柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

人口

2016-03-26 08:20:35 | Weblog
北海道新幹線の開通です。どの新聞もどのTV局も同じ切り口です、時間がかかり過ぎる。もちろん飛行機と比べての話です。北海道に行こうとして、それこそ旅を楽しもうとするなら(時間がたっぷりあるなら)陸路でも船でものことですが、「北海道に行きたい」のなら移動時間は重要な要素ですわね。わざわざ新幹線使わないですよね。そして在来線の函館駅にすら乗り入れてない、札幌まで新幹線が延伸するのはさらに15年先だとネガティブキャンペーンを張っているような趣です。40年前の山陽新幹線のこと思い出してみますに、昭和50年に岡山までつながって、博多まではもう少しかかりましたね。しかしそこには需要が唸っていたのでした、つまり人口の多い地区に向けて最高の交通手段が敷設されたのです、絵に描いた如きストロー現象が展開しました、中四国からどんどん関西に吸い取られて行って。でもそれだけ人口があったから、そして相応に近距離だったからあれだけの需要と繁栄が具現したのでした。飛行機と競合するほどの距離でなかったことです。昭和39年に東海道新幹線が通りました、東京新大阪が当初4時間近かったですね、あの時代にはすでに羽田伊丹の飛行便はあって一時間程度で結んでいたのです。ですがあの繁栄でした。もちろん時代が違います。必要があって敷設されたのではないですね、小林一三の阪急電車敷設と宝塚の関係です、まず交通の便を作って人を呼ぶ人を動かす人を集める、経済発展の象徴として大借金して作ったものでしたね。結果は世界が驚く高度経済成長に繋がりました。東京へ東京へと全てが流れ込みました。大東京が作られました。産業発展のための重要なインフラだったのでした。未だに経済学者や政治家が忘れられないトリクルダウンの世界があったのでした。大動脈ができると地方は都会からのヒトとモノの流入増加を期待するのですが、事実は逆です、ストロー現象は容赦ありません。全国規模でも、地域規模でも同じことが起こります。新幹線は沿線地域住民の利便です。これは私達が実感することです。そして当地のような鄙でも、新幹線の恩恵を十二分に受けてきた者でも、飛行機という選択肢が提示されると、やはり時間の短い方を選ぶものなのです。こういう事実に鑑みて、さて北海道新幹線、赤字にならねばいいがなとあらぬ心配が確かに湧きますね。やはり人口の多寡は大きいのです。東京へ行く、大阪に行く、博多に行く、と同じ価値が生まれましょうか。さて。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 暴走 | トップ | 象徴 »

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事