柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

同穴

2011-06-29 08:09:30 | Weblog
上関原発建設に対して知事が見解出しました。埋め立て免許の延長を認めないという、この計画自体をどうこうしようという大きな決定ではなく、目の前の工事をいったん止めましょうという意思表示ですが、これは大きいでしょう。もちろん知事さんがきちっと弁明してます、国のエネルギー政策に反するものではない、原発を否定するものではないと。国の方針がはっきりしない段階で、端々の工事を進めていくわけにはいかないという理屈です。国が「あんたが決めろ」と投げてきている以上は国に責任を預けながらの決定するは中央集権体制下の地方行政府としては当然の対応です。これからも地元の意志を尊重していくとも付け加えていますが、当の上関町長は県からの意思確認がないのに答えようがない、事前に何の話もなかったとコメントしてます。こんなことですね。町長も自分の責任にしたくないのですね。自分は、原発が建たないことを想定して今後(の財政状況)を考えていかねばならないと議会で発言していたのに、です。どちらも、俺はそこまでは言ってないと相手にぬすりつけておくわけです。もっとも、国策であればそういう図式は当然でもありましょう。そして中央集権化の行政とはこういうものなのでありましょう。言うことを聞けと上から命令が下りてくる、下は粛々と実行するのみ。そうでなければお金が(税金ですよ!)もらえないから。習い性となりますから、政策についての問題は俺の所為じゃないよとなります。これも当然の帰結です。知事がずっと言ってたのは法律に沿って判断する、国に照会している、これでした。美濃部博士じゃないですが、機関化しているんですね、自らに。これは知事に限った話ではありません、全国殆どの首長さん方の共通点でしょう。物事の是非決定するんだけれどもあくまで法律法令条例との照らし合わせであり、幾許かの個人的裁量は含まれているにせよ極力小さくしようとしながら判断。その方が楽でしょうね、法律にそうなっているといえば葵の御紋です。そんなことはないんですがね、そういう世界で生きてきた人達が集まればそれで終わりです。もっと大事なこと、もっと優先すべきこと、もっと必要とされていること、それを前に押し出すには、法律知識じゃなくて胆力が要ります。知事の立場で「私はこう思う」とは言えないことなのでしょう、そう反論されると、あなたはそうなのよねとこちらも言わざるを得ません。でも、今次の震災や原発事故でよくわかりましたが、平時のよくある諍い事の解決方法、それこそ困ったら法律持ち出せばいいんです、本来刑法や民法やの類は係争解決のためにあるものですから。でも非常時には全く役立ちません。ごちゃごちゃ手続きの多さに改めて気付きましたからね、私達素人も。こういうごちゃごちゃ面倒くささこそが問題解決の一番大きな原動力かとの皮肉かもしれません。でも、こういう時にガツンと自分の信条述べるも首長の役目とも思うのです。法律遵守してきちんと回します、だけではあなたが選ばれた価値がないと思うのですがね。もっと言葉を尽くして、こうこうこう思うのでこうしたいと表明して、そこを議論するという形でもいいんじゃないかと思うのですがね。そうも行かないのでしょうね。同じ穴の狢さん達の集まりでしょうから。トンガリは排除されましょうから。ですね。
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