ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

堀ちえみ主演の大映ドラマ『スタア誕生』が、本日(5月8日)からCSで放送される(追記あり)

2023-05-08 00:00:00 | 映画

スタア誕生 前編 [DVD]

1985年に製作されてフジテレビで放送された大映テレビ製作のドラマ『スタア誕生』が本日(5/8)からCSのホームドラマチャンネルで放送されます。堀ちえみ主演です。

大映ドラマも、TBSのドラマは、CSで定期的に再放送されるのですが(人気のある番組が主でして、マイナーな作品はそうはしてくれないのが難)、フジのは不定期の放送なのでより見るチャンスが少ないので、これはいい機会です。

写真は、ホームドラマチャネルの、上にリンクしたページより。

堀ちえみは、『スチュワーデス物語』の成功で大いに話題となり、これが1年ぶりのドラマ出演となりました。私もこのドラマは断片的にしか観ていないので、あまりこれといったことが言えないのですが、出演者が 国広富之、  梅宮辰夫下川辰平坂上二郎宮崎達也といった大映ドラマの常連さんが多いし、また周りを彩る女の子も、坂上亜樹(二郎さんの娘さん)、比企理恵山本理沙などこちらも大映ドラマの常連さんです。ドラマのテイストも、堀ちえみがやたらひどい目に合うというコンセプトで、反響が大きく26回の放送予定が2回伸長して28回になったくらいです。フジもよほどこの成功に気を良くしたようで、翌年の同じ時期に『花嫁衣裳は誰が着る』を製作、これは、 伊藤かずえ松村雄基高橋昌也、 岡田奈々(もちろんAKBの人じゃないよ。念のため)、 名古屋章原知佐子初井言榮らの大映ドラマ黄金時代を彩った俳優たちの総出演といった感があります。これで宇津井健さんでも出てくれれば完ぺきだったんだけどな。こちらも6月に放送されます。原知佐子の堀ちえみへのいじめ(仕打ち)が話題になりました。彼女は、Wikipediaでも

>1970年代に山口百恵がヒロイン出演した「赤いシリーズ」での強烈なイビリ役で有名となり、一連の大映ドラマに欠かせない名脇役として活躍。

と書かれています(注釈の番号は削除)。ご自身

>アイドルをいじめるのは私の必殺技だったわよ。同じ大映ドラマでは堀ちえみの『花嫁衣裳は誰が着る』(86年、フジテレビ)でも、徹底的にイビる伯母を演じていたし

語っているくらいです。訃報記事でも、「赤いシリーズ」での演技が代表的な役柄として紹介されていました。

それはともかく、フジテレビもよく大映テレビと共同制作してこれらのドラマを作れたなと思います。どうしても「TBSのパクリじゃん」とか言われるわけで、これはプライドを捨てたというところもあったのかもですね。それで成功したのだから、賭けに勝ったということなのでしょう。なお『花嫁衣裳・・・』も、6月から放送されるとのことです。またソフト化されていない筒井康隆原作の珍品作品『家族八景』も放送されます。86年の単発ドラマで、これも大映ドラマです。5月21日の放送です。

『家族八景』はどうだか知りませんが、『スタア誕生』と『花嫁衣裳・・・』は、いまはなきフィルム撮影のドラマです。やはり大映ドラマは、フィルム撮影に限りますね。VTR撮影よりもフィルムのザラっとした雰囲気が大映ドラマの野暮ったい雰囲気にぴったりマッチします。大映テレビは、1990年放送の『スクール・ウォーズ2』でフィルム撮影から撤退しましたが、やはりそれ以降の大映ドラマは往年のしつこさや面白さに欠けるような気がします。これは時代の変化など仕方ない部分も多いと思いますが、大映テレビの本体だった大映も、けっきょく倒産して、大映テレビはその倒産直前に分社化して、会社の存続が可能だったわけです。

いずれにせよ非常に楽しみですね。視聴環境のある方は、ぜひご覧になってください。

記事発表日の追記:bogus-simotukareさんが、この記事に関連する記事を書いてくださいました。

原知佐子について改めて書いてみる

その記事を読んでいてあらためて感じたところを書きますと、私の過去記事と関係するような気がしますね。

うまい役者は、善人を演じればほんとに善人、悪人を演じればほんとに悪人に思える

私がその記事で取り上げたのは、記事執筆時直前に亡くなった 市原悦子原田美枝子、あるいは小林薫らでして、彼(女)らからすれば善人も悪人もいくらでも演じられますが、しかし世間では、市原悦子は、のぞき見が好きな人間に思われがちだし(「家政婦は見た!」シリーズのため)、原知佐子は、やはり百恵や堀ちえみをいじめた嫌な奴というイメージが強くなっちゃいます。強烈な役の印象が残りやすいのは当然な話。かつて、私が中原丈雄に『元カレ』が印象的だったという話をしました。それが強烈だったからですが、中原氏はいい顔をしませんでした。悪いことをしてしまいました。そしてbogus-simotukareさんもお書きになっているように、原自身売春婦上がりでいじめられる女性を演じていました。田中絹代監督の『女ばかりの夜』です。彼女からすればそんなのはお手の物でしょうが、そもそも山口百恵や堀ちえみには、他人をいじめる役のオファーは来ないわけです。

>『女ばかりの夜』での原が「ブログ記事」を読む限り「大映ドラマの女ヒロイン的役柄(いじめられる悲劇のヒロイン)」らしいのには苦笑します。

というbogus-simotukareさんのご指摘が、まさに当てはまるということなのだと思います。また秋野暢子は百恵をいじめる役を演じたので、母親までが災難をこうむったとのことです。その記事で引用した原に岸恵子が語ったという話を。

>あんたは言いたいことを言って、ストレスのたまらない役だからいいわね。私みたいに全部、いい人で通すのもつらいのよ

俳優も、自分の演じた役を恥ずかしがることもあるらしい(2)


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2 コメント

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Unknown (bogus-simotukare)
2023-05-09 20:08:16
 「元カレ」は見ていませんが、中原氏と言えば、フジ「白い巨塔」で、浪速大学教授選挙で「弟子(石川大学医学部教授:沢村一樹が演じ、彼自身はそれほどの野心家ではない)を浪速大学教授に送り込もう」「ライバルの財前助教授(唐沢寿明、その後、教授選挙に勝利)を打倒しよう」と暗躍する姿(東都大学医学部長役)が小生的に印象に残っていますが、そういうことを言うとやはりあまりいい顔をされないんでしょうか?(苦笑)。
 ツイッターでも
https://twitter.com/yosinotennin/status/795854590319042560
 中原丈雄さんで印象に残る役のひとつが、唐沢寿明さん主演の「白い巨塔」。東教授(石坂浩二)に「フッ、甘いお方だ」と露骨な嘲笑を浴びせた、東都大・船尾教授。
(その後、東教授のブチ切れ場面あり、すっごく精神的にキツイシーン)
https://www.youtube.com/watch?v=TXSlSBqBhf4
と言う指摘がありますが(東の方が実は先輩なのだが、政治工作下手で、学会、政府審議会等の目立った役職に就けない東と違い、そうした役職に多数就いている船尾が完全に東を「無能」として見下してる、それに「先輩を馬鹿にするのか!」といえない東が鬱憤を募らせてるという設定です)。
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>bogus-simotukareさん (Bill McCreary)
2023-05-09 21:27:57
「元カレ」での彼は、いばりくさってセクハラもするという人物でしたが、ご紹介の件は、どちらかというと、知的な人間ですからね。でもやっぱり「自分はそんな腹黒い人間ではない」とお考えになるのかもですね。

中原氏はからだもでかいし、顔も迫力がありますから、怖いタイプの役のオファーが来るのかもです。実際には、少なくともファンにはとても腰の低い方でした。
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