柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

強欲

2013-07-13 08:25:12 | Weblog
降圧剤治験結果捏造問題で大騒ぎです。ディオバンという薬です、何度も何度もTVで連呼されますから覚えてしまった方もおられましょう、また実際に内服しておられる方もおられましょう。今朝の全国紙のコラム、産経除いてすべてで大叩きです。ま、叩き易い話題でもありますから。でも、この問題、この薬自体の危険性を隠すような重大な代物ではないのです、過大広告しちゃった、メーカーの期待(要請)に従って都合のいいようにデータを捏造して相当の結果を出して公表したというだけの話です。この薬が実は危険なものだったというわけではないのですよ、別にこの製薬会社の肩持つわけではありませんが、今飲まれている方々、心配は御無用です。過大広告とはこうです、この薬には降圧効果以外に脳梗塞や心筋梗塞を起こしにくくする役目もあります!でした。でも、こんな付属効果を宣伝する薬は他に山とありますので、実際に使う身からするとそんなおいしい話信じちゃいませんから。降圧剤の効能はあくまで降圧作用です。どこの開業医もそう考えてます。あれは嘘でした、と聞かされても、ああ、そうなの?です。そんなこと期待してませんから端から。じゃぁ何であんなこと起こったんだ?会社の要請と書きましたが、この手の薬は他に沢山あるんです、つまり競争が激しい。降圧作用だけでなく他に何か加わる効能が欲しいわけです。で、治験する大学に依頼する。たっぷり金積んで依頼する。ひとつそこんとこ頼みますよよろしく先生。おぬしも悪よのう・・の世界ですわ。で、内部告発でちょん。薬剤の治験ってこんなことなんですよ実は。危ない?危ない危ない。それ知ってますから、私達現場の医者は信じませんその手の巧言令色は。ですから、どうぞご安心ください。なんて、妙な話になってしまいましたが。今回の騒動は単純にあの大学のあの教授の不祥事です。もちろんこれによって日本のこの種類の研究の信頼性がなくなったでしょう、学会業界での影響はとてつもなく大きいですが、現場には何の影響もありません。よろしくご認識ください。
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