ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

かつて、安倍晋三の胡錦濤への無責任発言を絶賛したり喜んだりした人たちは、ほんと救いのない馬鹿だと思う

2022-09-27 00:00:00 | 社会時評

本日は、安倍晋三の国葬の日です。当方もちろん安倍晋三の死などというものを悼む気持ちなど全くないのですが、せっかく国葬が行われるのなら、安倍にまつわる不始末についての記事を書きたいと思います。ただこれは、安倍よりむしろ安倍の周囲の人間がお粗末すぎたというべきでしょう。

以前私が、

>口先だけの男

と彼を評しましたら、とあるコメンテイターがそれを批判して、このように書きました。

>あと、安倍氏を口先だけと言うが、2008年5月の胡錦濤氏と日本の前首相達の懇親会で、ウイグルからの留学生のトフティ・テュニヤズさんの釈放を要求するなど、口先だけの人がすることでは無いと思います。

それで私は、その記事のコメント欄でなく、あらためて反論の記事を書きました。

安倍晋三が口先だけの男でなければ、首相だった時に胡錦濤に同じことを言っている

>このコメントにはとくに私はコメント返しはしなかったのですが、けっこうこのくだりは興味深い問題が述べられているように思います。つまり私はこういう安倍の発言こそが、口先だけだと思うわけです。なんで安倍は、首相在任時に、そのようなことを胡錦濤にいわなかったんですかね?

2008年5月の時点で安倍はすでに首相じゃなかったわけで、失礼ながら安倍がこんなことを胡錦濤に発言したところでもはや遅い段階です。彼が首相だった時に同じような内容のことを言えばそれはそれなりの意味やりアクションはあるでしょうが。

安倍が首相だった時点だったら、中国の人権問題について日本政府がそれなりに動くために外務省などになにがしかの指示を出すということも可能でしたし(外務省はそうとう嫌がったでしょうが)、それなりのことができたでしょうが、あのような辞任をした後ではね、なにもできません。2008年に安倍がそのような発言をしたのは、すでに自分が日本の外交政策に何ら影響を及ぼすに至らない安全地帯にいたからでしょう。胡錦濤だって、しょせん前首相(当時)からの発言なんて聞き流せるし、そんなことは安倍だって重々承知でのものです。失礼ながら安倍は、首相の際にはこのような発言をすることができなかったでしょうし事実しませんでした。

この記事を書いた時点では、民主党政権時代だったので、当然第二次安倍政権より前になりますが、このコメンテイターと私の書いていること、どちらが正しかったかは、もはや議論する必要もないでしょう。このコメンテイターは、たぶんこの記事にコメントしたあと私のブログを読んでいないと思いますが、おそらくこの人も、いまさら安倍を

>口先だけの人がすることでは無いと思います。

とは評価していないでしょう。

しかしこのコメンテイターの不明ぶりを笑ってばかりもいられません。たとえば早稲田大学の石濱裕美子教授は、

>その席で、お腹をいためて総理を辞任したアベ元首相が、チベットの現状を何とかするように訴え、また、日本に留学していたウイグル人の留学生で、中国で「国家分裂罪」(笑)の罪で逮捕されて十年になるトフティ・テュニヤズさんの釈放を求めたのを覚えているであろうか。

 このあと、チベット問題は悲しいかなまったく好転しなかったが、トフティ・テュニヤズさんの獄中での待遇はよくなったといい、今年に入ってからやっと釈放された。

とまで書いているし(なおツイッターは確認していませんが、ブログでは、彼女は、安倍の死に関してこれといった記事を発表していない模様(苦笑))、またのちに明治大学准教授になった水谷尚子女史は、

>最初にラビア・カーディルがアムネスティの招聘でやって来た時、私は時間を作って、彼女とともに安倍元総理を訪問し、その場でトフティ氏の状況について話をしました。それを切っ掛けに安倍元総理はこの件を知ることになりました。それがあの朝食会での発言に繋がっていきました。

>安倍元首相の発言は、政治犯であったT氏の監獄での状況改善に繋がりました。

>トフティ氏は、あの会見以降、監獄での布団などの備品が一新され、待遇が良くなったと聞いている。蜘蛛の糸をつかむような思いで、働きかけをしてきた人々を、外野が中傷することにいい加減疲れた。

>安倍元首相は、中国政治犯の妻であったラビヤさんの身の安全について相談にのってくれ、下野した後も時の外相や法相とも会ってどうすべきかを考えてくれた

などと安倍を絶賛し(引用は、bogus-simotukareさんの記事より)、そういう趣旨のことを共産党系の雑誌である「前衛」にも発表したくらいです(苦笑、呆れ)。

そんな話共産党系の雑誌なんかにしなくったっていいだろうと思いますが、そういうことをしてしまうのが、水谷という人なのでしょう。ほかにも、ネット論客のnoharra氏という人物も、やたら安倍のこの発言を支持していました。

で、安倍がこの発言をして 今年で14年(2008年5月)、安倍が自民党の党首(総裁)に復活して第二次安倍政権を樹立して今年で10年(2012年)、安倍が首相を辞任して今年で2年(2020年)です。そして今年彼は、政治的にはむしろ彼を支持していたらしい人物(山上徹也容疑者)から、旧統一協会(統一教会)との親密な関係について恨みを買って、殺される始末です。あまりに愚劣でお話にもなりません。

首相在任時安倍は、ウイグルやチベットのことなんて逃げまくっていましたよねえ。しまいには、習近平中国国家主席を国賓として日本に招こうとしました。これは、新型コロナウイルスとかの絡みで現段階実現していませんが、それがなければこれは実現していたでしょうね。つまりは、安倍にとって中国の人権問題なんて、どうでもいい、あるいはそうでなくったってそんなものの優先順位はきわめて低いということです。

とかなんとかそういうことを考えていると、ほんと心の底から私は、石濱教授や水谷准教授、拙ブログへのコメンテイター、noharra氏らのような人物は、

ほんまあほやなあ

と思いますね。それ以外に語る言葉がない。

私は、以前の記事で、

>失礼ながら安倍は、首相の際にはこのような発言をすることができなかったでしょうし事実しませんでした。

と指摘しました。こんなのは、なんら慧眼の持ち主でなくったって、社会常識のレベルですぐに思いつく程度のことです。上にあげたような連中は、まったくもってどうしようもない馬鹿としか思えませんね。この人たちにかぎらず現在安倍の胡錦濤への発言を理由として、安倍は中国にものを言ってくれた政治家だと本気で考えている人はいないでしょうが、でも過去に絶賛していた人で、自分の発言は間違っていました、撤回しますなんて言った人いるんですかね(苦笑)。1人もいないかどうかは定かでありませんが、たぶんほとんどいないんじゃないんですかね。私は、言っている人を知らない。コメンテイターについては確認できませんが、石濱、水谷、noharra氏といった人たちは、そういったことをしていないはず。

あ、ここでことわっておきます。私がここでいう「馬鹿」とは、勉強ができないとか知的障害があるとか、そういう話をしているのではありませんよ。社会常識の欠如、類推能力のなさ、自分の誤りを認められない頑迷さ、やたらと知ったかぶる、自分に都合のいい情報を仕入れると怪しかったり論拠もないのにすぐ飛びついて声高に吹聴する、そういったことの総体と考えていただければ幸いです。上の人たちは、まさにこういった連中じゃないですか。前に紹介した、ウイグルのビール祭りについての愚劣で幼稚なデマ記事をすぐ真に受けて、それがデマ記事であることを認めざるを得なくなったら関係ない話を始めて逃げようとしたどっかの馬鹿と同様です。ほんとこういった連中は始末に負えない。

なかなか面白い記事を見つけた(うそを見抜くのにいい判断材料になりそうだ)

櫻井よしことか産経新聞などは、安倍晋三とつきあうことで何らかの利益はありますから(櫻井を政府の審議会の中央委員にしたり自民党の幹事長と話ができるようアレンジしたり大相撲観戦でトランプ大統領と握手したり(右翼のくせにどんだけ馬鹿でクズなんだか)、フジテレビのトップに産経新聞を助けてやってくれと泣きを入れるなど、こんな馬鹿な首相は安倍以外にありません)、安倍とやたら親密になろうとすることも理解できなくはない(もちろん連中のやっていることは、ジャーナリスト、報道メディアとして最低の常識を逸脱しています)。が、安倍に直接話をしてのぼせ上ったらしい水谷女史はまだしも、ほかのお三方は、安倍と特に付き合いなんかないでしょうしね。水谷女史だって、言うほど大した付き合いはしていないでしょう(苦笑)。要は、安倍に勝手に期待して、それで勝手に吹き上がって最後には勝手に失望するという一番馬鹿なパターンです。まあ安倍は、こういう馬鹿な連中に囲まれたから首相になれたし首相に復活できたし、その代償として殺されたわけですが。

余談ではありますが、安倍はかつて戦後レジームの解体なんて話をしていましたが、そもそもそういうことを言うのなら、自民党所属の国会議員を経て首相になるのも変な話ですが(自民党こそまさに最高の「戦後レジーム」の集合体じゃないですか)、「戦後レジーム」どころか、統一協会(教会)といういわば自民党の黒歴史、宿痾、悪しき自民党体質の権化の関係で恨まれて暗殺されたのだから、まさに古き悪しき自民党のために彼は殺されたわけです。なにが「戦後レジームの解体」かです。馬鹿も休み休み言え、無様で無残にもほどがある、大言壮語、整合性の欠如もいいかげんにしろです。

余談を続ければ、本当に「戦後レジーム」を解体しようとするなら、日米安全保障条約も破棄か改定が必要でしょうね。破棄して自主防衛をするか、日米同盟を継続するのなら、またあらためて条約を作り直さなければいけないでしょう。安倍にそんなことをする意思や能力があるとも思いませんが、ただ安倍はなんだかんだ言っても最終的には米国を嫌いだったでしょうから(岸信介をA級戦犯にしたくらいだからね)、本来は米国の核の傘は嫌だったのでしょう。たぶん彼は、実現性はなくとも、日本の核武装を希求していたのではないか。もはやどうでもいい話ですが。

安倍については、また記事を書くことがあるかもしれませんが、あるいはこれで終わりかもです。それにしても安倍政治の終焉が、統一協会との関係で恨みを買っての暗殺とはねえ。あらためていろいろ考えさせられます。なおこの記事については、下の記事が下敷きとなっておりますので、ご興味があればご参照をお願いします。けっきょく9年前と同じことを書いているなということに話は尽きますね。

ね、首相に復活したら安倍は動いてはくれないだろ(今後に期待?)

コメント (4)
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