暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

苔香居-2 もみじの茶会

2012年12月09日 | 献茶式&茶会  京都編
苔香居(たいこうきょ)がお気に入りなのは、
きもの虫干しの会と同時開催の茶会のせいかもしれません。
10時の席をお願いしましたが、
すでにお客様が待っていらして三席目でした。

10分ほど待ってから、広い庭を横切り、待合へ案内されました。
そこは土間のある小さな板敷の部屋で、囲炉裏が切ってあり、
鉄瓶が自在に掛けられています。
隣りは陶房になっていて、陶芸の合間の休憩所のようでもあり、
ごく侘びの茶室のようでもあります。こちらでお菓子を頂きました。

             

             

それから外の腰掛待合へ案内されました。
風はなかったのですが、さすがに12月の外腰掛は寒く、
「コートやマフラーはそのままでどうぞ」と勧められた訳がわかりました。
寂しい山里のような露地が趣深く、これから入る茶室への期待感を誘います。

             

袴姿の男性が茶室へ案内してくださいました。
躙り口をくぐると、茶室は一畳中板台目向切、四人で満席ですが、
落ち着きのある魅力的な空間に目を奪われました。

点前座と客座の間にある幅一尺余の中板、点前座の向板、
点前座前が窓になっている、一間余の変形カーブの床、
それらが狭い茶室を伸びやかな魅力的な空間に変えています。
古色を感じる肩衝尾垂釜(浄林造)と、紅梅の古木で造られた炉縁が
茶室の主のように在りました。

床には「泰庵」と書かれたお軸、茶室の名前が書かれており、
扁額ともに淡々斎筆です。
床柱の竹花入(又みょう斎造)には、紅い実をつけた美男葛(びなんかずら)
が入れられ、思わず先ほどの若き案内人を連想しました。

              

              
             (美男葛  季節の花300提供)

先々代が遺されたという茶道具も味わい深かったのですが、
一番ステキだったのは、お点前さん、説明役の美男葛さん、半東さん、
おもてなししてくださった皆さん全員が生き生きと、お顔が輝いていました。
茶会は裏千家学園の生徒さんが受け持っているそうです。

昨日の朔日稽古を思い出しながら、伊羅保、五輪、萩、三嶋の茶碗に
上手に点てられた薄茶を頂戴し、名残惜しく茶室を後にしました。

                             

            
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