ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

ね、首相に復活したら安倍は動いてはくれないだろ(今後に期待?)

2013-08-10 00:00:00 | 社会時評

以前安倍晋三について書いた記事で、私は

>口先だけの男

と彼を評しましたら、とあるコメンテイターの方から、

あと、安倍氏を口先だけと言うが、2008年5月の胡錦濤氏と日本の前首相達の懇親会で、ウイグルからの留学生のトフティ・テュニヤズさんの釈放を要求するなど、口先だけの人がすることでは無いと思います。

と指摘されましたので、それに反論したことがあります。

>このコメントにはとくに私はコメント返しはしなかったのですが、けっこうこのくだりは興味深い問題が述べられているように思います。つまり私はこういう安倍の発言こそが、口先だけだと思うわけです。なんで安倍は、首相在任時に、そのようなことを胡錦濤にいわなかったんですかね?

2008年5月の時点で安倍はすでに首相じゃなかったわけで、失礼ながら安倍がこんなことを胡錦濤に発言したところでもはや遅い段階です。彼が首相だった時に同じような内容のことを言えばそれはそれなりの意味やりアクションはあるでしょうが。

安倍が首相だった時点だったら、中国の人権問題について日本政府がそれなりに動くために外務省などになにがしかの指示を出すということも可能でしたし(外務省はそうとう嫌がったでしょうが)、それなりのことができたでしょうが、あのような辞任をした後ではね、なにもできません。2008年に安倍がそのような発言をしたのは、すでに自分が日本の外交政策に何ら影響を及ぼすに至らない安全地帯にいたからでしょう。胡錦濤だって、しょせん前首相(当時)からの発言なんて聞き流せるし、そんなことは安倍だって重々承知でのものです。失礼ながら安倍は、首相の際にはこのような発言をすることができなかったでしょうし事実しませんでした。

コメンテイターの方と私の意見、どちらが説得力があるかは読者に判断してもらえばいいとして、この件でちょっと興味深い情報を昨年仕入れました。

つまりウイグル研究家の水谷尚子という方のツィートで、次のような記述があったのです。

>最初にラビア・カーディルがアムネスティの招聘でやって来た時、私は時間を作って、彼女とともに安倍元総理を訪問し、その場でトフティ氏の状況について話をしました。それを切っ掛けに安倍元総理はこの件を知ることになりました。それがあの朝食会での発言に繋がっていきました。

>安倍元首相の発言は、政治犯であったT氏の監獄での状況改善に繋がりました。

>トフティ氏は、あの会見以降、監獄での布団などの備品が一新され、待遇が良くなったと聞いている。蜘蛛の糸をつかむような思いで、働きかけをしてきた人々を、外野が中傷することにいい加減疲れた。

>安倍元首相は、中国政治犯の妻であったラビヤさんの身の安全について相談にのってくれ、下野した後も時の外相や法相とも会ってどうすべきかを考えてくれた

引用はbogus-simotukareさんのブログより。さて、一番下のは、確かにそういうことはあったのかもしれませんが(安倍が、人権問題全般でこのようなことをするとは私には思えません)、上で彼女が書いていることって本当にほんとなんですかね。

正直、この件を持ち出して安倍を擁護する人たちも、あくまでそのような発言をしたということを評価しているだけで、それによる実際の効果なんてまったく期待していなかったんじゃないんですか。水谷も、たぶんそんな期待はしていなかったのではないでしょうか。安倍だってたぶんそんな期待は何もしてはいないでしょう。していたら、いくら安倍とはいえ馬鹿すぎます。

聞いた話のようですが、誰から、どのようなルートで聞いたんでしょうか。そのルートや話をしてくれた人は信用できるんでしょうか。本当に、この人の処遇は改善されたんでしょうか。

そして、こちらのほうがより本質的な問題ですが、仮に本当にこの人の処遇が改善されたとして、それって安倍晋三が胡錦濤に話をしたことが関係しているんでしょうか。

最初のほうは、確認が可能でしょう。私のようなまったくそのようなことに関係のない人間では難しいでしょうが、ウイグル研究家の水谷なら、それは可能でしょう(しかしこのツィートを読んだ限りでは、彼女は確認はしていないんですかね?)。

しかしですよ、仮に本当にこの人の処遇が改善したとして、それが安倍晋三のおかげかどうかというと、ちょっと私にはそれは信じかねるんですけど。

中国が、日本政府現役高官から同じようなことを言われれば、それはたしかになにがしかの行動をする可能性というのもあるかもしれませんが(個人的には、これもかなり難しいと思います)、安倍は当時「前首相」という立場で、もともと中国と関係があまりよくない人間です。彼は、首相在任時以外は、だいたいにおいて中国を批判しています。そういう人間からの指摘を受けて、中国が政治犯の処遇を改善するっていうことがありえますかね。正直申し上げて、私そんな可能性はほとんど全くないと思います。しかしこれはあくまで中国には全くの素人である私の個人的見解に過ぎませんから、実際のところは分かりません。

もし中国が動いたとしたら、それって安倍になんらかの貸しをつくるっていう思惑でもあったのかということろでしょうか。安倍にそれだけの価値があるとも思いませんが、しかしそれは、(以下略)。

この人の処遇改善とかは、安倍以外にもさまざまな人が働きかけたんでしょうから、正直安倍の口利きで本当に処遇が改善されたのか、確認はできませんよね。中国政府がそのような発表をするわけがないし、また、本当にそのようなことがあったら、産経新聞あたりは大喜びで記事にしませんかね? 産経は、そうとう怪しい情報でもこのようなことだったら記事にするんじゃないかいなという気がします。いまのところ私は産経がそのような報道をしたという話は知りません。もちろん本当のところは分かりません。あるいは産経が報道したのかもしれませんから、ご存知の方はご教示いただければ幸いです。

水谷は、これツイートで断片的に語るだけでなく、論文なりレポートなりを書いて社会に発表したほうがいいんじゃないかな。ツイートで終わらせるのはもったいない。安倍晋三が口を利いたおかげで中国の政治犯の処遇が改善されたというのが本当に事実なら、これってけっこう大変なニュースだと思うので。私はその可能性はきわめて低いと思いますが、でも事実なら非常に興味深いというものです。あんまり期待はしていませんが、ぜひ考えていただければと思います。

それにしても上のツイッター、ほんと鬼の首でもとったようにうれしそうだよね。チベット馬鹿の女も同じようなことを書いていました

>その席で、お腹をいためて総理を辞任したアベ元首相が、チベットの現状を何とかするように訴え、また、日本に留学していたウイグル人の留学生で、中国で「国家分裂罪」(笑)の罪で逮捕されて十年になるトフティ・テュニヤズさんの釈放を求めたのを覚えているであろうか。

 このあと、チベット問題は悲しいかなまったく好転しなかったが、トフティ・テュニヤズさんの獄中での待遇はよくなったといい、今年に入ってからやっと釈放された。

引用中「今年」とは、2009年のこと。「お腹をいためて」なんて(わざわざ)書くあたりが、チベット馬鹿のクズぶりを象徴していますね。こちらの記事を参照してください。

ちなみに、上のチベット馬鹿の記述も「よくなったといい」ですから、やはり伝聞ですね。その情報源はどちらなんですかね。まあ上の記事でもチベット馬鹿はそれが「安倍のおかげ」という断言はしていませんが。

さてさて、安倍が首相に復活したのは昨年12月で、もうすぐ8カ月たちます。で、安倍って中国の少数民族の人権問題についてあるていど何らかの発言をしたんですかね?

簡単な談話くらいは発表したのかもしれませんが(発表していたとしてもたぶん官房長官談話じゃないですかね?)、世間の話題になるようなことは発言していないと思うんですけどね。対中関係悪化とか言われていても、すくなくとも安倍はその件にはノータッチでしょう。あるいはしていても、取るに足らないくらいのものだと表現してもいいんじゃないんですかね。

で、水谷(あるいは、私のブログにコメントした人、チベット馬鹿の女その他)はこれをどうお考えなんですかね。「いや、安倍はこの件についてきっちり対応してくれている」とは言わないでしょうが、でも彼女(ら)の意見は知りたいですね。あるいは「今後に期待」かな。個人的な意見を書けば、そんなに本気で期待はしていないでしょうけど。

現段階では、この記事のタイトル

>ね、首相に復活したら安倍は動いてはくれないだろ

という以上のものではないと思いますがどうなんですかね。

たとえば過日次のような記事が発表されました。

>イリハム副教授がまた自宅軟禁状態に(RFA) : 世界ウイグル会議
投稿日:2013年8月7日 作成者: freeasia2011
RFA 2013.07.31 | 翻訳・掲載:2013.08.03

ウイグル人経済学者で、北京にある中央民族大学のイリハム・トフティ副教授は、本日RFAの取材に対し、今月30日から雲南省昆明市で開催されている第18回米中人権対話期間中に北京警察当局によってまた自宅軟禁状態に置かれたことを明らかにした。

(後略)

こういう件に安倍がなんらかの対応その他をしたっていう情報は私持っていないんですが、どうなんですかね。首相から降りたあとでなくいま現役の首相なのだから、「口先だけの男」でないのならいまこそ出番じゃないんですかね。

で、私も、水谷尚子やチベット馬鹿のツイートなどをいちいちチェックしているわけでもないんですけど、やっぱり安倍の態度については、この人たちは見て見ぬふりをしているんじゃないんですかね(苦笑)。あ、すいません、この件については、そうでなければ彼女らの主張をこのブログに掲載させていただいて、私のこのくだりは訂正します。

ていいますか、そもそも安倍に「中国側に抗議してくれ」みたいな要請を関係者はしているんですかね? 確認不能な話ですが、していない可能性の方が高いんじゃないんですか。したとして安倍がそれにこたえてくれるという期待はあんまりしていないでしょう。安倍がうごかなくても、安倍批判もできないから(なぜできないかは不明)、そんなことするだけ損だというくらいの認識でいるのでしょう。

まああるいは安倍は、(ポーズとして)これらの件で何らかの発言をしているのかもしれませんが、現段階では少なくとも中国の人権問題に関しては、私の主張する「口先だけの男」という認識の方が妥当だと思いますけどね。もっとも安倍のような男は、口先だけでないと、この件のほかにも多大な迷惑をそこらじゅうにかけますので、それはそれで悪いことではありません。

今回も、bogus-simotukareさんに感謝を申し上げます。

コメント (4)
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