暑い夏ですが、ようやく今日が立秋ですね。ふうっ~~。
うんうん唸って?書いた「良寛さん」の原稿が一瞬で消えてしまって
大ショックでした。ようやく思い直して書いたものを投稿します。
不思議なことに前稿とは全く別のものになりました・・・。
夏休みの旅行で新潟、長野方面に出かけました。
旅の主な目的は長岡市近辺に点在する良寛の書と旧跡を訪ねることでした。
出発前にあわてて本2冊を読み、インターネットで調べたものの
良寛について今ひとつピンと来ませんでした。
「天上大風」
という書(コピー)を見たとき、
「えっ!これが有名な良寛さんの書?」
良寛が托鉢のため里へ下りていくと、村の子供たちが紙と筆を持ってきて、
「これに字を書いてくれ」とねだりました。
良寛がどうするのかと尋ねると、凧にするというのです。
「よしよし」と快く書いたのが「天上大風」だったそうです。
ほほえましいエピソードを読むと
「天上大風」の凧が大風に乗って勢いよく空高く上がっていく様と
子どもたちに慕われたという良寛像が想像されます。
出雲崎の生誕地に立つ良寛堂を訪れました。
堂内の石塔には、良寛が持ち歩いたという枕地蔵と
生母の故郷の佐渡を歌った自筆の和歌が刻まれていました。
古へに変はらぬものは荒磯海と
向かひに見ゆる佐渡の島なり
良寛の書に初めて出会ったのは出雲崎町の良寛記念館でした。
展示されている書には和歌、俳句、漢詩、経文、手紙などがあり、
書体も楷書、行書、草書と多彩です。
書かれた年代も様々なので、同一人の書とは思えないものもありました。
その中で「国上(くがみ)の山を出づるとて」という
「安之悲幾能(あしひきの)・・」に始まる長歌に惹きつけられました。
現代語訳でご紹介します。
あしひきの 国上の山の やまかげに 庵しめつつ
朝にけに 岩の角道 ふみならし いゆきかへらひ
まそかがみ 仰ぎて見れば み林は 神さびませり
落ちたぎつ 水音さやけし そこをしも あやにともしみ
春べには 花咲きたてり
五月には 山時鳥 うち羽ふり 来鳴きとよもし
長月の しぐれの雨に もみじ葉を 折りてかざして
あらたまの 年の十とせを すごしつるかも
良寛書
国上山の五合庵、雪に閉ざされた静寂の中、
無駄なものを一切削ぎ落とした庵の暮らし、
精神を集中して書に向っている良寛の様子、
書へ打ち込まれた気迫が行間から迫ってきました。
崩した万葉仮名はほとんど読めないのですが、
それでも香りたつような書の魅力を感じました。
伸びやかな筆の気品溢れる書です。
「こんなに素晴らしい歌と書を書く御方だったのだ!」
はるばる訪ね来て良かった!と思いました。
「天上大風」とは趣の異なる良寛の書に主人も感動したようです。
主人のお気に入りは扇面に書かれた俳句です。
短いので原文のままと現代語訳と、両方を書いてみましたが、
原文はまるで?判じ物のようです。
秋日寄里 世無羽す々 め能者遠東 可那 良寛書
(秋日より 千羽雀の 羽音かな)
良寛の書に触れて、やっと良寛さんが心の中に浮かんできました。
またどこかで良寛さんの書に出会うのが楽しみになりました。
(前へ) (新潟・長野の旅 次へ)
写真は、「良寛と夕日の丘公園から佐渡を望む」
「良寛堂の石碑」 「国上山の五合庵」 「五合庵内部」
うんうん唸って?書いた「良寛さん」の原稿が一瞬で消えてしまって
大ショックでした。ようやく思い直して書いたものを投稿します。
不思議なことに前稿とは全く別のものになりました・・・。
夏休みの旅行で新潟、長野方面に出かけました。
旅の主な目的は長岡市近辺に点在する良寛の書と旧跡を訪ねることでした。
出発前にあわてて本2冊を読み、インターネットで調べたものの
良寛について今ひとつピンと来ませんでした。
「天上大風」
という書(コピー)を見たとき、
「えっ!これが有名な良寛さんの書?」
良寛が托鉢のため里へ下りていくと、村の子供たちが紙と筆を持ってきて、
「これに字を書いてくれ」とねだりました。
良寛がどうするのかと尋ねると、凧にするというのです。
「よしよし」と快く書いたのが「天上大風」だったそうです。
ほほえましいエピソードを読むと
「天上大風」の凧が大風に乗って勢いよく空高く上がっていく様と
子どもたちに慕われたという良寛像が想像されます。
出雲崎の生誕地に立つ良寛堂を訪れました。
堂内の石塔には、良寛が持ち歩いたという枕地蔵と
生母の故郷の佐渡を歌った自筆の和歌が刻まれていました。
古へに変はらぬものは荒磯海と
向かひに見ゆる佐渡の島なり
良寛の書に初めて出会ったのは出雲崎町の良寛記念館でした。
展示されている書には和歌、俳句、漢詩、経文、手紙などがあり、
書体も楷書、行書、草書と多彩です。
書かれた年代も様々なので、同一人の書とは思えないものもありました。
その中で「国上(くがみ)の山を出づるとて」という
「安之悲幾能(あしひきの)・・」に始まる長歌に惹きつけられました。
現代語訳でご紹介します。
あしひきの 国上の山の やまかげに 庵しめつつ
朝にけに 岩の角道 ふみならし いゆきかへらひ
まそかがみ 仰ぎて見れば み林は 神さびませり
落ちたぎつ 水音さやけし そこをしも あやにともしみ
春べには 花咲きたてり
五月には 山時鳥 うち羽ふり 来鳴きとよもし
長月の しぐれの雨に もみじ葉を 折りてかざして
あらたまの 年の十とせを すごしつるかも
良寛書
国上山の五合庵、雪に閉ざされた静寂の中、
無駄なものを一切削ぎ落とした庵の暮らし、
精神を集中して書に向っている良寛の様子、
書へ打ち込まれた気迫が行間から迫ってきました。
崩した万葉仮名はほとんど読めないのですが、
それでも香りたつような書の魅力を感じました。
伸びやかな筆の気品溢れる書です。
「こんなに素晴らしい歌と書を書く御方だったのだ!」
はるばる訪ね来て良かった!と思いました。
「天上大風」とは趣の異なる良寛の書に主人も感動したようです。
主人のお気に入りは扇面に書かれた俳句です。
短いので原文のままと現代語訳と、両方を書いてみましたが、
原文はまるで?判じ物のようです。
秋日寄里 世無羽す々 め能者遠東 可那 良寛書
(秋日より 千羽雀の 羽音かな)
良寛の書に触れて、やっと良寛さんが心の中に浮かんできました。
またどこかで良寛さんの書に出会うのが楽しみになりました。
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写真は、「良寛と夕日の丘公園から佐渡を望む」
「良寛堂の石碑」 「国上山の五合庵」 「五合庵内部」