柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

人のふり見て

2006-03-22 08:34:17 | Weblog
凄い試合でしたねぇ、今までならああいう具合に寄ってこられたら簡単に土俵を割っていたのでしょうが(解説の野村がしきりに言っていたように)、9回は何だか涙が出るような劇的さがありました。やはりイチローでしたね。ずっと自分に周囲の目を引きつけて、言うべきをきちんと言って、きちりと答えを出す。全盛期のマイケルジョーダンの如く、そして長嶋の如くです。野球とバスケットとを同列には比較できないでしょうが、ここぞと言うときにイチローに打順が回ってくるところ、評論家の言う「そういう星の元に生まれた人」なのでしょう。穏健、謙虚の世界の王と熱いスピリットを溢れさせたスター・イチローに耳目が集中するのは当然のことでした。オリンピックより、サッカーより、野球は日本人に合った競技なのだと改めて皆知ったのではないでしょうか。面白いですもの。で、例によって斜に構えて一言。TV報道でキューバ人と思しき人がインタビューに答えて「キューバが一番だ。キューバにはプロは一人もいないのだから!」と、まくし立てていました。韓国のメディアは「6勝1敗のチームが5勝3敗のチームより順位が下とは何たること!」と結論しているそうです。ううむ。人の勝負に関する感情というのは人種や文化の差はないのです。あのキューバ人(おそらく)は、キューバが勝っていれば同じ理由で我がチームの優秀さを誇示し、日本を侮ったでしょう、プロがいて、あれだけ高給取りを揃えても我々の純粋な野球に対する気持ちには勝てないのだ、とかなんとか。韓国の理屈も、子どもの負け惜しみの域を出ませんね、リーグ戦とトーナメント戦はそういうもんですから。気持ちはわかりますけれども。ですから、10回やって何回勝つかでやってみたらいいですね一度。すれば実力のほどがより明確になると思います。とまれ、今回は日本が勝ったから日本のメディアもそういう負け惜しみを言わずにすんでいるだけなのでしょう。立場が変われば、アメリカの審判に対する非難やら、この大会に対する非難やら、挙げ句は松井や井口が悪者になったかも知れません、それと王采配。勝つと負けるとではこれだけ違うのだ、こんなもんだと断ずるのが通常なのですが、一方でこれが人の考え方なのですねぇ、つくづく思います。と、思い至れば、王監督の如く、山谷には相当に苦慮対応しながらも、鷹揚迫らずの態で通すということはきっと高い人格を示すのでしょう。我々凡人には、人のふり見て我がふり直せという教訓事ですが、レベルの違う人の考えることはきっと違うんでしょうねぇ。ううむ、道は遠いですなぁ。
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