柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

英雄

2010-10-16 08:14:22 | Weblog
チリのサンダーバード並みの大救出劇、ハッピーエンドです。まさに大活劇の趣でした。銅鉱山で、銅の産出がチリの主要産業で、中国が銅を欲しがっていて、日本をはじめとした外資が軒を競っていること、そして昔の日本の炭鉱の如く、良質なものを大量に求めてどんどん深い所へ掘り進んでいく、それは危険と道づれで、メキシコ湾の原油汚染と相通ずるものがあるなんてこと知りました。例によって専門家達が眉を顰めて声を潜めて危険性を指摘します、そんなことは誰でもわかってる、でもブツを欲しがる者がいて金欲しがる者がいる限り、これが資本主義の進む道です。あれだけの長い距離、それこそ一直線に掘らねば中をカプセル通せませんからね、技術力や凄いことと思うのですが、そういうことより、殿(しんがり)務めたリーダー、現場監督だったそうですが、この人の肚の座り方には敬服します。昔から戦の、特に負け戦で退陣する際の最後尾を努めることが忠誠の証、度胸度量の証であったわけです。一番最後までその場に残る、最後尾を守りながら退却する、それは敵の追撃をまず最初に受ける役回りです、だから名誉でもあるわけです。救出の途中に落盤が起きるかもしれないのです。目の前で一人また一人と救出されていくのを見ながら、次にカプセルがちゃんと降りてくる保証は何もないのです、早く上がりたい、そう思うのが普通です。33人、みんなそういう思いだったでしょう。でも、あのリーダーがでんと構えて、俺が最後に行くからみんな先に順番に行けと指示したんでしょう。それだけで皆の気持ちが落ち着いたことでしょうね。最後まで規律のとれた行動をとれたという結果でした。チリもここまで世界中から注目されたら国威をかけての大事業でした。クレーンやら小型カメラやら、全部外国製だったというおまけつきでしたが、大金つぎ込んだ甲斐はあったのでしょう。愛国心を湧きたたせることが来ました、国民が自国を誇ることができました。リーダーは暫く英雄扱いでしょうね。日本なら国会議員候補ですか。
 谷亮子、柔道引退です。新聞各紙、TVは大報道です。二足の草鞋発言に総スカン食らわせておいて、こっちを辞めますなんて言った途端に大賞讃です。あなたの柔道家としてのキャリアは認めるんだ、と言い訳じみてます。所詮こんなもんです、一旦どこかが叩き始めたら集団暴力で袋叩き。百犬その声に吠ゆ、です。その逆も真。どこかが褒めればうちも褒める。そんな流れです。でも、面白いことに毎日新聞は「だから言わんこっちゃない!」調子です。こうなることを(柔道やめることを)強制していたわけです、能力もないのに国会議員になった時点で国民はやっかみ半分にそう思っていたということです。新聞が世論を表しているとは言いませんが、隣の口うるさいおばさん風の展開はやはり世間様の怖さを示すものであったのでしょう。
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