暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

アートをめぐる旅(4)・・大塚国際美術館

2018年07月21日 | 

 (見ることはあるまい・・・とあきらめていた「ゲルニカ」(パブロ・ピカソ)を
  鎮かにゆっくり鑑賞できました)

ゲルニカ    ピカソ、パブロ(1881-1973)
1937年
レイナ,ソフィア国立美術館  マドリード


(解説より)
1937年、フランコ将軍の要請で、ナチス・ドイツ軍はスペインの古都ゲルニカを全滅させた。
これに衝撃を受けたピカソは、この作品をパリ万国博覧会の壁画としてわずか一か月で仕上げている。
直接的に爆撃を想起させるものは何も描かれていないが、ミノタウロス、母と子、曲芸師など彼が好んだ主題すべてがネガティヴに反転させられている。
それ故に、人間の暴力と悲劇に対する普遍的で去売れるな反対の意思表示が伝わってくる。


(つづき)
ツアー最終日の7月5日は宿泊地の小豆島・土庄でむかえ、朝から雨でした。
その日は小豆島の寒霞渓をロープウェイから眺めた後、オリーブ園へ寄り、土庄港から高松港へ渡りました。
高松からバスで鳴門へ行き、大塚国際美術館で約3時間過ごし、鳴門公園で鳴門の渦潮を見学し、最終便で徳島空港から羽田へ戻るという、かなりの強行軍です。




初めて訪れた大塚国際美術館、世界各地の名画が特殊な陶板技術により見事に複製され、展示されていてその数1000点を越すとか。
山の斜面を利用して建てられた美術館(5階建て)はほとんど地下に埋もれています。
正面玄関から長さ41mのエスカレーターに乗り最初のギャラりー(中世・古代)に到着すると、そこはB3Fでした。
ツアーの同行者と一緒に1時間余、美術館の見所の名画などをガイドさんが解説しながら案内してくださいました。
このガイドのお蔭で複雑な建物構造とギャラリーの関係が少し理解できたかな?
約2時間後の集合時間まで自由に館内の名画を観賞しました。
あっという間の見ごたえのある3時間でしたが、いくつか思い出に書き記しておきます。

展示方法に工夫があり、「環境展示」「系統展示」「テーマ展示」の3つからなっています。
中でも「環境展示」、古代遺跡や教会などの壁画を環境空間ごとそのまま再現した今までにない臨場感を味わえる立体展示になっているそうです。
本当に、一部分だけ切り取られた壁画や仏像を見て、この作品があった場所で拝みながら拝見したい・・・と思っていたので、我が意を得た気がしました。
写真OKというのも気に入りました。

B3(古代、中世)ギャラリーは環境展示の宝庫でした。
○ システィーナホール
  システィーナ礼拝堂天井画および壁画   ミケランジェロ   ヴァティカン



エルグレコの部屋
  三位一体
  聖アンデレと聖フランチェスコ
  聖マウリティウスの殉教
  オルガス伯爵の埋葬 など




  
スクロヴェーニ礼拝堂  
  ジョット  スクロヴェーニ礼拝堂壁画  イタリア、パドヴァ



聖テオドール聖堂    トルコ、カッパドキア
暁庵の一番のお気に入りかも・・・トルコへ行きたくなりました。 






7つのヒマワリ   ゴッホ、フィンセント、ファン
7つのゴッホの「ヒマワリ」が一堂に展示されていて圧巻です。





その中の1点、「6輪のヒマワリ」について興味ある解説が書かれていたので記します。


 「6輪のヒマワリ」
1888年  98cm×69cm
1945年兵庫県芦屋市にて焼失
調布市武者小路実篤記念館の画像写真集より再現

(解説)
ゴッホの「ヒマワリ」で有名なのは、アムステルダム、ロンドン、ミュンヘン、フィラデルフィア、それに東京(損保ジャパン日本興亜美術館)の5つの美術館所蔵の大型(90~100cm×70~75cm)の「ヒマワリ」である。
これらはいずれもアルル時代の作品だが、ゴッホはパリ時代にも何点かの「ヒマワリ」を描いている。
ただし、これらはテーブルなどの上に切り花として置かれたもので、花瓶に入った静物としての「ヒマワリ」はアルル時代に初めて描かれた。

アルル時代にはこれら5点に加え、さらに2点の「ヒマワリ」が描かれている。
しかも、そのうちの1点、「6輪のヒマワリ」はかつて日本にあったものである。
芦屋の実業家・山本顧弥太氏が1920年(大正9年)に購入したもので、作家の武者小路実篤と親しかった氏は、武者小路が温めていた白樺派の美術館構想に共鳴し、ゆくゆくはこれに寄贈するつもりであった。
そうこうするうちに第二次大戦が勃発、絵はそのまま芦屋の山本邸に飾られていたが、1945年、終戦直前の空襲で灰燼に帰した。
他の大型の「ヒマワリ」ともサイズ的に遜色なく、構図(花の数、配置)、背景の色などの点で独自の作品であり、5点の大型の「ヒマワリ」の原点ともなった作品である。
この幻の「ヒマワリ」が今回、東京の武者小路実篤記念館の全面的なご協力のもと、ここに原寸大で見事によみがえった。



・・・・キリが無いのでこの辺で終わりに致します。
今回の「アートをめぐる旅」はとっても疲れたけれど、とっても充実していました。
お茶漬けの日常から離れて、いつもと違う頭の部位が刺激を受けて活性化されたような・・・そんな旅でした。

 
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