暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

はつ風の香席 (2)

2010年08月04日 | 茶会・香席
(つづき)

心、扇、露の三炷(ちゅう)が順番に焚かれました。
「いつもは三息(さんそく)と云って三回聞きますが、
 今日は五名様なので何回でもゆっくり聞いてください。
 そしてメモしてください」

腹式呼吸で呼吸を整え、無心になってゆっくり深く聞いて、
香りの特徴やイメージを全身で捉えます。
それから「心」と、香銘を名乗って次の方へ回しました。

三炷を聞き終わってから、三炷の内の一炷と、
もう一つ今まで焚かれていない一炷(ウと言います)を
打交ぜて、さらに二炷(本香)が焚かれました。
本香の一番目は「出香(しゅっこう)」、
二番目は何も言わずにまわします。

この二炷(本香)が何であるのかを当てるのです。
本香の組み合わせは次の六通りの何れかになります。
  ウ 心、  心 ウ、
  ウ 扇、  扇 ウ、
  ウ 露、  露 ウ

本香2種を聞いて、名乗り紙に筆で名前と組合わせ(答え)を書きました。

微かな香の特徴を捉えるのは、とても難しい・・と思いました。
また、メモが貴重で、メモがないとますます深く迷いそうです。
本香の二炷目を聞くと、最初にツンと来る微かな香を感じました。

あとで考えれば、素直にこの印象を大事にすれば良かったのですが、
二通りの組み合わせができ、迷いました。
正解を伺うと、もう一つの方が正解でした。

いかに無心になれるか、
茶カブキ之式の偈頌(げじゅ)が頭をよぎりました。
「千古千今裁断舌頭始可知真味」

              

こうして優雅にして奥の深い香席が終り、
Iさんの心づくしの手料理を美味しく頂きました。
ご主人がアラスカまで釣りに行ってあちらで作ったという
スモークサーモンが香りといい、味といい、絶品でした!

午後は茶席となり、Wさんが初炭、Yさんが濃茶、
私は里芋の葉蓋で洗い茶巾で薄茶と、
みんなで和やかに楽しく香と茶を堪能した一日となりました。
Iさん、ありがとうございました。私もお茶の稽古、がんばります・・・。

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  写真は、「もうカラスウリの実が・・」と「点前座」です。