柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

鬼の首

2008-03-29 08:43:15 | Weblog
沖縄集団自決に軍の命令があったかどうか、大江健三郎の沖縄ノートで名指し誹謗された当時の上官が名誉毀損で訴えた裁判、原告敗訴でした。被告は大江さんと岩波。判決主文は、集団自決に軍は深く関与していたというものでした。つまり争点をずらしてぼやかした典型です。二重否定の乱発です。~でないとも言えないとか、否定するに十分な理由がないとか。新聞上の評価もまっぷたつです、左翼学者と保守側、保守側はどれも秦さんというのが不思議、保守論客は他にもいるでしょうに。命令があったかどうか、この原告の名誉毀損があったかどうかには全く触れません。命令はあったかどうかはわからないが、関与はあったって。言葉換えてごまかして、そして左翼達は大はしゃぎ。例の大きな半紙をもって関係者が駆けてくる、大江、岩波勝訴。女たちが側できゃーきゃー言ってる。何々?キャーキャー言う場面じゃなかろうに。大江さん会見で言います(この人すっかり歳取っちゃって。石原慎太郎と同時代に文壇デビューした人です、見た目の差は歴然)裁判官が私の文章を読み込んでくれたって。裁判所では曾野綾子は読み間違えているって言った人の言葉です。呆れます。ま、こんな年寄りを今さらに、という気持ちが湧かなくもないことですが、いいえ、原告は九十歳を超えて尚意気軒昂なのです。名誉回復を訴えているのです。嘘は嘘だと。名こそ惜しけれ、です。この心情推し測るに余りあります。軍の関与はあったに違いないじゃないですか、戦争していたんですよ。軍の統制下にあるんです、敵が目前にいる戦場ですよ。それを今の平和ボケの感覚で裁こうとする。話をすり替える。お茶を濁す。お仲間の朝日は大喜びです。「司法も認めた軍の関与」との見出しで滔々と社説でお祝いです、鬼の首取ったようです。「皇民教育復活させぬ」なんて大仰な見出しを打ちます。そのお仲間の毎日は幾分距離を置いて中程寄り。読売は「軍命令は認定されなかった」と打ちます。この差、面白いでしょう。今日こそは皆様、各紙をお読みになればいい。ははぁ、これだけ思想が違うのかってよく分かりますよ。そしてどれもこれもそのまま信用しちゃならんなって分かりますよ。
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