暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

2021年卯月の教室だより・・・花散らし

2021年04月07日 | 暁庵の裏千家茶道教室

    (桜の蜜を吸っているのでしょうか、ヒヨドリです)

     (真ん中が「私のサクラ」・・・毎年、記念撮影しています)

 

4月3日(土)は卯月に入って初めての稽古日でした。

5月29日(土)に「薔薇の茶会」を開催するので、今年は早目に炉を塞ぎ風炉へ移ろう、4月の2回目の稽古は風炉でしたい・・・と思っています。

春の女神にその声が届いたのでしょうか? 今年の桜もそのほかの花も咲くのが早く、朝な夕なに眺め暮らしていた「私のサクラ」も散り急いで葉桜になりつつあります。(3月28日満開宣言)

散歩道には早や風炉の花が咲きそろっていてビックリです。

公園の躑躅が満開ですし、花水木、藤、モッコウバラも咲き出しています。

 

 

その日は午後からSYさんとAさんがお稽古にいらっしゃいました。

お花が好きなSYさんは時々家に咲いているお花を持って来てくれます。茶花を生けるお稽古になるので、花入を選んで生けてもらっています。

この日は4種持参の内の2種、モミジとラナンキュラ(花金鳳花(はなきんぽうげ))を旅枕に生けました。モミジが小さな赤い花を沢山つけていて、ラナンキュラはまるで薔薇のようです。

  (モミジとラナンキュラ(花金鳳花(はなきんぽうげ))

先に鉄製燈明台(白洲正子好み)に春蘭を生けていたのでこの日の床は華やかになりました。

お軸は、「春水満四澤」(しゅんすい したくにみつ」、足立泰道老師の御筆です。

 

 
炉での最後のお稽古なので、3月に続いて台天目、濃茶と薄茶を吉野棚でお稽古しました。
コロナウイルスのため2ヶ月のブランクがあったにもかかわらず、お二人とも唐物(炉)に続いて台天目(炉)を習得してくださって嬉しいです。
 
  (黒楽茶碗、一入作「徒然」写しの拝見中です)
 
窓を開けてお稽古をしていると、一陣の風が桜の花びらを運んできて、思わず歓声を上げました。
既に葉桜となっている庭の彼岸桜の最後の花散らしでしょうか。もしかしたら、「私のサクラ」のしばらくお別れの挨拶でしょうか。美しくも物悲しい春の一コマです。
 
 

 (拝見にお出しした茶入、茶杓、仕覆について問答中です)

3月は釣釜でしたが、4月は透木釜にしました。

暁庵の透木釜は「又陰」の鋳込みがある、一燈好み・又陰口透木釜です。透木釜の四方口は「又陰」の躙口を表しているそうです。作者は菊池政光、透木は宗旦好みの桐です。

「又陰(ゆういん)」は裏千家今日庵に現存する茶室(重要文化財)です。宗旦が隠居屋敷を四代仙叟に譲って再び隠居する際に建立したと伝えられる四畳半の茶室で、再び隠居することから名付けらた「又陰」がユーモラスでシャレています。

毎年、使うのが楽しみな、存在感のある又陰口透木釜です。

 

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