効率的だと思っていた定石や手順に対する固定観念が破られた。囲碁の新たな発 展のための新しい刺激になるだろう」と話した。グーグル・ディープマインドの最高経営責任者(CEO)デミス・ハサビス氏も「アルファ碁の勝利は囲碁に限 られるものではなく、今後、病気の予防などの健康管理や気候変動の研究に活用できるだろう」と述べた。

 

 李九段は、今回の対局で自分の碁風を捨て、アルファ碁の弱点を把握するために、荒々しい手もいとわなかった。しかし、確率的に勝てる手を使うアルファ碁 を制圧する方法は、特になかった。キム・マンス八段は「伝統的な意味で囲碁の美しさはない。人間と人間の戦いには、価値観の対決が可能だが、コンピュー ターはひたすら勝利に向かって打つだけだからだ。そのコンピューターを相手に李世ドル九段が直感と感覚で活路を見出した」と高く評価した。

 

 アルファ碁の上席開発者のデビット・シルバー氏は、「アルファ碁が繰り返し蓄積した知識には抜け穴がある。今日中央レベルからすると、李世ドル九段がア ルファ碁の限界を試した。システムの発展に役立つだろう」と語った。既に1勝3敗で勝敗は決まっているが、李九段の第5局にファンの注目が集まっている。

 

キム・チャングム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

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将棋を指し、ピアノを弾き、絵を描くことのできるロボット、4D映画館など

2015-10-08 | 科学最前線

西蔵初の自然科学博物館が開館

人民網日本語版 2015年10月07日13:36
 

西蔵(チベット)自治区初の自然科学博物館が開館した。5日午前10時に同館を訪れた西蔵大学の学生らは「西蔵初の自然科学博物館が開館したと聞き、大学から特に近いので、同級生と一緒に来てみた」と語った。

将棋を指し、ピアノを弾き、絵を描くことのできるロボット、4D映画館など様々な真新しい事物が来館者を惹きつける。「西蔵についに本当の意味の総合科学 普及教育拠点ができた。これによって全国で唯一自然科学博物館のない省・自治区としての西蔵の歴史に終止符が打たれた」。博物館を見学していた西蔵自治区 の崗青・科学技術庁長は「西蔵自然科学博物館は西蔵の経済・社会発展の成果と自然や文化を展示しており、西蔵を愛し、科学を愛し、西蔵を建設するよう無数 の青少年を喚起する教育の場だ」と述べた。(編集NA)

「人民網日本語版」2015年10月7日

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