暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

長月の自主稽古  大円之草の不思議 

2014年09月19日 | 自主稽古(京都編)&奥の細道会
              花についてきたカマキリ

毎夜、コオロギの演奏を聴きながら、いつのまにか眠りについています。

      あと幾夜 土間のコオロギ友として
          灑雪庵に夢むすぶかな        


長月の自主稽古(風炉)をだいぶ前の9月5日にしました。
Sさんの真之炭手前から始まり、Yさんの真之行、私は大円之草でした。

その頃の京都は天候不順、
朝は好天でも、いつゲリラ雨に襲われるか・・・そんな日々でした。

自主稽古は13時から17時頃なので
午前中に掃除、灰形、炭などの準備をします。
お軸は何にしようかしら? このままでいいかしら?
そうだ、お花はどうしょう? 今から買いに行こうかしら? 

そんな時にチャイムが鳴りました。
もうびっくり!です。
私の独り言が聞こえたみたいで、
お隣の庵主さまが花をいっぱいくださいました。

「これから大雨になりそうなので、咲いている花を切って持ってきました。
 どうぞ、つかっておくれやす・・・」

萩、水引、木槿など手いっぱいの秋の花をいただいて幸せでした。
分けて活けるのも惜しく、大きな花入を探していましたら、閃きが・・・
「そうだわ!
 縁の下に転がっていた割れ壷に活けてみよう


              秋の花を秘蔵(?)の割れ壷へ
              (お軸は掛けずに・・・)

さて、私が稽古した大円之草ですが、他の奥伝と少し変わっています。

奥伝の中でただ1つの草の点前ですが、台子を使わず
道具組や点前は行之行に準じています。

例えば、天目茶碗や天目台、和物茶入、唐物茶入は伝来の確かなもの、
茶杓は元節、盆は円能斎または淡々斎好の大円盆を使います。
水指は一重口で、瀬戸のような古窯でしょうか。
水指の蓋、元々は共蓋だったそうですが、今は塗り蓋が主流となっています。
建水は唐銅、蓋置は竹。

水指の蓋を置く位置と、開けるときの所作(通り道)に悩みましたが、
先日、S先生のお稽古へ伺い、すっきり解決しました。

最初に、建水、蓋置、柄杓の持ち出し方や扱い、
蓋置を置く位置もユニークです。
とても不思議で、一度疑問が解決しても、また新たな疑問が・・・。

でもね! 不思議な、次々疑問が湧いてくる点前って、わくわくしませんか?

それも、何度もやっている内に、やっと疑問が湧いてくるのですから
自主稽古を継続する大切さを今頃になって実感しています。
                               

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