ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

CSで、倉本聰脚本、萩原健一主演の『君は海を見たか』を放送している(追記あり)

2018-04-23 00:00:00 | 映画

すみません、映画でなくテレビドラマですが、映画に準じる扱いということで、「映画」のタグに入れます。私はあまりテレビドラマを過去も現在も見ていないので、ちょっと「テレビドラマ」というタグを作るのは気が進まないので。

倉本聰脚本、萩原健一主演で、1982年にフジテレビで放送されたドラマ『君は海を見たか』が、先週4月16日月曜日よりCSの「日本映画専門チャンネル」で放送されています。第1回目のページがこちら

16日の午後10時(22時)からの放送が1回目、2回目が本日23日の午後9時(21時)からの放送(第2回がつづく10時からの放送)、3回目に2週間後の5月6日の午前8時から同じチャンネルで放送されるようですね。以後同じスケジュールで全11回の放送です。ストーリーの骨子は、

>一流企業のエリートサラリーマン・増子一郎(萩原健一)は早くに妻を亡くし、一人息子の正一(六浦誠)、妹の弓子(伊藤蘭)と暮らしている。正一の世話は妹に任せきりで家庭など顧みない仕事人間の一郎だったが、正一が難病で余命3ヶ月と医師に告げられてしまう。息子の病気をきっかけに、一郎は父と子のふれあいを取り戻そうとする。

というものです。このドラマは、たぶん近年再放送もされていないし、ソフト化もされていない模様なので、なかなか見ることができないものだったようで、ネットをあさってもまともなスチール写真もろくに発見できませんでした。以下いくつか写真を。写真が小さいのは乞うご容赦。また上の写真は、雑誌の裏表紙広告ですかね。

萩原健一と関根恵子(現高橋)です。

萩原、妹役の伊藤蘭、子役の六浦誠です。

医者は、寅さんでもおなじみの下條正巳です。

スチール写真にはありませんが、子どもの友人の保護者役で田中邦衛(たぶん『北の国から』出演の関係)が、子どもの担任役で小林薫が出演しています。小林は、この当時はまだ売れっ子になる前だと思います。まだ30歳をちょっと超えたくらいです。ほかにも梅宮辰夫ほか、なかなか充実したキャストです。

それで、萩原健一は、この前年に放送局はちがいますが、倉本脚本のドラマ『ガラスの知恵の輪』に出演していたり、あるいはそれ以前に伝説的なドラマである『前略おふくろ様』にも出演していたりと倉本とも付き合いがあったので、たぶん倉本の信頼も厚かったのでしょう。当ブログでも記事(こちらこちら)にした誘拐報道』とほぼ同時期の公開(同じ年の9月25日の公開、ドラマの開始は10月15日。映画は冬に撮影されたと思われますので、ドラマのほうが後の撮影でしょう)だったので、たぶん彼としても俳優活動が一番調子のよかった時期の一つだったかと思います。しかし翌年ドラッグ関係で逮捕、さらに次の年には交通事故や暴行などで警察沙汰を繰り返したので、これ以降この時期以上の活躍が難しくなった感もあります。

で、実はこのドラマは、この時の放送が3回目のものだったのです。最初は、1970年に日本テレビで平幹二朗主演でドラマ化、翌年に、倒産寸前の大映で、天知茂主演で映画化されています。おそらく日本テレビのものはすでに映像が残っていないのかと思いますが、映画のほうは過去にVHSビデオで発売されています。DVDでは出ていない模様。(2019年1月6日追記:2019年1月7日から、同じ日本映画専門チャンネルで、70年バージョンが放送されれます。こちらの記事を参照してください)

私の知る限り、天地さんという人は、このようなホームドラマ系の映画に出るということは少なかったのではないかと思いますが(やはりドラマでも明智小五郎とかのようなエキセントリックなイメージが強いと思います)、私もこの映画は未見なので、ない金をふりしぼってVHSを購入して鑑賞しても面白そうです。なおドラマと映画は、子役は共通しています。山本善朗という方です。あまり情報がない子役さんです。

なおこのドラマは、脚本も出版されています。

倉本聰コレクション〈29〉君は海を見たか―scenario1982

これを読んだので、私もぜひこのドラマを見てみたいなと思ったわけです。

たぶんですが、違う局で2回ドラマ化されて、しかも映画化もされたというシナリオは、原作ものならたくさんありますが、オリジナルのものではかなりまれでしょう。それだけ倉本も思い入れがあるし、また時代を超えて通用する内容だという自信があるのかもです。1970年ごろの高度成長最末期と82年の日本ではまた時代背景も違うし、それからさらに36年も経った現在の日本はまた全く違いますが、このドラマで描かれている部分がどれくらい生きているか、それでどれくらい時代がちがっているかというのも見ていて考えていければなと思います。これから毎週楽しみに見ていきたいと思います。読者の皆様も、視聴の環境があるのでしたらぜひどうぞ。別に私みたいに、『透明ドリちゃん』を見たいから東映チャンネルと契約したなんてことをまねしなくてもいいけどさ。

発表日の追記:bogus-simotukareさんが、この記事に派生する話題として、天知茂と萩原健一についての記事を書いてくださいました。ぜひお読みください。bogus-simotukareさんありがとうございます。

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2 コメント

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Unknown (Rawan)
2018-04-24 01:42:42
実は、この「君は海を見たか」の最初のドラマ化をリアルタイムで見ていました。
まだ小さい頃でしたが、不治の病に侵された子どもと向き合い苦悩しながら、時に笑顔を繕い、時に心が折れそうになりながらも、懸命に生きることを模索する家族の物語を、家の連中ともども食いつくように見ていた記憶があります。
で、この82年版や映画版は見ていないんです(たぶん、82年版は放送していたことは当時知っていたはずですが)。
なので、私にとって、遠い記憶に残る子供のころに強く印象に残った、タイトルだけは忘れられないテレビドラマ作品群の一つというところでしょうかね(そういうのたくさんあるんですよ(笑))。
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>Rawanさん (Bill McCreary)
2018-04-25 07:45:39
おお、日本テレビ版をご覧になったのですか。それはうらやましい。たぶんこれは、放送局にもフィルムはないのではないかと思います。あるのならもちろんぜひ見てみたいものです。

今の時代、さすがにこのドラマに登場するような仕事人間は、あまり世間で共感されないと思いますが、たぶん80年代にはまだそれなりの共感があったのかなと思います。映画のほうは、倉本が制作まで担当しているようで、事情は定かでありませんが、彼としてもそうとう思い入れがあるのでしょう。

Rawanさんがご覧になれる環境かはわかりませんが、もし可能でしたらご感想をお聞かせください。
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