暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

京都市美術館 バルテュス展へ

2014年09月03日 | 美術館・博物館
               「地中海の猫」  制作 バルテュス

暑さも多少おさまり、ぶらりぃ、岡崎公園内の京都市美術館へ。

お目当ては第6回日本南画院選抜秋季展、主人(Iさん)のお付き合いです。
Iさんは退職してすぐに京都へ来たので、
「今までの趣味の他に、京都で新しいことに挑戦して欲しい・・・」
と思っていましたら、すぐに南画(水墨画)を習い始めました。
H先生のご指導のおかげで、びっくりするほど上手になりました(手前味噌?)。
その先生や先輩が秋季展に出品されていたのです。

             

             

帰りに「バルテュス展」へ寄りました。
実は、7月5日~9月7日まで開催の「バルテュス展」について全く知らず、
画家バルテュスやその絵についても無関心でした。

それでも、なぜか見たい・・と思ったのです。
看板の猫の絵(地中海の猫)に招かれた・・かもです。

             

画家の生い立ちも作品も知らなかったので、音声ガイドを借りました。
これが大正解!

初めに、バルテュス夫人・節子さんが語りかけます。
「すべての先入観を無くして、真っ新な心と目を持って
 バルテュスの作品に向き合ってください。
 仕事に命をかけた一人の画家の息吹を受け止めてください。
 ご覧になる皆様に、何らかの形で未来の着想が生まれますように・・・」

バルテュス(1908-2001)が晩年を過ごしたスイスのグラン・シャレにある
アトリエが再現されていて、未完の画が数点展示されていました。
幸福な晩年を象徴するような、このアトリエから展示が始まりました。

生い立ちや波乱に満ちた生涯に沿って、画風や題材も変化し、
常に何か(貧困、戦争、着想、老いなど)と戦いながら、
ひたすら絵を追及している画家の姿を追い求める「バルテュス展」でした。

              

特に印象に残っている作品は、
D4-D17 エミリー・ブロンテ「嵐が丘」のための14枚の挿絵
016 鏡の中のアリス
018 猫たちの王
021 夢見るテレーズ
028 美しい日々
034 決して来ない時
037 地中海の猫
049 朱色の机と日本の女
050 読書するカティア

バルテュスはモーツァルトを好んでよく聞いていたそうで、
特別チャンネル「33」を押すと、節子夫人のコメントとともに
歌劇「ドン・ジョヴァンニ」より第1幕 二重唱「お手をどうぞ」
がいつでも聞けるようになっているのがステキです。
展示場で、小休止の広場で、合計3回も・・・。
まるで、傍らにバルテュスと節子夫人が一緒に聴いているようでした。