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キム長官は第21回会議(昨年6月29日)と第26回会議(今年9月26日)の当日には特に公式日程がなかったにもかかわらず、会議に出席していなかった。

2023-11-02 | 韓国あれこれ・・・

[独自]韓国女性家族部長官「両性平等政策協議体」会議、

1度も主宰せず

登録:2023-11-02 08:45

 

公式日程がない時も会議欠席 
「四半期に1度開催」原則も崩れる
 
 
キム・ヒョンスク女性家族部長官が31日午後、ソウル鍾路区の政府ソウル庁舎で、オンラインで行われた第10回女性暴力防止委員会に出席し、あいさつしている/聯合ニュース

 女性家族部は政府の性平等政策の現状を共有し、今後の計画などを議論するために「両性平等政策担当官協議体」(以下、「協議体」)を設置しているが、協議体の委員長を務めるキム・ヒョンスク女性家族部長官が長官就任後、協議体の会議をただの一度も主宰していないことが確認された。性平等政策の主務省庁の長官としての職務を疎かにしているのではないかと指摘される。

 ハンギョレが1日、第1回の2019年3月21日から今年9月26日までに計26回開催された協議体会議のすべて資料を入手して分析したところ、キム長官が就任した昨年5月17日以降、計6回(21~26回)の会議が開催されたが、このうちキム長官が主宰した会議は一度もなかった。

 協議体は8つの政府省庁(雇用労働部、教育部、保健福祉部、文化体育観光部、法務部、国防部、最高検察庁、警察庁)の両性平等政策担当官らが集まって各省庁の性平等政策の履行状況を点検するほか、性平等政策の発掘などを協議する機関。

 協議体の委員長を務める女性家族部長官がやむを得ない理由により職務を遂行できない場合は、長官が指名する委員がその職務を代行するという規定(両性平等政策担当官協議体運営規定)があるが、キム長官は第21回会議(昨年6月29日)と第26回会議(今年9月26日)の当日には特に公式日程がなかったにもかかわらず、会議に出席していなかった。

 前任の女性家族部長官も協議体会議の主宰回数は多くなかったが、任期中に会議を一度も主宰しなかった長官はキム長官が唯一だ。チン・ソンミ元長官は在任期間中に開催された3回(1~3回)の会議中1回、イ・ジョンオク元長官は9回(4~12回)中2回、チョン・ヨンエ元長官は8回(13~20回)中1回、それぞれ主宰している。

 会議の出席者たちは、女性家族部廃止を掲げた尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権では、会議がやや萎縮した雰囲気の中で行われていると語った。匿名のある出席者は「かつては両性平等政策の各担当官が各省庁内で性平等業務を担っている過程で抱える苦悩を打ち明け、どのように対応すればよいかを議論するなど、会議は活気を帯びていたが、現政権になってからは新たな性平等政策の課題を発掘することも難しくなっている」と明かした。

 このような雰囲気の中、尹錫悦政権の成立以降は「四半期に1回開催」という原則さえも崩れ、今年第2四半期には会議が開かれてもいない。女性家族部は「各省庁間の案件調整などで多少遅れ、7月31日(第3四半期)に第2四半期の会議をおこなった」と説明した。

 専門家は、政府の性平等政策の継続性を保つためにも、女性家族部長官はきちんと役割を果たすべきだと指摘する。国会立法調査処のチョン・ユンジョン立法調査官は「国の性平等政策の企画・総合事務を任されている女性家族部長官なら、継続的な性平等政策の推進のために現行の両性平等政策担当官制度の運用に関心を持つべきで、この制度を安定的に維持するために協議体会議を内実あるものにしていかなければならない」とし、「女性家族部長官は他の省庁の長官とも緊密に協議し、性平等の専門省庁が他の省庁にも拡大されるよう努めるべきだ」と述べた。

オ・セジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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10・29梨泰院雑踏事故惨事から1年を迎えるこの日、惨事の現場にはあの日の惨状を忘れないようにとの市民の足取りが絶えなかった。

2023-10-30 | 韓国あれこれ・・・
 

「梨泰院1年、惨事の時も今も政府はそばにいない」

登録:2023-10-30 01:41 修正:2023-10-30 06:56

 

「梨泰院惨事1年」ソウル市庁前で追悼大会
 
 
10・29梨泰院惨事1年の29日、ソウル龍山区の梨泰院惨事の現場「10・29記憶と安全の道」で、遺族が献花しながら涙を流している=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

<来るのは1年ぶり。ごめんね。また会って一緒に踊ろう>

 29日、ソウル龍山区(ヨンサング)の地下鉄梨泰院(イテウォン)駅1番出口の前に設けられた追悼空間に、ソン・ハンビンさん(29)とソン・イェビンさん(26)が花束を置いた。2人は1年前、梨泰院惨事で亡くなった故チェ・スビンさん(22)の大学の友人だ。舞踊を学んでいたチェさんは卒業公演をわずか3週間後に控え、事故にあった。故人と共に卒業公演を準備していたというハンビンさんは、「市庁駅の焼香所には行ったが惨事現場には初めて来る。申し訳ない気持ちでこうしてやって来た。現場がとても狭く、冷たく、夜はどれだけ寒かったろうか。苦しみの中でだんだんと意識が薄れていったかと思うと、とても心が痛む。花屋の主人にきれいに作ってくれと言って弔花を持ってきたが、故人が喜んでくれたら」と話した。'

 10・29梨泰院雑踏事故惨事から1年を迎えるこの日、惨事の現場にはあの日の惨状を忘れないようにとの市民の足取りが絶えなかった。ハミルトンホテル脇の路地の入り口には、追悼客が置いていった弔花や酒、菓子が山積みになっていた。近ごろはやりのタンフル(フルーツを砂糖や水あめでコーティングし、串に刺したもの)も目立った。ある追悼客は「あの時はタンフルがなかったけど、今はありますね。時間がこんなにも流れたのに変化は何もない。ずっと見守り、行動する」と記した追悼文を壁に貼っていった。

<あの時はタンフルがなかったけど、今はありますね。時間がこんなにも流れたのに変化は何もない」>

<尹大統領は、追悼大会は政治的だから行かないと言って、その後、朴正熙の追悼式には行った。国は今も惨事に向き合い、責任を取る考えはないようにみえる>

 
 
29日午後、ソウル中区のソウル広場で、10・29梨泰院惨事1年市民追悼大会が行われている=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 子どもと共に追悼に参加した人も少なくなかった。カン・ソヨンさん(42)は「私の子どもはセウォル号惨事が起きた年に生まれ、今年で9歳になった。子どもにこの事件の意味を知ってもらうために来た。なぜ大統領がとやかく言われているのか子どもに聞かれるが、国と社会システムが責任を取るべきなのに取っていないからだと伝えた」と話した。2人の子どもを連れたシン・ヒョネさん(42)は「子どもたちには、このような惨事が起きた時には哀悼しなければいけないし、二度と同じようなことが起こらないように声をあげなければならないと説明した」と語った。

 惨事現場では、一部の遺族が悲しみのあまりへたり込んでしまっていた。ある遺族は「1年間何をしてきたのか。こんなことはあり得ない」と叫んだ。

 市民の追悼が続く中、近隣の道路では梨泰院惨事遺族協議会・市民対策会議の主管による4大宗教の祈りの集いが開かれた。2車線を埋め尽くした遺族と宗教家たちは故人の魂を慰めると共に、声を一つにして責任者処罰と真相究明を求めた。梨泰院惨事を象徴する紫のジャンパーを着た遺族たちは、涙ぐみながら「梨泰院特別法を制定せよ」、「真相を究明し、再発防止対策を立てよ」と叫んだ。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の謝罪とイ・サンミン行政安全部長官の辞任を求めるスローガンも響きわたった。

 
 
29日午後、ソウル中区のソウル広場で、梨泰院惨事1年市民追悼大会が開かれている。10・29梨泰院惨事遺族協議会のイ・ジョンミン運営委員長の開会の辞を開く遺族たち=キム・ボンギュ先任記者//ハンギョレ新聞社

 祈りの集いを終えて惨事現場に献花し、その後、龍山(ヨンサン)の大統領室を経てソウル広場に到着した遺族と市民は、午後5時から惨事1年追悼大会を開催した。近くに設けられた合同焼香所には、市民が200メートル以上の追悼の列を作った。追悼大会には主催側の推計で1万7000人あまりが参加した。仁川(インチョン)から来たイ・ヨンジュさん(28)は、「尹大統領は、追悼大会は政治的だから行かないと言って、その後、朴正熙(パク・チョンヒ)の追悼式には行った。国は今も惨事に向き合い、責任を取る考えはないようにみえる」とし、「このような惨事が再び発生したら、誰が責任を取るのか心配になる」と話した。

 共に民主党などの野党の議員たちはこの日、追悼大会に大勢参加し、哀悼の意を表した。民主党からはイ・ジェミョン代表、ホン・イクピョ院内代表ら指導部と多数の議員が参加。正義党のイ・ジョンミ代表と基本所得党のヨン・ヘイン常任代表、進歩党のユン・ヒスク常任代表ら、その他の野党の代表も席を共にした。

 国民の力からはイ・マンヒ事務総長、ユ・ウィドン政策委議長、キム・ビョンミン、キム・イェジ両最高委員、イン・ヨハン革新委員長、イ・ジュンソク前代表、ユ・スンミン前議員らが「個人の資格」で参加した。尹大統領は野党の主導する「政治行事」であるとの理由で参加せず、代わりにこの日午前、ソウル城北区(ソンブック)のヨンアム教会で行われた追悼礼拝に参加した。

 遺族協議会のイ・ジョンミン運営委員長は追悼大会の開会の辞で、「惨事後、遺族はただの一度も政治的行動をしたことがない。単に私たちは私たちの口惜しさを訴えてきたに過ぎない」、「政府の責任はないと考えていらっしゃるのではないかと(大統領に)答えを聞きたい」と述べた。

<惨事後、遺族はただの一度も政治的行動をしたことがない。単に私たちは私たちの口惜しさを訴えてきたに過ぎない>

 追悼の辞を述べた野党の代表たちは、与党を一斉に批判した。民主党のイ・ジェミョン代表は、「国は惨事の時も今も、犠牲者と遺族のそばにいない。このように反省しない心と責任を取らない態度が五松(オソン)惨事と海兵隊員の死という別の悲劇を生んだのだ」と述べた。進歩党のユン・ヒスク代表は「野党が主導する行事だから参加しないなら、与党が主導すればよいではないか」、「尹大統領こそ惨事を政争化している」と述べた。正義党のイ・ジョンミ代表は「梨泰院惨事特別法の制定を必ず成し遂げる」と約束した。

 故キム・ウィジンさんの母親のイム・ヒョンジュさん、故アン・ミンヒョンさんの姉のアン・ハギョンさんら、遺族が震える声で犠牲者に宛てた手紙を読みあげた際には、参加者が客席のあちこちで泣いているのが見られた。

 
 
梨泰院惨事の遺族と市民が29日午後、ソウル龍山区の梨泰院惨事の現場で祈りの集いを終えた後、追悼大会が行われるソウル広場に向かって行進している=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社
シム・ウサム、コ・ビョンチャン、シン・ヒョンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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イ・ギュニョン最高裁長官候補の任命同意案が6日、国会本会議で否決された。最高裁長官候補が国会の承認を受けられなかったのは35年ぶり。

2023-10-07 | 韓国あれこれ・・・

韓国、

最高裁長官任の命同意案が国会本会議で否決…35年ぶり

登録:2023-10-07 07:59 修正:2023-10-07 08:19

 

賛成118、反対175、棄権2
 
 
イ・ギュニョン最高裁長官候補が先月19日午前、国会で行われた人事聴聞会で固い表情を浮かべている=キム・ギョンホ先任記者//ハンギョレ新聞社

 イ・ギュニョン最高裁長官候補の任命同意案が6日、国会本会議で否決された。最高裁長官候補が国会の承認を受けられなかったのは35年ぶり。本会議の表決に先立ち、共に民主党は議員総会を行い、任命同意案の否決を党の方針とした。

 国会は6日午後、本会議を開催し、総投票数295、賛成118、反対175、棄権2でイ候補の任命同意案を否決処理した。最高裁長官任命同意案は在籍議員の過半数の出席、出席議員の過半数の賛成で可決される。最高裁長官候補の任命同意案が国会で否決されたのは、1988年のチョン・ギスン候補以来35年ぶり。

 民主党は先月19~20日に行われたイ候補の人事聴聞会以降、財産の申告漏れや子どもの財産形成疑惑などがふくらんだイ候補は司法府の長として不適格だと一貫して表明してきた。民主党の最高裁長官人事聴聞特別委員会の委員はこの日、本会議前に記者会見を行い、「最高裁長官はどの公職の候補よりも高い水準の道徳性と資質を備えていなければならない」とし、「イ・ギュニョン候補のような人物は最高裁長官になってはならない」と述べた。

カン・ジェグ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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韓国で26日午後、軍創建75周年の「国軍の日」記念行事として、ソウル崇礼門(スンネムン)~光化門(クァンファムン)一帯で軍の兵力と装備の市街パレードが10年ぶりに開かれる。

2023-09-26 | 韓国あれこれ・・・
 

26日午後、ソウル都心で10年ぶりに軍事パレード

登録:2023-09-26 01:25 修正:2023-09-26 07:13
 
 
軍創建第65周年「国軍の日」の2013年10月1日午後、機械化部隊の車両と将兵がソウルの崇礼門から世宗路まで市街パレードを行っている=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

 韓国で26日午後、軍創建75周年の「国軍の日」記念行事として、ソウル崇礼門(スンネムン)~光化門(クァンファムン)一帯で軍の兵力と装備の市街パレードが10年ぶりに開かれる。市街パレードに参加する軍の兵力と戦車、装甲車などが京畿道城南市(ソンナムシ)のソウル空港から会場に移動するため、同日午後、ソウル江北(カンブク)の都心と江南(カンナム)一帯では車両の通行が規制される予定だ。

 まず、26日午前10時にはソウル空港で、6700人の兵力と68種340台あまりの装備が参加し、記念行事が行われる。記念行事では高威力ミサイル、長距離地対空誘導ミサイル(L-SAM)、初の韓国型戦闘機KF-21、韓国製の次世代小型武装ヘリコプター(LAH)など国産開発装備8種27機の実物が初めて一般に展示される。空軍のF-35A、KF-21などの6種21機の戦闘機は、国軍の日記念行事としては初めて大規模な編隊飛行を行う。

 
部隊の移動予想時間。移動経路上の主要な交差点の通過予想時間から40分経過後に交通規制は解除される予定=ソウル警察庁提供//ハンギョレ新聞社

 午後4時からは兵力4600人あまりが崇礼門~光化門一帯で市街パレードを行う。市街パレードにはL-SAM、小型ドローン、パトリオットミサイル、韓国製中距離地対空誘導ミサイル「天弓」など46種170機あまりが参加する。ソウルの市街パレードは2013年以来10年ぶり。国軍の日の市街パレードは1988年以降、5年ごとに行われてきたが、2013年の次の回だった2018年には市街パレードに代わってドローンのデモ飛行と祝賀公演が行われた。

 今回の市街パレードは装備部隊がまず出発し、徒歩部隊が続く。空中ではアパッチ攻撃ヘリコプター、空軍の特殊飛行チーム「ブラックイーグルス」が同時にパレードのルート上空を飛行する。26日午後1時から午後3時40分までは京畿道城南市のソウル空港から崇礼門まで、午後2~6時には崇礼門から光化門広場までが車両通行止めとなる予定だ。

 
市街パレードのルートと交通規制時間=ソウル警察庁提供//ハンギョレ新聞社
クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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声明は、今年が小渕恵三・金大中「日韓パートナーシップ宣言」から25周年であることをふまえ、日韓両国政府が「歴史を直視し未来を志向する」宣言の精神に基づき、相互互恵の観点で・・

2023-09-16 | 韓国あれこれ・・・

2023年9月16日(土)

日韓両国議連が総会

閉会式で共同声明採択

写真

(写真)第44回日韓・韓日議連合同総会開会式。正面左は志位和夫委員長=15日、衆院第1議員会館

 超党派の日韓議員連盟(菅義偉会長)と韓日議員連盟(鄭鎮碩〈チョン・ジンソク〉会長)は15日、国会内で第44回合同総会を開き、閉会式で共同声明を採択しました。

 声明は、今年が小渕恵三・金大中「日韓パートナーシップ宣言」から25周年であることをふまえ、日韓両国政府が「歴史を直視し未来を志向する」宣言の精神に基づき、相互互恵の観点で共通の利益を追求すべきであるとの認識を共有し、両国間に存在する懸案に「真摯(しんし)な姿勢でその解決に向け対話を重ねていくことを求める」と記しました。

 声明は「日韓両国間に横たわる歴史問題を解決するために、被害を訴える当事者の名誉と尊厳が回復されるように『日韓パートナーシップ宣言』の趣旨に基づいて、相互互恵の精神でともに努力すること」としました。

 また、ヘイトスピーチ解消法を一層実効性あるものにするために実態調査や環境整備を進め、ヘイトスピーチやヘイトクライムを根絶することでも一致しました。

 日本共産党からは、日韓議連顧問の志位和夫委員長、常任幹事の穀田恵二国対委員長、幹事・法的地位副委員長の笠井亮衆院議員ら多くの議員が出席しました。

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だが最近、米国の地位と政策に対する批判が、それも米国内の主流の人物たちからの激しい自己批判が起きている。いわゆる「米国無謬(むびゅう)論」に対する激しい挑戦だ。

2023-09-04 | 韓国あれこれ・・・

[寄稿]

「世界の安全保障の最大のリスクは米国なのか」

登録:2023-09-04 08:17 修正:2023-09-04 10:17

 

トランプ陣営の2021年の大統領選に対する不服と議会乱入、民主・共和の両極端な勢力の台頭と、かつてはこれを仲裁した中道・穏健派の衰退、大局的な共同善や国家の利益よりも個人や党派の利益に重点を置く政治土壌など、ハースの悲観論には十分な根拠がある。このような国内政治の構図が米国の外交政策の予測可能性と信頼をむしばみ、同盟国と友好国はいっそう米国を信じて従うことが難しくなるというのが彼の診断だ。。 
 
ムン・ジョンイン|延世大学名誉教授
 
 
2021年1月、大統領選の結果に不服を申し立てた米国のドナルド・トランプ前大統領の支持者が議会議事堂に乱入して星条旗を振っている/聯合ニュース

 「米国人は正しいことをすると常に信じることができる、試行錯誤があることが問題だが」

 ウィンストン・チャーチルの言葉だ。第2次世界大戦後、米国は自由主義陣営で「慈愛深い覇権国」の地位を獲得し、同盟国と友好国から絶対的な支持と尊敬を得ていた。だが最近、米国の地位と政策に対する批判が、それも米国内の主流の人物たちからの激しい自己批判が起きている。いわゆる「米国無謬(むびゅう)論」に対する激しい挑戦だ。

 7月1日付のニューヨーク・タイムズ紙は、米国の代表的な外交安全保障シンクタンクである外交問題評議会(Council on Foreign Relations)の会長として20年間在任して退任したリチャード・ハースのインタビューを掲載した。印象的な部分は「あなたが夜眠れなくなるほど、現在の世界の安全保障において最も深刻だと思われるリスクは何か」という質問に対する彼の答だ。「それは私たちだ」(It's us)。米国が最大のリスクだというのだ。ハース前会長は、米国内の混乱が、ロシア、中国、イラン、北朝鮮、気候変動などのような外部の脅威よりもさらに深刻だと指摘する。米国民主主義の退行が外交政策の根幹を揺さぶっているという叱責だった。

 トランプ陣営の2021年の大統領選に対する不服と議会乱入、民主・共和の両極端な勢力の台頭と、かつてはこれを仲裁した中道・穏健派の衰退、大局的な共同善や国家の利益よりも個人や党派の利益に重点を置く政治土壌など、ハースの悲観論には十分な根拠がある。このような国内政治の構図が米国の外交政策の予測可能性と信頼をむしばみ、同盟国と友好国はいっそう米国を信じて従うことが難しくなるというのが彼の診断だ。ただでさえ国力の相対的な衰退にある米国としては、国際社会でのリーダーシップが揺らぐのは避けられないということだ。

 ハースの発言の波紋が大きかった理由は、彼と外交問題評議会が占める地位のためだ。1921年に設立され100年の歴史がある外交問題評議会は、5000人ほどの会員を持つ超党派的なシンクタンクで、米国社会の主流エリートの見解を代弁してきた。特に、外交時事専門誌「フォーリン・アフェアーズ」(Foreign Affairs)を通じて、米国の外交政策の大きな流れを主導してきた。ハースはそのような外交問題評議会の会長として最も長く在任し、過去40年間、共和・民主両党の政権をわたり歩いて外交分野の高官を務めてきた。慎重でバランスの取れた発言が定評であるハースのこの発言は、米国内外に大きな衝撃を与えた。

 注目される点は、2003年にハースに会長の座を譲り名誉会長に退いたレスリー・ゲルブも、2009年の著書『力が支配する』(Power Rules)で似たような警告をしたという事実だ。米国務次官補やニューヨーク・タイムズの論説室長を務め、10年にわたり外交問題評議会の会長を担ったゲルブは、当時就任直後だったオバマ大統領に献本した著書で、米国の外交安全保障を難しくするのは外部ではなく内部の脅威だと指摘している。

 ハースとは違い、ゲルブは米国民主主義自体は批判しなかった。暴力的なトランプ現象が当時は存在していなかったためだろう。代わりに、米国の国内政治に隠れている「3つの悪魔」が外交政策を破綻に導いたと嘆いた。一つ目は、価値と原則を過度に強調し、世界を善と悪に分ける理念的硬直性、二つ目は、党派的利益の追求と政治勢力の両極化と、妥協政治の不在として現れる国内政治の混乱、3つ目は、自信を越えて例外主義や一国主義、優越主義として現れる米国的傲慢(hubris)だ。2001年のアフガニスタン侵攻、2003年のイラク侵攻のような米国外交の代表的な失敗は、まさにこれら3つの悪魔が生み出した惨劇ということだ。

 気になることは続く。チャーチルの言葉通り、これは単に米国の試行錯誤にすぎなかったのだろうか。ならば、なぜその後も、米国は同じような政策の失敗を繰り返すのだろうか。素晴らしい経歴と背景を持つゲルブとハースの忠心のこもった警告と忠告は、なぜ受け入れられないのだろうか。代案として、ゲルブは常識、謙遜、慎重性の復活を、ハースは目覚めた市民の積極的な参加と監視、妥協の美徳と共同善の追求などを言う。だが疑わしい。試行錯誤の繰り返しを避けようとする努力と意志を、米国政治から見出すことができないからだ。8月26日にミルウォーキーで開かれた共和党の大統領予備選挙の候補者討論会の内容をみれば、それは明らかだ。

 より大きな心配は、そうした米国に全賭けする韓国の現実だ。はたして、今日または明日の米国は、韓国の運命を全面的に任せてもいい相手なのだろうか。起訴後もトランプの支持率が今なおバイデンに劣らないという世論調査の結果をみながら思う最後の考えだ。

 
//ハンギョレ新聞社

ムン・ジョンイン|延世大学名誉教授 (お問い合わせ japan@hani.co.kr

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台風6号「カーヌン」は進路を変え、10日午前に慶尚道の海岸地域に上陸する見通しだ。カーヌンの影響により、7日から江原道の嶺東(ヨンドン)と慶尚圏の東海岸を中心に雨が降ると予想される。

2023-08-07 | 韓国あれこれ・・・
 

台風6号「カーヌン」韓国上陸の見込み…蒸し暑い熱帯夜は続く

登録:2023-08-07 00:58 修正:2023-08-07 08:32
 
当初の予想より西に進路を取り朝鮮半島を貫通
 
 
          6日午後、夕立が降るソウルの光化門広場/聯合ニュース

 台風6号「カーヌン」は進路を変え、10日午前に慶尚道の海岸地域に上陸する見通しだ。カーヌンの影響により、7日から江原道の嶺東(ヨンドン)と慶尚圏の東海岸を中心に雨が降ると予想される。台風が上陸する9~10日には全国のほとんど地域へと雨が拡大するとみられる。

 当初、カーヌンは日本の九州の南を経て北東に進み、韓国には影響を及ぼさないと予測されたが、韓国周辺の気圧の影響でそれまでの進路より西に動くものとみられる。気象庁は6日午前のブリーフィングで「台風の東で発達した熱帯低圧部と低気圧性の渦が北太平洋高気圧を韓国の方へと張り出させているため、台風が北へと押し上げられる」格好だと説明した。

 7日、カーヌンは九州南方の海上で北上をはじめ、10日午前に釜山(プサン)付近に上陸し、同日午後3時には大邱(テグ)北方50キロの地点まで北上すると予想される。この時、慶尚道のほとんどが台風の暴風域(風速が25メートル以上の区域)、全国が強風域(風速が15メートル以上の区域)に入ると予想される。

 当初、台風は東海岸に沿って北上しつつ朝鮮半島の東側の地域に集中的に影響を及ぼし、11日には東海(トンヘ)北部海上に抜けるものと予想されたが、この予想より進路を西に取り、朝鮮半島全体を貫通するものと見られる。台風は11日午後、咸鏡南道咸興(ハムフン)北西の陸上を通過すると予想される。

 
 
      6日午後3時のearth.nullschool.netの画面のキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 朝鮮半島の南に位置するカーヌンの影響で、すでに済州道と南海岸地域には波浪注意報が発表されているが、8日以降は波浪注意報がさらに拡大するとみられる。気象庁は、8~11日には東海全域と済州道の海上、南海(ナムへ)海上などを中心として風と波が非常に強まると予想している。

 過去にもカーヌンと非常に似た進路を示した台風があった。2020年の台風10号「ハイシェン」は北太平洋高気圧の東端に沿って9月7日に慶尚道の東海岸に上陸し、江原道東海岸を通過して北進した。ハイシェンによって全国が多くの雨と強風に襲われ、慶尚圏と江原道の嶺東地域は最大300ミリの降水量を記録し、東海岸と鬱陵島(ウルルンド)、独島(ドクト)には40メートルの強風が吹いた。

 
 
2020年9月7日、台風ハイシェンの強風の影響により、釜山影島区東三洞で信号機が折れた=釜山地方警察庁提供//ハンギョレ新聞社

 10日に北上しつつ、11日前半まで韓国に影響を及ぼす可能性が高く、危険な状況が展開される恐れがある」として気象庁は「カーヌンは安全に格別の注意を払うよう呼びかけている。

 一方、6日夜に江原道中部と北部の山地、江原中部と北部の東海岸に豪雨警報が発表されている中、強い雨と風の影響でこれらの地域の猛暑警報は引き下げ、または解除されている。しかし、その他全国のほとんどの地域では真昼の暑さのせいで夜も気温が下がらず、熱帯夜が続くものとみられる。

 長期間にわたり全国に猛威を振るった猛暑は台風によって一時的に解消されるとみられるが、台風の通過後は朝鮮半島周辺の気圧が変化し、今後も猛暑が続くか、また気温はどれほど上がるかは流動的だ。気象庁の6日の発表によると、9日から16日までの10日の日中の最高気温は28~35度で、平年(29~32度)と比べてほぼ同じ、または高いと予想される。

シン・ソユン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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 北朝鮮は20日、米戦略原子力潜水艦(SSBN)の42年ぶりの釜山(プサン)寄港について、北朝鮮の核武力政策法が明らかにした5つの「核兵器使用条件」のうちの1つに当たると明らかにした。

2023-07-23 | 韓国あれこれ・・・
 

北朝鮮「米戦略原子力潜水艦の釜山寄港は『核兵器使用条件』に該当」

登録:2023-07-21 09:40 修正:2023-07-21 15:20
 
 
 
19日、釜山南区の海軍作戦司令部釜山作戦基地に、米国のオハイオ級原子力推進弾道誘導弾潜水艦「ケンタッキー」(SSBN-737)が入港している=大統領室写真記者団//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮は20日、米戦略原子力潜水艦(SSBN)の42年ぶりの釜山(プサン)寄港について、北朝鮮の核武力政策法が明らかにした5つの「核兵器使用条件」のうちの1つに当たると明らかにした。

 北朝鮮のカン・スンナム国防相は同日夜に発表した談話で、「米軍部側の戦略原子力潜水艦を含む戦略資産展開の可視性増大が、わが国の国家核武力政策法令で明らかになった核兵器使用条件に該当しうるということについて想起させる」とし、「(北朝鮮の)核使用の教理(基本原則)は、国家に対する核兵器攻撃が強行されたか、あるいは使用が差し迫っていると判断される場合、必要な行動手続きを進めることを認めている」と述べた。「朝鮮中央通信」が報じた。カン国防相は「米軍側は自分たちの戦略資産があまりにも危険な水域に入ってきたことを認識しなければならない」とも述べた。

 カン国防相は韓国に向かっても、「わが国の『政権終末』を口にする米国と『大韓民国』の軍部ならず者集団に、再び厳重に警告する」とし、「朝鮮民主主義人民共和国への軍事力使用は、米国と『大韓民国』において自分たちの存在について再び考える余地すらないほど最も悲惨な選択になるだろう」と脅した。

 これは今月18日、韓米核協議グループ(NCG)の初会議に合わせて、米海軍のSSBN「ケンタッキー」が釜山の作戦基地に入港し、19日には尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が潜水艦に乗り込み「北朝鮮政権の終末」を警告したことに向けられたものだ。

 昨年9月8日、北朝鮮は金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記兼国務委員長が出席したなか開かれた最高人民会議第14期第7回会議で、「朝鮮民主主義人民共和国に対する核兵器またはその他の大量殺戮兵器攻撃が強行されたか、あるいは差し迫っていると判断される場合」など5つの核兵器使用条件を明示した核武力政策法を制定した。

 米国防総省報道官は同日、カン国防相の談話に関する反応について尋ねた「聯合ニュース」に対し、「我々は北朝鮮の攻撃に備えた拡大抑止を提供し、朝鮮半島の平和と安保を維持することに専念するという意志を非常に明確にしてきた」と述べ、北朝鮮の主張に反論した。

 「核兵器使用条件に該当する」というカン国防相の言及が出たことで、朝鮮半島の緊張は急激に高まる見通しだ。朝鮮半島情勢は最近、北朝鮮の「火星-18型」大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射や中国・ロシアの東海(トンヘ)上での合同演習、米SSBNの釜山入港などが重なり、軍事対決ムードが色濃くなっている。韓米は18日、龍山(ヨンサン)大統領室で北朝鮮の核の脅威に対抗する核協議グループ初会議を開き、「米国と同盟国に対する北朝鮮のいかなる核攻撃も、北朝鮮政権の終末に帰結するだろう」と警告している。

クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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韓国政府は今年5月、福島原発現場を視察する過程で確保したALPSの入口と出口の汚染度濃度に関するローデータなどを分析し、ALPSの性能を検証した結果を近く発表すると予告した。

2023-07-05 | 韓国あれこれ・・・

「海の食物連鎖による濃縮」の評価なく…

IAEA「動植物への影響は微々たるもの」 ???

登録:2023-07-05 01:46 修正:2023-07-05 03:16

 

IAEA「福島原発汚染水の安全性レビュー」最終報告書
 
 
ラファエル・グロッシ国際原子力機関(IAEA)事務局長が4日、東京の日本記者クラブで開かれた記者会見で、日本政府の福島第一原発の処理水海洋放出画は科学的に信頼できると語っている/聯合ニュース

 日本の福島第一原発の汚染水海洋放出計画が「国際安全基準に合致する」という国際原子力機関(IAEA)の4日の最終報告書の結論は、すでに昨年4月から出た6つの中間報告書を通じて予告された通りだった。特に目を引くのは、「隣国の人口に対する推定被ばく量は無視できるもの」だと断定した部分だ。IAEAは最終報告書に汚染水の放射性核種含有量を排出許容基準値以下に合わせる主要な設備「多核種除去設備(ALPS)」の性能検証は含まれていないにもかかわらず、東京電力が行った「放射線環境影響評価」に基づき、福島原発汚染水が他国の一般原発の排出水同様、安全だというお墨付きを与えたのだ。

 同報告書は、IAEAが2021年9月から行ってきた福島原発の汚染水海洋放出計画の安全性レビューの結果を盛り込んだものだ。レビューは放出される処理水(汚染水)の性状▽放出管理のシステムとプロセスに関する安全性▽放射線環境影響評価(REIA)▽放出に関する規制管理と認可▽ALPS処理水と環境のモニタリング▽利害関係者の関与▽職業的な放射線防護などを含む8分野に分けて行われた。

 IAEAは報告書の中で「放射線環境影響評価」を検討した章で、東京電力の「放射線環境影響評価書」を根拠に「国際水域の放射能濃度はALPS処理水が海に排出される影響を受けないため、国境を越える影響は無視できるもの」だと述べた。東京電力はこの評価書で、海洋分散モデルに基づいた計算を通じて、1リットル当たり1ベクレル以上のトリチウム濃度が予想される地域は福島原発から3キロ以内の海域に限られ、四方10キロの海域表層の平均トリチウム濃度は1リットル当たり0.12ベクレルに過ぎないと予測した。

 「現在と未来世代及びその環境保護」について検討した章でも「東京電力の海洋分散モデルはモデリングシミュレーション領域の境界でトリチウムとその他の放射性核種が感知できないか、背景水準と区別できないほどの微々たる濃度を示すものと予想される」とし、「放射線環境影響評価結果は隣国の人口に対する放射線露出を無視できることを示している」と結論付けた。

 また、3つの海洋代表動植物(ヒラメ、カニ、海藻類)がALPS処理水海洋放出の影響で受ける線量率は、国際放射線防護委員会(ICRP)が設けた参照水準より100万倍以上低いことを明らかにし、「ALPS処理水の正常な海洋放出に伴う海洋動植物の放射線影響も微々たるものであることが確認された」と記した。

 日本はもちろん、韓国政府と与党はこのような放射性核種の海洋拡散シミュレーションの結果を根拠に汚染水が放出されても国内に及ぼす影響は微々たるものだと強調する。しかし、このようなシミュレーション結果はトリチウムの国内海域への「流入時期」と「濃度」を説明するだけだ。海に排出された放射性物質が食物連鎖を通じて蓄積され、生物学的影響を起こすことまで考慮した総合的な評価とは程遠い。グリーンピースをはじめとする環境団体などは、このような海洋拡散シミュレーションを根拠にした環境影響評価が韓国をはじめとする隣国と海洋生態系に及ぼす影響について考慮していないと指摘してきた。

 さらに福島原発汚染水の海洋放出画は、汚染水中の放射性核種の含有量を排出許容基準値以下に合わせるALPSが放出期間中安定的に運営されることを前提としている。しかし、IAEAと日本は放出計画を検討するための点検の対象に、汚染水を移送し希釈する施設を含む一方、汚染水をろ過するALPSは対象から除外すという根本的な限界も抱えている。

 韓国政府は今年5月、福島原発現場を視察する過程で確保したALPSの入口と出口の汚染度濃度に関するローデータなどを分析し、ALPSの性能を検証した結果を近く発表すると予告した。しかし、試料の分析を通じた検証なしに日本政府が提供した資料だけを分析した結果では、ALPSの信頼性に対する懸念を解消することは難しいものとみられる。

 
 
福島第一原子力発電所にある汚染水の貯蔵タンク。日本はこのように保管されている原発事故汚染水133万トンを30年かけて海に放出する計画だ/聯合ニュース
キム・ジョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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政治史上、大統領制は比較的最近の1787年、米国で作られた。米国の建国とともに生まれた新しい政治制度は全世界に広がり、今や60カ国以上が原型あるいは若干変形された形の大統領制を採用している。

2023-06-28 | 韓国あれこれ・・・

初代李承晩大統領時代から韓国の「大統領制」は歪曲され始めた

登録:2023-06-28 06:22 修正:2023-06-28 09:33
 
 
1948年8月15日、中央庁広場で大韓民国政府の樹立を宣言する李承晩初代大統領=出所:李承晩建国大統領記念事業会//ハンギョレ新聞社

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韓国大統領制100年、決定的な場面_02

 なぜ「大統領」(President)なのか。政治史上、大統領制は比較的最近の1787年、米国で作られた。米国の建国とともに生まれた新しい政治制度は全世界に広がり、今や60カ国以上が原型あるいは若干変形された形の大統領制を採用している。

 「大統領」という単語そのものが多少曖昧ではあるが、当初から帝王感を漂わせていたわけではない。240年余り前に英国と戦争をして独立した米国は、英国王ジョージ3世の専制統治を二度と経験したくなかった。新大陸に渡ってきた彼らは、欧州の王政とは全く異なる、市民が支配する新しい政治体制を望んでいた。彼らはローマの共和政に注目した。貴族の代表機関である元老院にならって上院を作り、ローマ市民の利益を代弁した民会にならって下院を作る両院制を採用した。これに加え、ローマで軍事と行政を総括した執政官(consul)に当たる行政府の首班としてプレジデント(president)という役職を作った。

 大統領と訳される「プレジデント」(President)は、「前に(prae)に座る(sidere)」という意味のラテン語「praesidere」に由来する。言語学者のベン・ジンマーは、米国の公共放送(NPR)のインタビューで、「プレジデントとは聴衆の一番前に座って会議を導く人を意味していた。15世紀からオックスフォードやケンブリッジ大学の総長または学長はプレジデントと呼ばれた」と説明した。

 1787年、フィラデルフィアで開かれた憲法制定会議の上院は、会議の主宰者を意味する「プレジデント」が行政府の首班を指す言葉にしては平凡すぎると考えた。一方、下院は「陛下」または「閣下」のような修飾語の付く呼称が、行政府の首班にヨーロッパ君主のような強大な権限を与えることになるのではないかと懸念していた。3週間にわたる議論の末、上院と下院は行政府を率いる人を「プレジデント」と呼ぶことで合意した。民主主義時代の国家指導者を指す「プレジデント」という歴史的な呼称はこうやって生まれた。この言葉を総統または主席ではなく「大統領」と訳したのは1860年代の日本である。韓国も1881年に日本に行った紳士遊覧団の報告書には「新聞を見ると、米大統領(国王)が銃撃を受けたという」という記録が残っている。

 呼称とは別に、行政の首班である大統領にどれだけの権限を与えるかが憲法制定会議のもう一つの論争の種だった。米国建国の父の一人であるアレクサンダー・ハミルトンは、大統領がヨーロッパの王にもっと近い存在になることを望んでいた。一方、ジェームズ・マディソンは議会の支配を受ける首相に近い大統領を思い描いていた。このような対立は、大統領の憲法上の権限を非常に曖昧にした。テキサス大学のジェレミー・スリ教授(政治学)は著書『不可能な大統領制(The Impossible Presidency: The Rise and Fall of America's Highest Office)』で、ジョージ・ワシントンが初代大統領の座に就いた時、誰も彼に何を期待すべきか正確に知らなかったと指摘した。

 ローマには2人の執政官がいた。一人に権力が集中することを防ぐために設けられた制度だった。ローマ共和政に憧れていた憲法制定会議が、王のような権限を持つことになるかもしれない政府首脳をたった一人だけ置くことにしたのは、ジョージ・ワシントン初代大統領と関連がある。フィラデルフィアの憲法制定会議が閉幕した後、サウスカロライナ代表のピアース・バトラーは「多数の代表が(米国独立戦争を率いた)ジョージ・ワシントン将軍を大統領として念頭に置いたため、彼の美徳に合わせて大統領の権限を想定し、大統領の権限がさらに強くなった」と振り返った。

 幸いなことにジョージ・ワシントンは「建国大統領」の意味を理解していた。憲法ではなく、自分の行動が大統領という地位の責任と権限を規定することをしっかり認識していた。1789年4月30日、初代大統領に就任した後、ジェームズ・マディソンに送った手紙で、彼は「すべてのことの最初として、現在の状況で先例を作るために奉仕する。私が本当に望んでいるのは、このような先例が真の原則の上に成り立つことだ」と書いた。支持者たちの強い要請にもかかわらず、3期目の大統領選挙への出馬を断ったことや、退任後も国の統合のために尽力したのはそのためだった。

 その点で、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が「建国大統領」と崇めようとする大韓民国の初代大統領、李承晩(イ・スンマン)の歩みは深い遺憾の念を抱かせる。李承晩大統領が韓国に大統領制を導入する上で重要な役割を果たしたことは否めない。しかし、ジョージ・ワシントンが残した肯定的なレガシーは、1948年の政府樹立以後、大韓民国ではあまり見られない。ワシントンは終身在職の誘惑に陥りやすい大統領を抑制するため、自ら3期目への挑戦を拒んだ。李承晩は大統領を2期までと定められていた憲法を無理やり改正した。国会で憲法改正案が一票差で否決されたにもかかわらず、いわゆる「四捨五入」を適用して可決されたと宣言した。李承晩の長期執権の夢は流血事態を招いた不正選挙にまで発展した。韓国の大統領制は、王になろうとする彼の欲望のせいで、最初から深い傷を負った。李承晩はまた、大統領制の核心である「抑制と均衡」の原則をないがしろにした。これにより、大韓民国政府樹立の直後から大統領と国会は鋭い対立に陥った。

 1948年8月15日の政府樹立を控えて憲法基礎委員会で採択された政治形態の草案は、議員内閣制だった。国会で選出する大統領には象徴的な権限のみ与え、行政府の実質的な運営は国会の多数党の代表が兼任する首相に任せる考えだった。これには大衆の支持が高い李承晩に形式的な大統領職を与え、首相職は韓民党が持とうとする政治的思惑が働いていた。米国にはない国務会議という制度を作ったのも、首相が国務会議を主宰し、行政省庁を指揮するようにするための構想だった。しかし李承晩は「大統領任期中は政府が安定した状態にあるべきであり、国会がこれを変更する権限を持ってはならない」と強く反対した。大統領制でなければ、自分はいかなる役職も引き受けず、民間に残って国民運動を繰り広げると宣言した。議院内閣制では政府樹立初期の混乱を防げないという李承晩の主張は、国会議員たちを説得するのに成功した。結局、制憲国会は1948年7月17日、大統領中心制の憲法を議決し、李承晩は国会で初代大統領に選出された。大統領制はこのように韓国政治に根を下ろした。しかし、その過程は順調ではなかった。大統領の権限と行政府や立法府の関係において曖昧なところが少なくなかった。

 李承晩大統領の負の遺産の一つは、立法府を無視して国会を大統領の下に位置づけた点だ。政府樹立の初期なので、大統領と国会の関係がどうあるべきかについては、原則的な憲法条項以外には明確な規定やコンセンサスがなかった。ジョージ・ワシントン同様、初代大統領にはその空白を埋め、新しい伝統を作り上げる責務があった。

 李承晩は国会を大統領の国政運営を支える機構と認識し、国会を軽視する態度を示した。意見の隔たりがある場合も、国会と「妥協」するより「屈服」を求めた。端的な事例が反民族行為処罰法をめぐる論議だった。親日附逆派(親日派)を処罰するための同法は、1948年9月に国会で圧倒的な支持を得て可決されたが、李承晩大統領の反対に直面した。李大統領は法案に署名して公布したものの、「今はこのような問題で国論を離散させる時ではない」とし、「政権移譲期なので混乱を招きかねない」と反対意見を表明した。これを受け、国会は分裂した。3回にわたる法改正の末、反民族行為処罰法は結局形骸化した。同法に基づく反民族行為特別調査委員会(反民特委)は悲劇的な解体の道を歩んだ。

 李承晩大統領は、国会の意見を尊重しつつ政府と立法府の対立を解消しようとする努力をしなかった。その点で「議会の要求を尊重することが統合に役立つ」と語ったジョージ・ワシントンとは違っていた。ソ・ヒギョン博士(ソウル大学韓国政治研究所)は「大韓民国建国期の政府形態と運営に関する研究」という論文で、このように指摘した。「政府樹立初期に国会は主な国務からほとんど排除された。李承晩政権が国会の建議を繰り返し拒否したため、ユン・ジェウク制憲国会議員は『国会が一種の政府参考機関や大統領諮問機関として扱われている』と発言をするほどだった。特に反民族行為処罰法の制定と行政権の移譲過程を経て、国会に対する政府の圧力がさらに強くなった。ある意味、国会議員たちもそのような政治現実を次第に受け入れる方向に変わっていった」

 李承晩政権以降、大統領が国会と政党を軽視する風潮はこれまで根本的には変わっていない。最近、与党「国民の力」が初当選だけではなく重鎮でも大統領の顔色をうかがっているのには、このような長い歴史的経験がDNAに刻み込まれているのも、一つの理由ではないだろうか。

 
//ハンギョレ新聞社
パク・チャンス大記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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13日には尹大統領が直接乗り出した。両国の外交当局や政界における攻防を越え、最高指導者まで一国の大使に狙いを定めた発言を行ったことで、両国の対立がさらに深まっている。

2023-06-14 | 韓国あれこれ・・・
 

「尹大統領まで乗り出したことで収拾つかなくなった」…

反中感情に便乗との指摘も

登録:2023-06-14 06:39 修正:2023-06-14 07:43

 

尹大統領までシン海明駐韓大使批判に加勢
 
 
尹錫悦大統領が13日、ソウル龍山の大統領室で国務会議を主宰している=大統領室写真記者団//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の対外政策を公に批判した中国のシン海明駐韓大使の発言をめぐり、韓中政府が連日激しい言葉の応酬を繰り返す中、13日には尹大統領が直接乗り出した。両国の外交当局や政界における攻防を越え、最高指導者まで一国の大使に狙いを定めた発言を行ったことで、両国の対立がさらに深まっている。

 シン大使に向けられた尹大統領の発言は、同日午前、ソウル龍山(ヨンサン)大統領室にて非公開で行われた国務会議で、懸案について話し合う過程で出たという。尹大統領は「両国関係は相互尊重と友好増進、共同利益の追求という大原則に基づき行われてきた。しかし、駐韓中国大使の不適切な言動に国民がかなり不快感を覚えている」と述べた。シン大使が8日、野党「共に民主党」のイ・ジェミョン代表を大使官邸に招待した席で「中国の敗北に賭ける人々は後で必ず後悔するだろう」とし、尹錫悦政権の米国傾倒政策を批判したことに向けられた発言だ。

 尹大統領はまた、「シン大使を『袁世凱』と評する人が多い。大使に会うために、韓国の企業家たちが先を争って大使との面会を希望しているという」としたうえで、「しかし(8日の)そのような発言は適切ではなかった」と語ったと出席者たちが伝えた。尹大統領は「国民のプライド」や相互主義、相互尊重原則などを強調し、このように述べたと言う。清の袁世凱は壬午軍乱(朝鮮王朝の閔氏政権とそれを支えた日本に対する兵士の反乱)の時、軍隊を率いて朝鮮に駐在し内政干渉を行った人物だが、尹大統領はシン大使を袁世凱に喩える巷評を取り上げたのだ。

 大統領室は、シン大使が駐在国の野党代表に会い、駐在国政府を露骨かつ公に批判したことに非常に激昂しているようだ。大統領室関係者はハンギョレに対し「どのような大使も自分が駐在する国の政府に対してこんなふうには言えない」とし、「隠喩や比喩でもなく、露骨な発言で(駐在国の)国益と主権を侵害しており、大統領はそれが主権にかかわる内容であるため言及した」と述べた。

 外交界では、高圧的な発言をしたシン大使を外交部が9日に「呼び出し」、中国も10日、「召見(呼び出して会う)」に比べてレベルの低い「約見(前もって約束してから会う)」で対抗したのは、互いに一線を越えないための措置だったとみている。

 しかし、尹大統領がその一線を越え、直接駐韓大使を批判したことについて、専門家たちは「ふさわしくもなく、両国関係の悪化を招くだけ」だと指摘した。慶南大学極東問題研究所のイ・サンマン教授は、「大統領がシン大使について直接発言したことで、収拾がつかなくなった」とし、「中国はこれから明らかに批判的な言及をするだろう」と見通した。中国が反発のレベルを上げる理由をつくったということだ。

 尹大統領が外交を国内政治のように扱っているという指摘もある。チェ・ジョンゴン元外交部第1次官は、「このような事案は、通常次官レベルで話し合いながら外交的に幕引きを図るのが一般的だ。大統領まで乗り出して発言するのは『過ぎたるは及ばざるがごとし』だ」とし、「与党まで乗り出して『好ましからざる人物(ペルソナ・ノン・グラタ)』について言及するのは国内政治のため」だと指摘した。韓国国内の反中感情に便乗しようとする態度だということだ。

 与党の「国民の力」からシン大使をペルソナ・ノン・グラタに指定すべきだという声があがるのも危険だという指摘が多い。相手国の大使をペルソナ・ノン・グラタに指定することは、事実上両国関係の破綻を意味するからだ。ウィーン条約が発効した1971年以降、駐韓外交団をペルソナ・ノン・グラタに指定した事例は1件のみ。1998年、韓国とロシアが互いの外交官の追放した事件だ。当時、ロシアは韓国大使館に勤める韓国側外交官がロシアの情報を持ち出そうとしたとして、韓国外交官を追放した。これに対抗し、韓国も韓国在住のロシア外交官を追放しており、ロシアはさらに反発を強め韓国外交官5人を追放した。

シン・ヒョンチョル、キム・ミナ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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インタビュー集団の中で最も多い20~30代の10人のうち7人、そして40~50代(7人)は満場一致で、中国との関係回復の必要性を述べた。

2023-06-06 | 韓国あれこれ・・・
 

韓国市民、

「米国偏重外交」への懸念に世代の差はなかった

登録:2023-06-05 09:51 修正:2023-06-05 14:57
 
ハンギョレ創刊企画:停戦・韓米同盟70年 
20~70代の市民23人に深層面接
 
 
尹錫悦大統領とジョー・バイデン米大統領が4月26日(現地時間)、ホワイトハウスで韓米首脳会談を行った後、共同記者会見で握手している=大統領室写真記者団//ハンギョレ新聞社

 「韓国は米国との関係に偏って中国を無視しているじゃないですか。だからもう少し柔軟に、米国と半分くらい親しくしたなら中国の顔色も伺いつつ(外交)政策を展開してほしいです」(60代女性Aさん)

 70年の韓米同盟は、米中戦略競争時代に新たな役割の変化を求められている。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は「価値観外交」という理念的路線に沿って、韓米関係にさらに密着するという答を出した。だが、平穏な日常を望む市民の答は違っていた。

 韓米同盟70年を迎え、ハンギョレが世論調査業者ヒューマンアンドデータに依頼し、20~70代男女23人を対象に行った標的集団深層面接(FGI)で、大半の参加者は米国への依存や偏重ではなく「バランス」を口にした。中国との関係にも気を使わなければならないということだ。今回の深層面接は、20~30代(10人)、40~50代(7人)、60~70代(6人)の3グループに分け、5月25日から今月3日まで行われた。

 3グループのうち親米感情を最も強く表わした60~70代の中には、反中感情を表わす市民もいたが、この6人のうち大半である5人は「中国との関係を緩和させるべき」と答えた。

 「米国とは血盟の関係。現大統領は米国との関係を積極的に推し進めているではありませんか。それは肯定的にみています」と言いつつも「韓米同盟をある程度進展させたら、次は中国とうまくやらなければ。嫌いであることと、経済的に(関係を)維持していくことは違います。韓国は貿易国なのだから、中国を無視してはいけない」と、70代男性のAさんは語った。

 また別の70代男性のBさんは「中国は私たちを小国だと甘く見ています。関係が少しでも悪くなると(中国は)自分たちの過ちを認めない。仲良くするのは難しそうだ」と述べたが、韓国と協力しなければならない国としては米国とともに中国を挙げた。

 インタビュー集団の中で最も多い20~30代の10人のうち7人、そして40~50代(7人)は満場一致で、中国との関係回復の必要性を述べた。

 「中国主導であれ、米国主導であれ、大きな波の中で、船が両側から吹く風のバランスを取りながら進むように、生存のためのバランスが韓米関係でも望ましい」(50代男性Aさん)

 「教授の推薦で先日アンケート調査をしたことがあるんですが、中国内でも反韓感情がだいぶ増えているそうです。韓国が中国人を嫌っているからだという理由もありました。政治的なこと以外にも、一般の人の目からもこういうことが見えるようです。歴史的にも、一国だけに依存して、その国が最後までうまくいったケースは珍しい事例だと思います」(20代男性Aさん)

 一方、30代女性のAさんは「米国と円満な関係を結ぶべき。中国は閉鎖的で、(態度が)どう変わるか分からない国という印象」とし「交易も東南アジアなど他の国々と協力して中国依存度を下げるべき」という意見を出した。また別の30代男性のAさんは「20~30代の反中性向は強い。東北工程やTHAAD(高高度防衛ミサイル)問題など…中国との経済的協力は必要だけど、けん制はしなければ」とし「日本も露骨に米国と結託しているとみられるが、私たちもそのような部分は必要」と話した。

 米中間でのバランスを韓国の外交戦略にすべきだという意見も出た。「韓国も対中関係をもう少しうまく解決すれば、韓日関係においてもバランスが取れるんじゃないでしょうかね。李明博(イ・ミョンバク)大統領も実利主義を追求したし…。民衆の経済のためにも、中国との関係改善に向けた努力は必要」(40代女性Aさん)、「恋愛関係でも、完全に自分の恋人になれば気を遣う必要がなくなるけれど、ケアしなきゃと思えば変わるでしょう。米国の立場としては、韓国は地政学的にとても必要な国だから、綱渡りをしながらいずれも味方にするようにしなければ」(40代男性Aさん)

チャン・イェジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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今回の訓練は31日に済州東南の公海上で始まる。韓国が主催し、米国・日本・オーストラリアが参加する。日本の海上自衛隊は、今回の訓練に護衛艦「はまぎり」を派遣する予定だ。

2023-05-29 | 韓国あれこれ・・・

日本の自衛隊艦艇、

今月末に「旭日旗」を掲げ釜山港に入港の見込み

登録:2023-05-26 07:50 修正:2023-05-26 10:16

 

韓米日豪、31日に済州で多国間訓練を予定
 
 
                                             旭日旗を掲揚する日本の軍艦/聯合ニュース

 今月末に韓国が主催する多国間訓練に参加する日本の海上自衛隊の護衛艦が、「旭日旗」を掲げ釜山(プサン)港に入港するものとみられる。韓日軍事協力の拡大を推進する尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が、前任の文在寅(ムン・ジェイン)政権とは違い日本帝国主義が犯した「侵略戦争の象徴」とみなされているこの旗を容認したかたちだ。

 国防部のチョン・ハギュ報道官は25日の定例会見で、31日から開かれる多国間海洋阻止訓練である「アジア太平洋循環訓練」(イースタン・エンデバー23、Eastern Endeavor 23)に参加する日本の海上自衛隊の護衛艦が、旭日旗を掲げて釜山に入港するのかを問う記者団の質問に、「通常通りに艦艇が外国の港に入港する際、その国の国旗とその国の軍隊または機関を象徴する旗を掲げる」としたうえで、「これは全世界的に通用している共通の事項であると認識している」と述べた。さらに、日本の艦艇が「自衛隊艦旗(旭日旗)を掲げて入ってくるのかどうかは今申し上げるわけにはいかないが、(掲げて入ってくることが)通常の国際慣例」だと述べた。韓国は旭日旗を「戦犯旗」「日本帝国主義の侵略の象徴」と考え、使用の自制を要求しているが、日本は国旗である日章旗と同様に自国の象徴だとする立場を守っている。

 読売新聞はこの日、複数の韓日政府関係者の話を引用し、「海自護衛艦はこの訓練の前後に、自衛艦旗を掲げて釜山港に入り、海自幹部が各国関係者と交流する計画」で、「尹錫悦政権との間での日韓関係改善の流れを受けたもの」だと報じた。さらに「対日関係の立て直しを進める韓国の尹政権は、政治色がにじむ一連の経緯や対北朝鮮での連携の必要性を踏まえ、掲揚を認めるのが妥当と判断した」と付け加えた。

 今回の訓練は31日に済州東南の公海上で始まる。韓国が主催し、米国・日本・オーストラリアが参加する。日本の海上自衛隊は、今回の訓練に護衛艦「はまぎり」を派遣する予定だ。

 文在寅政権時の2018年10月には、韓国政府が済州国際観艦式に参加しようとしていた海上自衛隊の艦艇に旭日旗掲揚を自制するよう要請し、日本が強く反発して不参加を通知したことがある。スポーツ競技でも、韓日戦がある場合、旭日旗が登場すると両国の国民感情が激化したりもする。

 
 
                                       日本海上自衛隊に掲揚される旭日旗//ハンギョレ新聞社

 旭日旗は、日本政府が1870年5月に日本陸軍の正式な旗に定めた。横134.2センチメートル、縦152.5センチメートルの四角形の中に太陽を象徴する赤い丸を中心に周辺に向け16本の光線を放つ形をしている。1899年に海軍の軍艦旗にも採択された海軍の旗は、この旭日旗とは違い、日の丸の位置が左に少し片寄っている。

 その後、日本政府は1954年に自衛隊を作り、自衛隊法の施行令を通じて、過去の日本海軍の「軍艦旗」と同じ形の旭日旗を「自衛艦旗」に採択した。自衛隊法によって、自衛隊の船舶は、自衛艦旗を日章旗とともに掲揚しなければならない。海上自衛隊の艦艇が旭日旗を掲げざるをえない理由だ。

 これに先立ち、1998年の金大中(キム・デジュン)政権の時と2008年の李明博(イ・ミョンバク)政権の時にも、海上自衛隊の艦艇は韓国海軍が主催した国際観艦式に旭日旗を掲揚して参加した。毎日新聞は「自衛隊が韓国主催の訓練に参加するのは2019年7月のPSIの机上訓練以来で、艦船派遣は12年9月以来」と報じた。

 旭日旗を掲揚した日本の艦艇が釜山に入港するとなると、韓日軍事協力はよりいっそうはずみをつけるものとみられる。読売新聞は「6月初旬には、シンガポールでの国際会議に合わせた日韓防衛相会談が予定される。残る懸案のレーダー照射問題について、早期収拾を目指す方針を確認する見通しだ」と報じた。

東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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世界保健機関(WHO)も5日、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)宣言を解除した。政府は当初、防疫措置の緩和時期を7月頃と予想していたが、・・・

2023-05-13 | 韓国あれこれ・・・

韓国政府、

3年4カ月ぶりに新型コロナを風土病扱いに…

6月からは隔離義務解除

登録:2023-05-12 01:34 修正:2023-05-12 08:30
 
 
韓国政府が新型コロナウイルス感染症の危機段階を「深刻」から「警戒」段階に調整した11日午前、大邱寿城区保健所選別診療所で、医療スタッフがPCR検査を行っている/聯合ニュース

 韓国政府は新型コロナウイルス危機警報を「深刻」から「警戒」に一段階下方修正するとともに、感染者の隔離義務を解除し、事実上の「新型コロナからの日常回復」を宣言した。この3年間世界を襲った新型コロナが、季節性のインフルエンザ同様の風土病扱いになる段階に入ったわけだ。2020年1月20日、国内に初の感染者が発生してから3年4カ月ぶり。

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は11日、龍山(ヨンサン)大統領室で国務会議を開き、「新型コロナの危機警報を『深刻』から『警戒』に(下方)調整し、6月から本格的に適用することにした」とし、「3年4カ月ぶりに国民が日常をとり戻したことを嬉しく思う」と述べた。新型コロナ危機警報の下方措置は来月1日から適用される。これにより、政府はこれまで新型コロナの感染者に課した「7日間の隔離義務」を6月から「5日間の隔離勧告」に切り替える。室内マスクの着用が義務付けられている医院と薬局ではマスク着用が勧告に変わる。

 ただし、患者が密集している病院級以上の医療機関や介護医療院など入所型の感染脆弱施設などでは、マスク着用義務を維持することにした。感染脆弱施設の従事者に義務付けられていた週1回の検査も有症状者など必要な場合のみ行い、対面での面会の際、防疫規則を守れば、入所者の飲食も認める。海外から入国後3日以内が望ましいとされていたPCR検査勧告も解除される。

 政府が同日、新型コロナ危機警報を4段階のうち最高段階である「深刻」から「警戒」に緩和したのは、今や韓国社会が非常事態から抜け出す時だという宣言といえる。これに先立ち、世界保健機関(WHO)も5日、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)宣言を解除した。政府は当初、防疫措置の緩和時期を7月頃と予想していたが、最近の新型コロナの状況を総合的に判断し、決定を1カ月以上繰り上げた。実際この1カ月間、新型コロナによる死亡者は1日平均7人(致命率0.06%)で、疾病の危険性が低くなった状態だ。先週検出された変異株の74.4%を占める「XBB」の流行で、6月初めに1日平均最大3万~4万人の感染者の発生が予想されるが、懸念すべきレベルではないというのが政府の判断だ。チ・ヨンミ疾病管理庁長は危機警報の下方修正と関連し、「新型コロナが(季節性インフルエンザのように)風土病化し始めたことを示す」とし、「日常的な管理体系に転換できる出発点になった」と意味づけした。

 入院治療費や生活支援費、有給休暇費など感染者のための支援と、高危険群のPCR検査のための選別診療所運営などはひとまず維持されるが、新型コロナの法定感染症等級が現在の2級から4級に2段階下方修正された場合は、運営終了となる。疾病庁は2段階調整の時期を1~2カ月後の7~8月と予想している。

イム・ジェヒ、ペ・ジヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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スティーブ・ヤング社長は同日のプレゼンテーションで、アイスアイが撮影した北朝鮮地域の最近の写真を公開した。特に高密度映像では地上の足跡も見られると言及し、技術力を誇った。

2023-04-07 | 韓国あれこれ・・・
 

「北朝鮮の地上の足跡まで見える」

フィンランドの衛星会社、韓国政府に協力を提案

登録:2023-04-06 06:33 修正:2023-04-06 08:04
 
韓国政府、1兆4000億ウォン台の超小型衛星システムを推進 
フィンランド企業、政府関係者など招待し技術力を披露
 
 
5日、フィンランドの衛星開発運用企業「アイスアイ(ICEYE)」が公開した北朝鮮咸鏡南道利原郡遮湖港の写真。遮湖港には、北朝鮮の海軍である朝鮮人民軍海軍の潜水艦基地があるという=アイスアイ提供//ハンギョレ新聞社

 フィンランドの衛星開発・運用企業の「アイスアイ(ICEYE)」は5日、記者懇談会を開き、韓国政府との業務協力を希望すると述べた。

 アイスアイ衛星事業部門のスティーブ・ヤング社長は、この日ソウルで開かれた記者懇談会で「韓国は国家安保問題を含め様々な理由で自主的な高性能映像レーダー(SAR)衛星能力を開発しなければならない強い理由を持つ先進国」だとし、このように語った。

 北朝鮮上空を24時間監視できる能力を備えるのは、北朝鮮の核・ミサイル脅威に対応した先制打撃概念「キルチェーン」(KillChain)の軸となる。それができてこそ、北朝鮮の威嚇の兆候を迅速に把握し、先制攻撃で無力化できるからだ。

 このため、政府は1兆4223億ウォン(約1420億円)を投じて超小型衛星システム開発事業を進めている。今年上半期中に映像レーダー検証衛星会社を選び、2026年下半期に検証衛星を打ち上げ、性能検証することを目標としている。2028年からは多数の衛星を順次打ち上げ、事業を完了する計画だ。

 このため、様々な企業が業務協力を希望しており、アイスアイもその一つだ。スティーブ・ヤング社長は同日のプレゼンテーションで、アイスアイが撮影した北朝鮮地域の最近の写真を公開した。特に高密度映像では地上の足跡も見られると言及し、技術力を誇った。

 この日の記者懇談会には防衛事業庁関係者など政府関係者とペッカ・メッツォ駐韓フィンランド大使も出席した。ペッカ・メッツォ大使は、長年中立国だったフィンランドが前日、NATOの31番目の正式加盟国になった事実に触れ、安保協力の必要性を強調した。また「韓国も宇宙力量と産業発展を追求しているため、フィンランドとアイスアイもこのような努力に重要な役割を果たせることを願っている」と述べた。

シン・ヒョンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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