MEDINT(医療通訳研究会)便り

医療通訳の制度化を目指す医療通訳研究会(MEDINT)のコラム
~みんなで 医療通訳者を増やし、守り、育てよう!~

トリオホン

2006-12-20 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
私の通訳は電話での通訳が多いということは以前書きました。
同行通訳よりは患者さんも医療者も心細いだろうなぁということは理解していますが、兵庫県全域を平等にカバーし、たくさんの件数をこなすには、今のところ電話通訳がベストではなくてもベターな方法だと思っています。
その中でも力を発揮してくれるのが、NTTのトリオホンという三者通話システムです。皆さんご存知ですか?別にNTTの宣伝ではないのですが、使い勝手の良いシステムなので少し紹介します。
普通の電話は2者間の通話だけです。AさんとBさんの二人がお互いに話をしているという普通の電話の会話です。そこで基本料金(月500円)と通話料をプラスするだけ(要申し込み)で、3者同時に話せるシステム(要フック機能つき電話)にできるのです。全部の電話がトリオホンに加入する必要はありません。そのうちの中心になる一台がトリオホンであれば、他の2台は携帯電話でも大丈夫です。簡単にいえば、Aさん、BさんがしゃべっているところにCさんも入ってきて、同じ場所で同時に話している感じになります。3人ともに他の2人の声が聞こえていますし、時差もなく同時にお互いの声を聞くことができます。10年以上使っていますが、使えば使うほど電話通訳の欠点をカバーしてくれる優れものです。
少しわかりにくいので、使い方の例をあげてみましょう。患者が自分の携帯PHSで通訳に電話をかけ、通訳(*1)がトリオホンで病院の固定電話にかけます。すると、目の前にいる患者と医師の間に電話を通じて逐次通訳が出現します!医師はあくまでも患者に向けて話をしていても、声が電話を通じて通訳に届いているので、通訳はその言葉を即座に通訳し、患者に伝えます。患者は少しのタイムラグで医師の言葉の翻訳を聞くことができます。通訳は待ち時間もありませんし、必要以上の患者情報も聞いていない代わりに診療通訳に専念できます。
もちろん、これは熟練の通訳者を確保できている場合に限られます。電話通訳は、患者や医師の顔や診療の様子を見ずに通訳するので憶測がききません。当たり前のことですが、言葉を聴いてその言葉だけを忠実に訳す必要があります。また、熟練していなければ電話で外国語を聞き取るのは難しいですね。
しかし、メリットもあります。それは、通訳の拘束時間が短いことと交通費などの費用がかからないこと。患者だけでなく通訳者のプライバシーも守れることなどです。
来年2月に開催される医療通訳に関する全国大会では、この電話通訳に関する分科会が開催されます。同行サポート通訳のみならず、様々な可能性を医療通訳の中に見つけていく必要がありそうです。

*1 この場合、通訳の電話機がトリオホン対応になっています。

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