柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

百出

2024-06-21 08:25:01 | Weblog

藤井聡太、とうとうと言うか、実はまだ全冠制覇から一年経ってないのでしたが叡王陥落です。かつての羽生さんも全冠維持していたのは短期間だったのでした。新聞やTVは大報道です。失冠という表現が多いですね。相手は藤井さんを倒すならこの人だろうと目されていた好敵手らしく、それはそれでシナリオは進むわけです。なんか可哀想ですね。彼の(私たちに見せている)キャラクターがそう思わせます。憎たらしい王者じゃなかったですから。21歳で無敵になって、全員から追われる立場になってと。こう書きだすと素人はあれこれ想像を膨らますばかりです、今後も関係者やライターたちの第一人者論とかスポ根論とか百出するのでしょう、どれもこれも想像できますがね。ライバルがいればこそまた伸びていくなんて凡なストーリーに収束するのでしょうが。

 昨夜BSフジの歌謡プレミアムという番組に野口五郎と岩崎宏美が筒美京平を唄うという企画に出てました。野口五郎は私より一つ上、69才。岩崎宏美は3つ4つ下です、65がらみ。十分に年を取った観なのですが、ま、二人とも一世を風靡した元スターです。私の世代にはジャストの二人です。野口五郎は演歌でデビューしてそれが売れず、筒美京平の青いリンゴ、オレンジの雨、甘い生活などでブレイクした人。岩崎宏美はデビュー曲のデュエットからロマンスでの大ブレイク、その後センチメンタルなどずっと筒美京平の曲でヒット飛ばし続けた来歴です。で、歌うのですが、あらら声が全然出なくて。ああ、こういうプロでも、酷使したプロだからか、こんなに衰えるのかとの感心。こういうことはもちろん本人もわかっているはずです、口パクでごまかすこともできるでしょうに、その点では潔くてエラいのですが、実はこの二人のオリジナル版を(若い時の声)よく聴いてるのです、ああこんなに違うとわかってしまって。特に岩崎宏美、彼女は高い音が太くきれいに伸びるのが強みでしたが、そこが裏声でしか出ないのです。野口五郎も高い音が細く咽声になって。衰えってのは残酷です。そう思うと橋幸夫や細川たかしは声出てるなぁと。そういう感心でした。

コメント
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