ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

人間落ちぶれれば落ちぶれるものだ

2018-06-20 00:00:00 | スポーツ

記事を。

>ベッカー氏のパスポートは「偽物」、中央アフリカ
2018年6月19日 22:33 発信地:バンギ/中央アフリカ [ 中央アフリカ アフリカ ]

【6月19日 AFP】中央アフリカは19日、英国で進められている破産手続きについて外交特権を主張している元テニス選手ボリス・ベッカー(Boris Becker)氏のパスポートは「偽物」だと発表した。

 中央アフリカの外務省首席補佐官はAFPに対して「彼が所有しているパスポートは偽物だ」と話し、文書のシリアルナンバーは「2014年に盗まれた新品のパスポート」の一つと一致するとしている。また、パスポートには外相の署名や押印はなく、AFPもコピーを確認している。

 ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)を通算3度制覇した実績を誇るドイツ出身のベッカー氏の弁護団は先日、同氏が4月に中央アフリカのスポーツ大使に任命されたことを受け、英高等法院に外交免除を求める申し立てをしていた。

 ベッカー氏は長年滞納していた借金を返済できていないとして破産宣告を受けたが、弁護団は1961年に採択された「外交関係に関するウィーン条約(Vienna Convention on Diplomatic Relations)」が適用される可能性があると主張している。

 首席補佐官は、政府記録の中に「ベッカーの職務略歴は存在しない」としている。さらにパスポートにはベッカー氏の外交的な役割は財務と記されているため、スポーツの問題と何の関係もないと話している。

 50歳のベッカー氏は4月、ベルギーのブリュッセルでフォスタンアルシャンジュ・トゥアデラ(Faustin-Archange Touadera)大統領と握手している写真をツイッター(Twitter)に投稿している。

 当時17歳だった1985年にノーシードからウィンブルドンで優勝し、男子史上最年少で四大大会(グランドスラム)制覇を成し遂げてテニス界を揺るがしたベッカー氏は、翌年に連覇を達成。輝かしいキャリアを築いて獲得賞金総額は2500万ドルを超える。(c)AFP

中央アフリカ政府の主張が100%正しいのかはわかりませんし、またこんなことに「ウィーン条約」なんて適応されるものなのかなあという疑問が生じますが、そのあたりは私も詳しくはないので議論はしないとして、人間落ちぶれればここまで落ちぶれるものなのだなという気はします。ベッカーも、かつて私が記事にした

「自分は例外だ」なんて考えないほうがいいのかもしれない(米国スポーツ選手の浪費と困窮について)

のたぐいなんですかね。そうだとしたら(たぶんそうなのでしょうが)それもどうかです。

もっともそういう意味で言えば、安倍晋三ほかが森友家計でやっている言い訳や強弁責任回避逃げなんて、ベッカー並みのひどいものだという気がします。

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東西南北をどうやって把握するか

2018-06-19 00:00:00 | Weblog

なんて話は、ネットにいくらでも転がっていると思いますが、私がいろいろ考えた方法を。昨日の記事の関連ということで。

ある方向音痴の人との会話

コンパスとかがあればそれを使うのがいいし、現実問題としてはスマートフォンのGPS機能が便利です。またスマートフォンには、初期アプリとして、コンパスも入っているはずです。

が、それで話が済まないこともあろうかと考えて、次なる方法を考えます。

手っ取り早いのは太陽の方向を観ることです。時間がわかれば、太陽の方向から逆算することは容易です。

さらに家の構造でもわかります。日本の家屋は原則的に南側を向いていることが多いので、複数の家を確認すれば、南がどちらかということは分かります。

また衛星放送用のアンテナを確認するのもいい方法です。衛星放送のアンテナは、原則南西の方向を向いているので、そこから方角を読めます。

夜では、北極星あるいは北斗七星を見つけて方角を定めるとか、あるいは家の構造やアンテナで調べるのがいいかもしれません。もっとも人里離れたところならともかく、そうでないのなら手っ取り早く地元の人に聞くのがいいかもです。コンビニとかで聞くといいでしょう。もちろん月の方角でもある程度は類推できますが、太陽よりわかりにくいのが難点です。

しかし海外では、上に書いたことのうち、家の構造とかアンテナの方角は活用できるか不明なので、そうなるとやはりスマートフォンとかを活用するのが必要ですかね。太陽の方角から見る方法も、太陽が真上に上がっているような国ではなかなか通用しません。

それでこういうことは、コンパスが使えない場合でも応用できます。たとえばドラマ(映画)のロケ地を特定する際、この知識が役に立ちます。

私が勉強させていただいている『居ながらシネマ』さんも、太陽の方向が、方角を考察するうえでの大きな手掛かりになると書いておられます。私が気づいた点でいうと、『ライアンの娘』の最初のほうのシーンで、(モハーの断崖から)傘を落としたロージー(サラ・マイルズ)が、漁に出ていて傘を拾ったコリンズ神父(トレヴァー・ハワード)と知的障害者(神父がいろいろ面倒を見てあげているらしい設定)のマイケル(ジョン・ミルズ。この演技でアカデミー助演男優賞受賞)に海岸で逢うシーンがあります。それでこのシーンでは、最初影が海方向からだいたいまっすぐに流れています。光の明るさからみてこのシーンの撮影は真昼かとおもわれますので、すると主にアイルランド西部でロケーションしたはずなので矛盾します。ディングル半島南部でロケーションしたとすれば説明がつきますが、しかし海を見ても、見えてしかるべき対岸の姿は見えない。このシーンは、南アフリカのケープタウンでロケーションされています。

そう考えると、陽光の強さや砂浜の色などでも判断の材料にもなります。また湿度その他で画面の雰囲気(画面の透き通り方など)も変わってきます。そうなると、ランドルフ中佐(クリストファー・ジョーンズ)とマイケルの海岸でのシーンが、他のシーンと雰囲気が異なることも気づくわけです。なお私は、このシーンがアイルランドでなく南アフリカでのロケであることは気づいていましたが、冒頭のシーンなどは分かりませんでした。『居ながらシネマ』さんのご指摘で気づいた次第です。

私が旅行好きなのも、映画好きであることと不可分です。映画を観て、「あ! あそこ行ってみたい!」と感じることが、旅行への大きなモチヴェーションになるというのも確かです。

前にも記事に書きましたように、最近のスマートフォンの地図機能は大したもので、ガイドブックの粗い地図だけではとてもいけないところも、非常にいきやすくなっています。それを前提として上のような知識があれば鬼に金棒です。いろいろ便利な時代になったと痛感します。

居ながらシネマ様に強く感謝してこの記事を終えます。

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ある方向音痴の人との会話

2018-06-18 00:00:00 | Weblog

いつぞやある女性と交わした会話を。

ある女性(群馬県在住)「車で東京に来たんですが、私その時池袋にいたんです」

私「はあ」

ある女性「それで西の方角に行けば群馬に帰れると思って西に向かったんです」

私「〇×△̻◇・・・?」

関東地方に住んでいれば、テレビの天気予報とかで、群馬県は東京都の北方向にある、くらいのことはわかると思うんですけどね。どうして西にあると考えるのか、さっぱり理解できませんでした。

後になって考えるに、たぶんその女性は、関越自動車道で東京に来て、それで練馬方面から東京都心(たぶんその女性にとっては、練馬は「東京」じゃないのでしょう)に入ったので、そのため「西」という印象があったのでしょう。それもどうかです。

ある女性「それでしばらくして気づいたら、新宿にいたんですよ」

私「♪↑*=~+・・・?」

どうして池袋から西に向かったら新宿へ行くのかよくわかりませんが、どっかで道を間違えたんでしょうね。

もっともその女性は無事に群馬県に帰れたようですからいいのですが、カーナビや携帯電話ほかの地図システムを活用したかどうかについては聞きそびれました。

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マカオ・香港・深圳紀行(2018年4月)(11)

2018-06-17 00:00:00 | 旅(香港・マカオ・広州・深圳)

聖ローレンス教会です。もちろん入場無料。

観光客が続々と入ります。

裏側から入ろうとしたら、ここじゃないよと注意されました。正面は別のところでした。

立派な教会です。

ここが入り口ですね。

きれいな中です。

中で女の子2人が写真を撮っていました。あるいは日本人だったかな?

教会を出ます。

すぐ近くに修道院があるので、そこを見学です。

大量の観光客が出てきます。

あまりの数に圧倒されます。理由は不明。なにかツアーでもあったんですかね?

何人かはこれから観光です。

やはりこのような中に入ると、信仰心を持たない私でも、少しは荘厳な気分になるというものです。

街を歩きます。

マカオの街並みを楽しみます。

長い列ができています。

マカオというのもいろいろ面白い街です。

いかにもアジアっぽくない街の雰囲気です。

こういったクリーム色の建物も、マカオらしいというものです。

マカオも少子化がひどいようですが、たまには子どももいます。もっともマカオの住民かどうかは不明です。

うーん、こういうあたりは、まさにマカオっぽいですね。

ここはマカオの昔の雰囲気が残っているので、観光客に人気の地区です。

 実は私も繰り返しマカオに来ているくせに、ここを歩くのは初めてです。そういうわけで歩きます。

(つづく)

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マカオ・香港・深圳紀行(2018年4月)(10)

2018-06-16 00:00:00 | 旅(香港・マカオ・広州・深圳)

さらにマカオの歴史建築物を見学します。一説によると、マカオは世界的に教会の密度が高い街だとか。

日本語の解説もあります。

まさに南欧の雰囲気です。

観光客がたむろります。日本人の団体も複数通りました。

バート・ホー・トンの図書館です。

 

中に入ります。もちろん入場無料です。

たぶん観光客がゆっくり休んでいます。

私もちょびっと休みました。風通しがいいので、割と涼しく、なかなかいいところです。読者の皆様にもおすすめです。

聖ヨセフ修道院の裏側ですが、ここからは入れません。私も、だめよと女性(だったと思います)に注意されました。

では昼食を食べることにします。

マカオも洗濯物が豪快に干してあります。

 

ガイドブックにあったこの店に行きます。1人でも入りやすい店として紹介されていました。夕食は香港で食べる予定なので、これがマカオ最後の食事になりそうです。

昨日行ったレストランなどと比べても、ぐっと庶民的な雰囲気です。

ビーフカレー(だったっけ)と

チャーハンをいただきます。

おいしくいただいて会計を済ませます。

さらに歩きます。

 パステルカラーの建物があります。ここが次の目的地です。

(つづく)

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まあつまりは、与党(自民党・公明党)の政治家も、(まともな人は)対北朝鮮対応に限界を感じているのだろう

2018-06-15 00:07:58 | 北朝鮮・拉致問題

bogus-simotukareさんからコメントをいただきましたように、面白い会が開かれたようですね。

日朝国交正常化推進議員連盟総会、10年ぶりに開催/与野党議員40人が参加

“日朝首脳会談早期実現を支持”
日朝国交正常化をめざす超党派国会議員らの日朝国交正常化推進議員連盟(以下、日朝議連)の総会が、11日、衆議院第1議員会館で行われた。総会が開かれるのは、08年以来、10年ぶり。

総会には、自民党、公明党、立憲民主党、共産党、維新の会、国民民主党など与野の各党から約40人の議員らが参加した。

日朝議連は、02年9月17日、朝鮮と日本との間に採択された平壌宣言に基づく、両国間に横たわる諸懸案の包括的解決、国交正常化の実現と地域安全保障の確立を目指すことを目的としている。

さて、連立与党の一方のトップである公明党代表の山口氏も、このような発言をしています。

>拉致問題「北朝鮮と対話の道開くチャンス」公明・山口氏

2018年6月13日17時37分

山口那津男・公明党代表(発言録)
 (米朝首脳会談でトランプ米大統領が)拉致問題を提起したという話があった。この機会をぜひいかすべきだ。当事者である日本が、北朝鮮と拉致問題解決のための対話の道を開いて結果に結びつける絶好のチャンスですので、米国の協力、あるいは韓国の協力を得ながら前進を図る。そういう政府(の取り組み)をしっかり支えて参りたい。そのうえで日朝平壌宣言にうたわれた国交正常化への取り組みにつながるよう、その対応も含みながら努力を重ねていく必要がある。(党参院議員総会で)

山口代表の発言は、トランプ米国大統領と金正恩朝鮮労働党委員長による米朝会談に基づくものですが、上の会も、その会談前日に行われているところからして、当然ながらそれにかこつけて開催されたものと考えられます。

で、私が注目したいのが、この議連のメンバーです。bogus-simotukareさんのコメントからの再引用ですが

>日朝議連の会長として、自民党の衛藤征士郎衆議院議員が、会長代行に自民党の額賀福志郎元財務相が就任。顧問には自民党の二階俊博幹事長、岸田文雄政調会長、竹下亘総務会長、公明党の井上義久幹事長が就任した。また、副会長として、石原伸晃(自民党)、河村建夫(自民党)、塩谷立(自民党)、北側一雄(公明党)議員らが、事務局長に馳浩(自民党)議員が任命された。

なかなかの大物ぞろいじゃないですか。自民党の幹事長がまず会に入っているのが興味深いですね。幹事長といえば形式的には自民党No.2、時と場合によっては総裁(首相)をリードすることもある役職です。田中角栄氏など、自分は首相より幹事長のほうが向いていたと述懐(首相としてより幹事長としてのほうが優秀だったと自民党議員が語ったという話は、立花隆著『田中角栄研究 下』にも出てきます)していたそうですが、いろいろ党務でトップになれる幹事長がこのような議連に属しているということは、首相であり自民党総裁であって政府と政権与党のトップである安倍晋三がOKを出したということです。

さらに岸田氏の名前があるのも興味深いですね。彼はポスト安倍の首相になる可能性があるし、いずれにせよ現在首相である安倍晋三の内閣で、長きにわたって外相の要職を務めていたわけです。ということは、これもやはり岸田氏なりに相当な思惑があるということですよね。

ほかにも竹下亘、石原伸晃など、自民党の実力者といっていい人たちが顔を並べているというのは、やはりこれは、安倍晋三その他も、いまのような北朝鮮対応に未来はないと考えているということではないですかね。安倍が「そんなものに参加するな」といえば、それでも参加する人はごく少数でしょう。

連立相手の公明党も、これも最高幹部である井上氏、北側氏が名を連ねています。上で引用した山口発言でもわかりますが、公明党もそれなりの意欲は持っているということなのかもしれません。

ほかにも朝鮮労働党と犬猿の仲であるはずの日本共産党からも参加者がいるとかいろいろ面白いところがありますが、とりあえず政権与党について考えてみると、やはり自民党も公明党も、拉致被害者の全員の帰国を前提とする・・・なんて話は現実性がない、このままやっていてもしょうがない、という認識では、少なくともまともな議員はあるようですね。

そんなのは当たり前であって、トランプと金正恩が会談する以前からわかりきっていたじゃんということですが、米朝首脳会談が実現したことで北朝鮮が政治的に崩壊する可能性が低くなったということを、政治家や識者ばかりでなく、国民一般もある程度は認めざるをえなくなったのではないかという判断が働いたのかもですね。よくわかりませんが。

それは正しいことだと私は思います。安倍政権がそんなに長続きするとは思いませんが、この件に関しては次なる首相にそれなりの体制を整えて引き継ぐべきです。あ、これは北朝鮮の政権を私が支持するということではないですよ。しかし国交は早急に樹立するべきだと思います。inti-solさんもご指摘のように、

>どんなに酷い政治体制であっても、その土地を合法的に実効支配している政権として国際的に承認されているものと、没交渉であり続けることは弊害が大きすぎます。

ということです。国交というのは、その国の体制を支持することを前提としているわけではない。国同士の付き合いは、そういったことを超越してなされるべきです。こういってはなんですが、1965年の日韓の国交回復後、1970年くらいまでに日朝が国交を樹立していれば(現実にはそのような可能性はなかったでしょうが、あくまで仮定で話をします)、北朝鮮も、あのような無意味で無謀な日本人拉致は控えた、あるいは規模は小さくなっていたんじゃないんですかね? もちろんレバノンと北朝鮮は国交があってそれでもレバノン人女性が拉致されたということもありましたが、またレバノン人拉致と日本人拉致は、事情や状況も違いますからね。レバノン人女性は、脱走米兵の奥さん調達のためだったと考えられます。そうすると、よど号犯人たちの奥さんたちが北朝鮮に行った(北朝鮮シンパの女性たちが、行ってみないかと誘われて、北朝鮮に渡航した模様)というのと状況は似ているのかもです。もっとも曽我ひとみさんは、脱走米兵であるジェンキンス氏と結婚したわけですが。男女カップル(アベック)の拉致ではなかった側面も大きかったのでしょう。

そのあたりは細かく議論する余裕はありませんので話を戻しますと、まあでも日本と北朝鮮が国交を締結すれば、これはかなりのビジネスチャンスじゃないですかね。聞いた話によると中国は対北朝鮮ビジネスで大儲けしているそうですから、日本がそれに参入すれば確実に金儲けができます。ていうか、そういうバーター取引で拉致被害者は日本に返ってきたんですから、それはある意味当然するべきことです。

あ、すみません。こういうことを書くと、なんで被害者の日本がそんなことしなくちゃいけないんだ、盗人に追い銭じゃんという人も多いでしょうし、それはそうだと私も思いますが、でも世の中そんな「正論(?)」が通用しないシチュエーションはいくらでもあるとだけ書いておきます。

それにしても、こういうわけのわからないことをほざく手合いがいて困りますよね。

拉致犯罪や国際テロを行い、国内で人権弾圧という言葉ではとても語れない収容所体制・密告体制を敷き、しかも麻薬から偽札まであらゆる犯罪に手を染めてきた国の大使館が、国交正常化したら治外法権の場として東京のど真ん中に置かれるのですよ。

いや、日本だって平壌に治外法権の場所を確保できるじゃないですか(笑)。また冷戦時の米ソだって国交はあったし、双方とも大使館を設置していました。北朝鮮には、拉致被害者とまではいわずとも、日本人妻、日本国籍保持者、何らかの事情で北朝鮮に滞在している日本人がいます。彼(女)らの身辺の保護と日本の権益を確保するには、国交の樹立と大使館設置は必須でしょう。

しかし国交はそう簡単に開かれないでしょうから、まずは利益代表部や連絡事務所の設置です。日中国交回復前の北京にだって日本の連絡事務所はあったし、米国とキューバだってそれがあったわけです。上の世迷言をほざいた人は、北朝鮮とかかわることはなにがなんでも絶対嫌だということなのでしょうが、そういうことをいっていても話は始まりません。たとえばこちらの佐藤優氏の記事などはどうでしょうか。

>ハバナ勤務の米国務省職員

 外交を断絶すると、「利益代表国」を指定する。外交がなくなった国と連絡を取る必要が生じた場合は、利益代表国を通じて行う。大東亜戦争中、米国における日本の利益代表国はスペインで、日本における米国の利益代表国はスイスだった。

 1980年代末、ソ連とイスラエルは外交関係を断絶していた。ソ連におけるイスラエルの利益代表国はオランダだった。オランダ大使館には、オランダ人外交官のパスポートを持ってイスラエルの外務省と秘密組織「ナティブ」(ヘブライ語で「道」の意味。ソ連・東欧からユダヤ人を秘密裏に出国させるための機関)の代表者が赴任していた。表面上、対立しているように見える国でも、裏では交渉のチャンネルを作っているという事例は多い。

 キューバに関しても、これがあてはまる。キューバにおける米国の利益代表国はスイスだ。ハバナのスイス大使館には100人以上の米政府職員(主に国務省)が勤務しているという。この話を筆者が初めて聞かされたのは、85年に外務省に入省し、情報調査局情報課で研修生をしていたときだ。先輩の課長補佐が、キューバ勤務から戻ったばかりで、「アメリカとキューバの関係は、外から見ているほど、悪くはないよ」と言って、スイス大使館の話を聞かせてくれた。外交の実態とはこういうことかと筆者は興奮した。

ちなみに上の記事での85年というのは、レーガン政権の時代であり、社会主義陣営に対して米国が強硬な立場だった時代であることも留意すべきです。またこの記事は、産経系のメディアでの発表です(笑)。

ところで、安倍が黙認か積極的に動いているかはともかく(たぶん前者?)、これ、上のようなことを主張した人たちはどう考えるんですかね。さすがに安倍に向かって怒るか、今までの態度の通例として、見て見ぬふりをするか。福島香織などは、17年に、二階幹事長の訪中について、それを容認した安倍については見て見ぬふりをして 幹事長ばかり批判するというめちゃくちゃな態度を示しましたが、安倍が中国首相を歓待して北海道へ同行したら、その件について一切ツイートすらしない始末(笑&呆れ)。こんなのどこがジャーナリストなのよ、単なる政治活動家じゃんと思いますが、福島は北朝鮮のことについては触れたがらないのかもですが、しかし右翼連中は、たぶん中国との関係改善より北朝鮮との関係改善のほうを怒るでしょうからね。公然と意見を表明するかはべつとしても、けっこう本気で不快感をもつかもですね。たとえば櫻井よしこは、このようなことをどれくらい我慢するのか? たぶん我慢するのでしょうが、いろいろ興味深いところです。

本日の記事は、inti-solさんの記事とbogus-simotukareさんの記事にヒントをいただきました。感謝を申し上げます。

コメント (12)
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何をいまさらという気がする

2018-06-14 00:00:00 | 北朝鮮・拉致問題

このブログの6月12日のアクセス数はわりと大きな数でした。

最近なかなか2,000IPを超えるのが難しく、gooでも100番以内のアクセスに入るのも大変なのですが、しばらくぶりにその中に入ることができました。

それで、一番アクセスの多かった記事がこちらです。スクリーンショットは、gooブログの編集画面です。

拉致被害者家族たちは態度が悪い

カテゴリー「北朝鮮・拉致問題」の記事はたくさんあるし、2009年に書いたこの古い記事がなぜ注目を浴びたのかは定かでありませんが、あるいは拉致被害者家族へのもやもやとした悪印象がまた出てきたんですかね。

私は今回の米朝会談をそれなりに評価したいと考えています。やはり戦争よりは平和のほうがいいので。そのための過程として、米国と北朝鮮のトップが会談するのはそれなりの意味はあるでしょう。

ただ日本の場合、どうしても拉致問題が絡んできます。これをどうにかなければどうしようもないわけですが、しかしいかにこれを引き延ばすかということにやたら熱中している人たちもいるわけです。

が、当事者である拉致被害者家族はどうなのかとみていこうかと思います。

★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2018.06.11)

>飯塚繁雄(田口八重子さん兄、家族会代表)

(略)

 日本人拉致問題ではそれとは切り離して先行してやってほしい。トランプ大統
領は明日の会談でこれをはっきり提起し、北朝鮮に対し、日本人を返すという約
束を取り付けてもらいたい。

それは無理ですよ。米国には関係ないですから。それは日本の首相である安倍が、なんとか言っておいてくれと頼めば、それはトランプも少しはそれを口にするでしょう。でもそれ以上のことはできません。だいたい日本政府をさしおいてそんな突っ込んだことはできないのは当たり前です。当事者である日本政府が動かなければだめです。

>できれば、明日日本人被害者を返す約束を取り付け、その後日朝で帰国のため
の段取りをする。そうならないとまた遠回りし、その内消滅してしまう。そうい
う懸念があるので、今回の機会を逃したら私たちの家族が永遠に帰って来ないと
いう覚悟をしなければならない。

書くこと自体は上に同じです。

それでこのような発言は、いつものものなので、特にこれといった感想はないのですが、次の質疑応答でなかなか面白い発言を飯塚代表はされています。

>問(シンガポール国営放送) ラストチャンスということをおっしゃいましたが、
今金正恩さんに一番伝えたいことは何ですか。

◆北朝鮮の国民も幸せになるようにしたい

飯塚繁雄 一言しかない。被害者を返してください。その話の周りや裏にはもの
すごい問題がいっぱいある。なぜ日本人を大量に拉致したのか。その原因につい
てあれこれ言っても始まらない。まず取り戻すことです。

 北朝鮮が日本人を返せば、それなりの見返りがある。それを誰がいうか、トラ
ンプさんが言ってくれればいいが。今まで誰も金正恩に話していない。北朝鮮は
お金がほしい。いつまでも意地を張ってはいられない。そのことに気が付いてき
たかなという感じもする。

 さらに言えば、北朝鮮が各国と共存共栄の道を選び、国民が幸せになるように
してあげたいと思います。

> 北朝鮮が日本人を返せば、それなりの見返りがある。

巣食う会と家族会って、北朝鮮への見返りというのを徹底否定していませんでしたっけ。

米国のキューバへの対応から、日本の北朝鮮への対応を考えてみる

上の記事でも指摘したように、北朝鮮が日本人拉致被害者を日本に帰したのは、つまりは日本政府が国交樹立と経済援助を申し出たからです。でなければ、たぶんいまでも拉致被害者やジェンキンスさんは北朝鮮にいます。ジェンキンスさんは、たぶん北朝鮮でお亡くなりになったということになるでしょう。

それで昨年2月に書いた記事がこちら。

祝! 拉致被害者家族が、ついに北朝鮮への「見返り」「対価」を考えることにした!

つまり当時のNHKの報道を引用すれば、

>拉致被害者家族が新方針 制裁解除など「見返り」に初言及

2月19日 19時14分
北朝鮮に拉致された被害者の家族らが、新しい活動方針を話し合う会議を開き、ことし事件発生から40年が経過することを踏まえ、制裁の解除などの見返りも条件に、拉致被害者の早期帰国を最優先にした交渉を進めるよう政府に求めていくことを決めました。
およそ1年ぶりに開かれた会議には、拉致被害者の家族や全国の支援組織が出席し、家族会代表で田口八重子さんの兄の飯塚繁雄さんが「家族会が結成され20年になりますが、これは単なる節目ではなく20年たってしまったことが問題です。早く解決すべく総力を挙げるときだと思います」と話しました。

拉致問題は、ことし発生から40年、被害者の家族会が結成されて20年の節目の年となりますが、依然こう着状態が続いています。
会議では、こうした現状を踏まえ、北朝鮮との間で、すべての拉致被害者の早期帰国を最優先にした実質的な交渉を進めるよう政府に求めていくことを決めました。

そして交渉にあたっては、北朝鮮指導部に被害者を帰す意思があるか見極めたうえで、経済制裁の解除や残された被害者が帰国しても北朝鮮で見聞きした秘密を話さないなど見返りや条件を示すことも可能だとしました。

新しい活動方針は、発生から長い時間が経過し帰国を待つ家族の高齢化が進むなか初めて「見返りの提示」に言及し、これまで以上に戦略的な取り組みを政府に求めるものになりました。

(後略。全文を読みたい方は、上の記事を確認してください)

それで私は、

ところで上の写真に西岡が写っていますが、西岡という人物はいわば狂信的な反北朝鮮の人間ですから、こういうことには絶対反対すると思うんですけどね。彼と付き合いながら、そのような方針転換をするのか、可能なのか。今後、西岡ばかりでなく荒木和博、櫻井よしこといった極端な反北朝鮮の人間と付き合いつづけるのか。付き合い続けることと制裁を考え直すということが両立するのか。私なりに見守っていき、そして適宜記事を書いていきたいと思います。読者におかれましても乞うご期待。

と書きましたが、家族会が西岡みたいな人間と縁を切ったということはないですよね、現状。また上の記事でも指摘しましたように、ほんとに北朝鮮への見返りありと考えるのなら、まずは蓮池透さんに陳謝したうえで家族会に復帰することを申し出るべきでしょう。まあでもしないでしょうね、きっと。したら少しは家族会を見直します。

それでこれも前に

そもそも論として、横田さんたちと「巣食う会」「家族会」がいまさら関係があることすら変な話だ

という記事で触れたように、横田さん夫婦が、モンゴルでお孫さんらと会った時点で、家族会は横田さんたちを処分(?)するか追放するか、さもなければ巣食う会と縁を切るなり透さんに謝罪するなりするべきですよねえ。そういったことが、知られる限り見えないのは、つまりは横田さんたちを抱えておくことが運動の上で有利だと判断しているということでしょうが、本来なら横田さんたちが会を出るべきでしょうに。でもあの奥さん、巣食う会や家族会でちやほやされていることがものすごく心地よいんでしょうね(笑)。こういった組織に精神依存していて、透さんみたいに自分なりに嫌われても仕方ないと考えられる人間ではないのでしょう。それもどうかです。

それで奥さんがこの記者会見で何を言っているかというと、こういう始末です。

>横田早紀江 主人は入院していますが意識ははっきりしています。飾ってあるめ
ぐみの写真を見ながら、「もうすぐ帰ってくるかもしれないから、それまではが
んばらなきゃだめですよ」と言っています。

要するに非常に体調がお悪いということですね。これもかつてこんな記事を書きました。

どうやら横田滋氏は、外に出るのも大変な状態のようだ

上の記事を書いたのは2016年10月ですが、さらに相当状況はよろしくなくなったようです。自分の記事の大量コピペもよくないかもですが、引用します。

>そうなると、こういうことを書くのもあまりうれしくないですが、もう横田滋さんは、お孫さんやひ孫さんとお会いするのも厳しいでしょうね。お孫さんたちが日本に来れれば会えますが、それは現状不可能もしくはそれに近いでしょう。

しかしそうなるとですよ、これは、横田さんの奥さんはともかく、お孫さんに会いたいとずっと希望していたと伝えられている滋さんに、確認できる限りで1度しか会うチャンスが与えられなかったというのは、滋さんが非常に気の毒だし、また会わないように働きかけた連中の理不尽さに怒りを覚えますね。

だいたい会っちゃえば会っちゃったで、別に何でもないじゃないですか。まあ私は前にも書いたように、横田さん夫婦がお孫さんたちとあった時点で、お二人は巣食う会と家族会とは縁を切ればいいと思いますが(巣食う会と家族会は本来別組織ですが、現状一体のようですから)、理由はともかく現状縁は切っていないわけです。それならさっさと会っていれば、滋さんの体調がいい時期に繰り返し会うことも可能だったわけです。

これも前に指摘したように、本来なら、お孫さんと(第三国でとはいえ)会った横田夫婦を、巣食う会も家族会も、口を極めて非難するのが筋であり、家族会から追い出すのが筋なのですが、別にそういう事態にもなっていない。それはなぜかと考えれば、つまりはこの夫婦への利用価値を見出しているということなのでしょうね。ほかの拉致被害者家族より、少女を拉致した北朝鮮の非道さを攻撃するのに格好というわけです。

しかしこれ実に愚劣な光景ですよね(呆れ)。横田の奥さんが最終的にどう考えていたのかというのは、当方にはわかりにくいところがありますが、滋さんはお孫さんと会いたがっていたということはいろいろ報じられていました。つまりは奥さんが反対していたから会えなかったということではないかと思いますが(その他の人も反対したでしょうが、最終的には奥さんの反対がすべてだったのだと思います)、滋さんは「いや、お前は反対でも自分は絶対会いたいのだ」といって、奥さんの反対を押し切れる人間じゃなかったのでしょうね。私みたいに、基本的に自分のしたいことを通す人間からすれば、そういう優柔不断さってすごい人生で損じゃないのと思いますが、まさに滋さんは損をしたと思います。それで、では会うと最終的に決定すれば、別に巣食う会だって家族会だって、それを阻止する手立ては(当然ながら)ないわけです。外務省だって、「会うな」とは言わない。これも当たり前です。それを言う権利は、日本政府だってありはしない。会いたいといえば、いろいろ協力だってするわけです。

つまり滋さんは、我慢して損をしただけです。なんとも救いがありません。で、なぜ横田さん夫婦がお孫さんに会おうとしなかったといえば、以下私の想像ですが(たぶんそんなに間違ってはいないでしょう)、西岡力とかが大要「北朝鮮の現体制はすぐ崩壊するから、いま会わなくても大丈夫だ」くらいの話を言い続けたんじゃないんですかね。で、それを信じたかどうかはともかく、横田さんたちはその通りにしたのでしょう。それで、最終的に、北朝鮮崩壊なんて話は見通しが立たないという考えにならざるを得なくなって、巣食う会その他に内密にしたままお孫さんたちにあったのでしょう。

そもそも論として、そんなの秘密にする必要もないのですが、秘密にしたということは、巣食う会、家族会から妨害工作があると予想したということでしょうし、たぶんそれは正しいと思います。そういう連中と、お孫さんたちと会った後も関係を続けるというのも何とも不審な話ですが(だって要するに、全然信用していないということじゃないですか)、奥さんはともかく、滋さんはお孫さんと会わなかったことを非常に後悔しているのでしょうね。つまりは、滋さんはいいように政治運動に利用されただけです。ご当人に問題がないとは言いませんが、しかしいずれにせよ気の毒です。

で、以下これも私の勝手な想像ですけど、しかし多分そうなると私は確信していますが、大変残念な結果として、滋さんがお亡くなりになったら、きっと巣食う会、家族会、奥さんほかの人たちが、北朝鮮非難の大合唱をするでしょうね。私も北朝鮮の非道さを認めるのはやぶさかじゃないですが、でも滋さんがお孫さんとろくに会えなかったのは日本側の問題です。しかも日本政府の責任ですらない。巣食う会その他が、あてにならん情報を吹き込んで、滋さんの会いたいという意思を邪魔したということです。これまたひどい話です。

それでですよ、関係者は、その点について「滋さんに申し訳なかった」みたいな談話を出しますかね。これも私の想像ですが、たぶんそんなものは出ないでしょうね。出たら、多少は、巣食う会と家族会を見直しますが、たぶんそういうことはないでしょう。そう考えると、横田滋さんという人は、本当に徹底的に救われない人ですね。外国政府から娘さんを拉致されるという非道なことをされ、さらには支援すると称して政治運動に徹底的に利用されつくされたのですから。救いがないにもほどがあります。それで奥さんみたいには政治運動に悪乗りできず、滋さんは非常に苦しんだのでしょうね。気の毒にもほどがあります。死んでからも、徹底的に政治運動に利用されることが目に見えているのですから。それにしても、本当に北朝鮮の拉致というのは愚劣で非道ですね。ここまで様々な人間を苦しめ迷惑をかけるのですから、ひどいにも程があるというものです。

>で、以下これも私の勝手な想像ですけど、しかし多分そうなると私は確信していますが、大変残念な結果として、滋さんがお亡くなりになったら、きっと巣食う会、家族会、奥さんほかの人たちが、北朝鮮非難の大合唱をするでしょうね。

という光景を見たくもないですが、でもどうもなあですね。何をいまさらのことを一向に認めないからこういうろくでもない事態になるのです。まったく無様で無残な光景です。

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司馬遼太郎の文章もどうかと思うが、産経新聞の牽強付会に(いつものことながら)呆れる

2018-06-13 00:00:00 | 書評ほか書籍関係

別にこのカテゴリーが妥当ということもないのかもですが、「社会時評」というほどでもないので。

だいぶ以前の記事ですが、産経新聞の記事に、こんなものがありました。2016年2月14日の記事です。

>「やっぱり、お前らは、武士じゃない」架空会見で竜馬が学生運動家を喝破 司馬遼太郎さんが教える「歴史に学べ」 論説委員・鹿間孝一

>大阪発行朝刊に山野博史関西大法学部教授が連載している「司馬さん、みつけました。」に興味深い記述があった。

 山野さんは司馬さんのあまり知られていない原稿を発掘するため、古い産経新聞をマイクロフィルムで閲覧していて「新発見が叶った」という。

 その一つが昭和38年1月3日付朝刊の「英雄の嘆き-架空会見記」である。山岡荘八、武田泰淳、三島由紀夫というそうそうたる顔ぶれで、司馬さんは坂本竜馬と全学連のメンバーとの架空会見を書いている。

全学連との架空会見

 〈「わしは、な、諸君」と竜馬はいった。

 「全学連もええし、六本木にたむろしちょる不良どもも、ええと思うちょる。若さというもんは、所在ないもんじゃ。しかし、おなじ始末におえぬエネルギーなら、もっと利口なことに向けられぬものか」

(中略)

 「全学連諸君」竜馬がいう。「お前(まん)らが、わしら維新で働らいた連中とちがうところは、命が安全じゃ。命を賭けずに論議をし、集団のかげで挙をはかり、つねに責任や危険を狡猾に分散させちょる。やっぱり、お前らは、武士じゃない。これはくわしくいいたいが、時間がない。もそっとききたければ高知郊外桂浜まで、足労ねがおう」(後略)〉

なお上の引用文の「(中略)」「(後略)」も原文のままです。

それで鹿間は

>前置きが長くなったが、本題は過去ではなく現在である。

 昨年、安全保障関連法に反対する国会前のデモで「SEALDs(シールズ)」が脚光を浴びた。安倍晋三首相を「バカか、お前は!」と呼んだリーダー格は、時の人のようにテレビの討論番組や集会に引っ張りだこになった。学生団体とされるが、若者が多いものの従来の学生運動とはどうも異なる。

 ここしばらく政治に無関心だった若者が、どこからともなくデモに加わった。1強多弱の政界にいらだっていた一部のメディアは「これが市民の声」「デモが日本を変える」と持ち上げ、野党も選挙を視野に連携を模索している。

と書いています。

シールズというのも今となってはなつかしいものがありますが、それはともかく。

あの・・・全学連とシールズじゃ、性質も規模も歴史的位置づけも全然違うじゃないですか(苦笑)。時代背景も事情も状況もあまりに違いすぎて、一緒に論じることなんかできないでしょう。

司馬が全学連を批判したからといってシールズを批判するとは限らないし、またその批判が妥当かどうかという問題もあります。だいたいこの司馬の「架空会見」て、やっていることは、「幸福の科学」の「ナントカの霊言」てやつと同じじゃないですか。幸福の科学なら馬鹿にするが、司馬ならっていうのもどうかです。いや、産経は幸福の科学とはいい関係にあるんでしたっけ?

お前たちだってここの宣伝をしたろ

もちろん幸福の科学は、霊言を事実であると主張していますが、司馬は冗談で書いているだけです。それはそうですが、これって新発見とわざわざ書いてあるということはつまりは全集などにも収録されていなかったということでしょう。ということは、司馬としても、とても自慢できるようなものではないってことじゃないですかね。あるいは、書いたことすら忘れていたのか。そのあたりの事情はつまびらかでないですが、どちらにせよ司馬も司馬のスタッフ(文藝春秋の編集者ほか)も、とても評価できるようなものではないと認識しているということかと思います。むしろアンチ司馬が、「ほれみろ、司馬なんてこんなものを書くような野郎じゃないか」と司馬攻撃の材料につかうようなものでしょ、これ。

私はこの司馬の文章を引用部分以外読んでいないので、その内容について論じることはできませんが、そもそも論として、この司馬の書いた記事って、当代の大小説家が複数執筆して、しかも正月の発表ということからして、お遊び企画の正月記事でしょう。司馬もたぶん本気で書いたわけではなく、まじめに議論するようなものではおそらくない。書誌学的な研究や(山野教授は、政治学者であり、書誌学者でもあるとのこと)司馬研究のための発掘ならともかく、産経新聞が左翼(?)攻撃の材料として使うようなものじゃないでしょうに。こんなもの発掘されたら、正直司馬もその関係者も迷惑でしょ、きっと。

さてさて。その山野氏の連載をまとめたという本が過日出版されまして、私の住む自治体の公共図書館にも入りましたので、さっそく予約して読んでみることにしました。

司馬さん、みつけました。

当該記事は、P.15から3ページ分です。で、山野氏の考えでは、これはちょうど司馬が産経新聞で『竜馬がゆく』を連載していたので、その読者サービスの一環という意味合いもあったのではないかとのこと(というのは、やや私が意訳した書き方ですが、趣旨は間違っていないと思います)。

>元の職場での最初の長丁場であっただけに、道すがら求めに応じて、おあいそしているにちがいない、とにらんだ。

 執筆活動が盛んになるに従って、全国紙での新年のご祝儀がわりの寄稿依頼がふえ出している気配に注目し、正月松の内に焦点を絞っての探索開始となった。

そのあとの山野氏の文章は、この架空会見記とあともう1つ1965年の正月記事を見つけたことを説明した上で、最初に65年の記事を紹介して、次が63年のくだんの架空会見記の紹介です。執筆者と題目を紹介した後、山野氏はこう書いています。

>お目当ての貴重な一文、勘所のみの抄録となるが、笑って許されたい。

で以下、産経の記事に引用された部分が紹介されて、終わりです。つまり山野氏は、この記事についてなんら感想を述べていないのです(笑)。論評するだけ野暮と考えたのでしょう。

>笑って許されたい。

とわざわざ書いているわけで、山野氏の考えも、お遊び企画の冗談記事という位置付けなのだろうなということはわかります。つまり、山野氏は(当然ですが)シールズなんてかけらも書いていないわけです。産経の記者が司馬にかこつけただけです。こんな程度のものに、産経の記者は、むりやりシールズだなんだとめちゃくちゃなこじつけをしたわけで、予想されたことですが、いつもながらの産経メソッドです(苦笑)。全共闘あたりならまだしも、シールズはないでしょう(笑)。

司馬の文章もろくでもないですが、そんなものに乗っかって、こんなめちゃくちゃな牽強付会をする産経新聞というのも、何をいまさらながらすごい(もちろんほめていません)新聞だなと改めて考えて、この記事を終えます。なおこの記事は、bogus-simotukareさんの記事、その記事に投稿されたブリテン飯さんとbogus-simotukareさんのコメントを参考にしました。また内容が私がその記事に投稿したコメントとだいぶ重なっていることをご了承ください。

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とある街で見かけた光景

2018-06-12 00:00:00 | フォトログ

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何回も同じことを書くが、重罰を(犯行時に)恐れない人間の犯罪はどうしようもない

2018-06-11 00:00:00 | 社会時評

同じような記事を繰り返し書いていますが、この事件も怖いですよねえ。

>新幹線のぞみ車内で切られ1人死亡、2人重傷 男を逮捕
2018年6月10日01時54分

 9日午後9時50分ごろ、神奈川県の新横浜―小田原間を走行中の東海道新幹線東京発新大阪行き「のぞみ265号」の車内で、刃物を持った男が乗客に切りつけた。神奈川県警小田原署によると、男性1人が死亡、20代の女性2人が重傷を負った。県警は、いずれも自称の無職小島一朗容疑者(22)=愛知県岡崎市=を殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。「むしゃくしゃしてやった。誰でもよかった」と話し、容疑を認めているという。署は無差別的な犯行とみて調べている。

「むしゃくしゃしてやった」新幹線3人死傷、容疑認める
「殺される」「逃げ場がない」新幹線3人死傷、車内騒然
 県警や消防によると、被害者の3人はいずれも首などを負傷。重傷の女性の1人は腕や肩なども刺されていたという。のぞみ車内で非常ブザーが押され、緊急停止し、小田原駅まで移動した。警察官が駆けつけると、小島容疑者は刃物を持って男性乗客にまたがるようにしゃがみ込んでいたが、警察官にうながされて無言で立ち上がったという。現場には別の刃物も落ちていたという。

 ツイッターなどでは、床に血痕が点々と付着した写真などを乗客とみられる人たちが投稿している。

 新幹線の車両内では2015年6月、乗客が死亡する事件が起きている。神奈川県を走行中だったのぞみの車内で、男が自分にガソリンをかけて火を付けた。男のほか、巻き込まれた女性1人が死亡し、28人が重軽傷を負った。

死亡した方については、こんな情報もありますね。

> 12号車の後方にいて、犯行の様子を目撃した兵庫県明石市の女性(31)によると、容疑者は女性の4、5席前の2列シート通路側に座り、犯行直前に突然立ち上がり、刃物のようなものを隣席の女性に無言で振り下ろした。その直後、男性が止めに入り、容疑者ともみ合いになり、容疑者が刃物で男性に迫っていたという。

 また16号車に乗っていた男性会社員(53)によると、犯行後に逃げ込んできた女性客が「『やめろ』と止めに入った男性が切られた」などと話していたという。

もしそうだとすれば(そうでなくても当然ですが)本当に気の毒ですね。お悔やみを申し上げます。

新幹線で起きた危険な事件というと、上の記事でも触れられている数年前の放火事件を思い出します。私も次のような記事を書いています。

中国では、地下鉄でもX線検査によるセキュリティチェックをしているが・・・

記事のタイトルにもあるように、中国では地下鉄もX線検査ほかのセキュリティチェックをしています。インドのコルカタの地下鉄もそうだし、バンコクの地下鉄も同様です。しかし日本の通勤鉄道は、これらの国々をはるかに上回る混雑ぶりですからね。中国は、地下鉄ばかりでなく日本の新幹線に当たる高速鉄道なども当然セキュリティを厳しくしていますが、日本の新幹線のとりえはそういったことのない簡便さだし、新幹線にそれなりのセキュリティを導入しても、不便なだけで実効性が薄いということになりそうです。それともこれは一歩を踏み出すのでしょうか。

私のような素人が個人的な意見を述べるだけでなく、識者の意見を引用します。昨日(6月10日)のNHK夜の7時のニュースに出てきた学者の意見を。

セキュリティチェックの関係では、だいたい私と意見が同じですね。この教授が仰せのとおり、できることは警備員を駅と車内により多く設置するくらいのことが関の山じゃないですかね。

事件のあったのは、新大阪への最終列車で、当方も週末などに乗ることもあります。さすがにこのような事件に遭遇する可能性は低いとしても、上の放火事件もふくめて、新幹線のような閉鎖されたところでそんなことしなくてもいいだろうと考えますが、やはり犯人からすれば、なぜだか知りませんが、新幹線車内のようなところで犯行をしたかったんでしょうね。でなければ、そんな逮捕確実な場所でこんなことはしないでしょう。

それでどうもこの犯人には、入院歴があるようですね。毎日新聞より

> 小島容疑者は自閉症と診断され、昨年2~3月には岡崎市内の病院に入院していた。

自閉症で入院というのも、これも事実関係がどういうことなのかよくわかりませんが、ある程度精神状態が悪かったということでしょう。今年になって家出をしたそうで、その間どうやって暮らしていたかも現状つまびらかでありませんが、そんなに過去粗暴な人間だったとも伝えられていませんね。ちょうど10年前にあった秋葉原の事件の現死刑囚も、事件以前にそんなにひどい粗暴だったわけでもないようですから、あるいは臨界点が来ちゃったのかもしれません。

さて、これまた世間を驚かせたこの事件はいかがでしょうか。

>追跡
名古屋・漫画喫茶刺殺 凶行、流浪の果て 「職就けずいらだち」

毎日新聞2018年5月27日 中部朝刊

 名古屋市中区錦3の漫画喫茶で愛知県尾張旭市の銀行員、大竹智之さん(35)が刺殺された事件で、殺人容疑で送検された無職、稲田府見洋(ふみひろ)容疑者(22)は事件の1カ月前から各地を転々とし、名古屋市に来てからは漫画喫茶で寝泊まりしていた。接見した弁護士に「職に就けずにいらだっていた」と事件当時の心境を話しているが、被害者への謝罪や反省の言葉はないという。【井口慎太郎】

 事件は17日午後8時20分ごろに起きた。ビル9階の店内で稲田容疑者は二つ隣のブースの扉をいきなり開け、言いがかりをつけて、大竹さんを果物ナイフで襲ったとされる。

 接見した弁護士によると、稲田容疑者は幻覚や幻聴の症状があり、20歳の頃に統合失調症と診断された。医師から毎日の薬の服用を指示されていたが、最近は飲んでいなかったとみられる。「自分は病気じゃない。親に薬を飲まされるのが嫌だった」と話した。

(後略)

22歳容疑者を鑑定留置 名古屋地検
毎日新聞2018年6月1日 19時59分(最終更新 6月1日 21時24分)

 名古屋市中区錦3の漫画喫茶で愛知県尾張旭市の銀行員、大竹智之さん(35)が刺殺された事件で、名古屋地検は1日、殺人容疑で送検された無職、稲田府見洋(ふみひろ)容疑者(22)の責任能力の判断に向けて鑑定留置を請求し、名古屋地裁に認められた。9月10日まで。

 地検は、供述に矛盾があり動機も判然としないため、事件当時の精神状態などについて専門家に鑑定を依頼することとした。責任能力の判断材料とする。

 稲田容疑者は5月17日午後8時20分ごろ、ビル9階の店内で二つ隣のブースの扉をいきなり開け、言いがかりをつけて大竹さんを果物ナイフで襲ったとして逮捕された。

 愛知県警によると、稲田容疑者は逮捕後に「むかつくことがあり、誰でもいいから刺してやろうと思っていた」と話し、凶器のナイフは「1週間ほど前に拾った」と供述した。しかし、捜査関係者によると、ナイフは4月に岡山県の量販店で購入したとみられる。

 接見した弁護士によると、稲田容疑者は統合失調症の診断を受けていた。事件当時に関して「職に就けずにいらだっていた」と話したという。【野村阿悠子、井口慎太郎】

上の記事での後略の部分でも関係者の談話がありますように、このような営業をしている店舗で、利用者の荷物チェックをするというのも現実的でありません。たいていの人間は嫌がってその店に悪い感情を持つのではないですかね。いずれせによ実行はできそうにない。名古屋の事件の場合、統合失調症だからといって刑事責任が免責されるかはわかりませんが、新幹線といい漫画喫茶といい、犯人たちは少なくとも犯行時は、自分の逮捕後のことなど何一つ考えなかったのでしょうからねえ。その瞬間に頭がブラックになると、正直どうしようもありません。刑事責任の問題や、道徳的な意味合いはまた違いますが、刑罰がその人の犯罪を押しとどめるものにならず、そして犯罪が、上の2件のような極めて重大な犯罪となると、これはいつもの結論になりますが被害者は運が悪いの一言に尽きますね。鉄道会社や漫画喫茶経営者側に管理責任があるわけでもないし。また、名古屋の事件では、犯人は統合失調症の診断を受けていたにもかかわらず服薬を拒否したというのも考えさせられますね。措置入院でもさせて、無理やり治療すればですが、その時はそこまでひどくはなかったのかもだし、自分で勝手に自己診断して服薬しないのではお話にもならないにもほどがあるというものです。

前にこんな記事を書きました。

どうもねえ(3)(追記あり)

で、その記事で取り上げた方も、

>近畿大学教授時代にハラスがひどかったわけですが、一年間の休職期間中に近大医学部人見教授に一年間診療していただきました。先生は近大医学部の精神科の主任教授です。

>近大医学部精神科に月二回通いなさいと要請されました。

という状況だったにもかかわらず

>私自身、よくこんな状態で発狂もせずに生き続けているなと思います。

>不思議なことに自殺する気が起こらず発狂もしていきません。

と自分では主張しています。医者にも通わなくなってしまったらしい。このような事例は、少なくないと思います。この方は、自分のHPなどでかなり物騒な発言をしています。現段階なにかが起きたという話は聞いていませんが、私としてはトラブルがないことを祈ることしかできません。

それで、事件の重大さは違うし、また統合失調症とも違いますが、こちらの件はいかがですかね。私もいくつか記事にしています。

これはなかなかすごい記事だ(江川紹子執筆の窃盗癖についての記事)

あらためて窃盗癖(クレプトマニア)の怖さに驚愕する(3月5日更新)

それで江川紹子が、この元マラソンランナーが群馬で起こした万引き事件での裁判について記事を書いています。被告人が万引きをしたという際の供述部分を引用します。

>実行行為は「よく覚えていない」

 今回、起訴された事件は2月9日夜。レンタルDVDを返却しに出掛け、その帰りにふっと「明日から3連休だから、その間の食べ物を買っておきたい」と思った。家には、すでに食パンなどもあったが、やたら食べ物を貯め込みたがるのは、摂食障害患者の特徴の1つ。太田市内のスーパーに入り、お菓子コーナーでキャンデー1袋とクレープクッキーを2袋を手に取り、上着の中に隠した。そのまま、パンコーナーに移り、半額セールになった食パンや菓子パンなどをいくつもカゴに入れた。

 お菓子をとった瞬間は、「目の前が、雲がかかるように白くなって、視角が狭くなった」という以外よく覚えていない、という。カゴが体に触れた時、がさっという音がしてハッとし、お菓子をカゴに入れて精算しなければと思ったが、周囲の人がみな自分のことを見ているようで、その実行するタイミングをはかりかねていた、と説明する。防犯カメラによれば、その時間は約15分。その間、そこにいる人たちが、口々に「原裕美子よ」「万引きした人ね」と言っているように聞こえた。本当にそう言われたのか、彼女の頭の中だけで響いたのかは、分からない。そこへ、店内の私服警備員の女性が声をかけ、事務所に連行した。

窃盗癖で万引きする人というのは、万引きする際に頭の中に霧がかかるとかブラックになるとかいう話をすることがあります。彼女は万引きで有名になっちゃったし、裁判でも執行猶予付きの懲役判決だったわけで、こんど逮捕されたら実刑になっても文句が言えません。が、でも犯行をしちゃったときは、そういったことをすべて超越して犯行をしちゃうのですから、これまたどうしようもないですね。懲りないとかなんとかいう話じゃないでしょ、これ。お話にもなりません。こういう話は、目黒区の虐待事件にも、ある程度つながる部分もあるかと思いますが、この事件については別に記事を書きましょう。

書いていて思いっきり鬱になりました。今日の記事はここでやめます。いずれにせよ、犯行時に重罰を恐れない人間というのは、事実上(一時的であるにせよ)怖いもの知らずです。どうしようもありません。

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