柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

混合診療

2008-03-28 08:41:09 | Weblog
松井の結婚はこっちおいて、桑田引退だそうです。うむ、こちらは感慨湧きますね。高校野球が一番きらめいていた時代の立て役者です。清原との二人で(むろんこの二人だけじゃぁどうにもならぬことですが)甲子園5回出て、優勝2回準優勝2回ですって、なんたる飛び抜け方。PLだけじゃなかったですからね、池田の畠山水野、早実の荒木、浪商のドカベン香川とピッチャー(名前ど忘れしました、中日からロッテに行って、あと横浜の監督もやったあの人)・・きら星達の時代です。あの時代をリアルタイムで見ていられたのは幸せなことだったのでしょう。
 昨日混合診療のことを書きました。あれじゃぁ分かりにくい、中途半端じゃ、というお叱りを受けましたのでもう一度書きます。今の保険診療は、保険収載といって保険の利く薬やら治療法やらの範囲が定められていて、その範囲内のものにしか医療保険からの負担分が支払われない仕組みなのです(皆さんが病院の窓口で支払われるお代は、その時かかった全額のうちの一割あるいは三割分です、残りの九割七割は保険機構から病院に支払われています、ここを押さえておいて下さい)。この枠から外れること(もの)には保険から支払われないのですが(よく言う、保険が利かない、です)、単にそれだけならその利かない薬代、治療代だけ自費で払うから、という理屈も通りそうですが、ここにもう一つルールがあるのです。保険の利かない治療を病院で行なう場合は、その治療一切を保険治療外のものとするって決まりです。従来保険の利いていた部分まで利かなくなるのです。ここまでは保険で、ここからは自費で、という区分けができないのです、そういうルールです。all or nothing です。ですから、保険収載されていない薬や先進手術やらを病院で使ってしまうと、今までは保険が利いていた例えば入院料とか普通の点滴注射の処置代とかまでが全額自費負担になるって仕組みです。請求書見て目の玉が飛び出るって顛末です。絵に描いた如き弱り目に祟り目。それではならじと、区分けできるようにしようというのが混合診療です。いいことのように思われましょう。区分けすることに何の不具合があるのか?ええ、実際に治療を受けておられる方々には今日のお金の問題です、切実です。でもここにはもう一つ大きな問題が横たわっているのです。混合診療を解除してしまうと、金がない金がないと言い続けている保険機構やら厚労省やらがどうしましょうか、保険の利く範囲をどんどん狭めてきますよ。風邪薬、ビタミン剤、胃薬、高血圧薬、高脂血症薬と需要の多い薬から順次外していきます、どうぞ薬局で買ってくださいって。CTやらMRI、エコー、骨量検査などなどその辺の検査代も自分もちになっていきましょう。今の保険診療は、今日あなたが病院で受けた全ての治療検査処置をカバーしていますが、こっちからは自費、ここまでは保険、なんて混合診療が許されれば、保険の利く部分には確かに三割負担で済みますが、利かぬ所には全額自費です、請求書見てびっくり、になります。それこそ金がない者は病院に行くな、になります。世界に冠たる国民皆保険制度が一気に崩壊します。上質な医療を日本中どこにいても保険証一枚で廉価に(ここが何より大事です)受けられるという利点が全て失われます。混合医療というのは一見いいじゃないかと思われましょうが、そういう危険を孕んでいるのです。私達の今日の医療費(窓口負担)にはね返ってくる、保険制度の崩壊に繋がる重大な問題なのです。おわかりいただけましたでしょうか。
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