毎年、花見の時期は忙しいですが、今年は特別かもしれません。
とにかく、咲くのが早いのです。
つい、数日前まで「私のサクラ」が満開で、その花びらを散る風情を惜しみながら、台所の窓から眺め暮らしていました。
今日(8日)は、数日前から気になっていた八重桜のお花見に行きました。
家から10分ほどのところにある帷子川沿いに八重桜の散歩道が2キロほど続いているのです。
ちょうど8分咲きで「今が一番の見頃だね・・・」と、八重桜の並木道を逍遥しました。
帷子川沿いに八重桜の若木が植えられた頃から見守っていますが、あれよあれよ・・・という間に大きく育って、20年近く経ったでしょうか? どの木も枝をしっかり伸ばし、びっしり八重の花をそれはそれは見事に咲かせています。
花見には団子ならぬ花見弁当が欠かせません。いつも手軽にコンビニでランチを調達して、花を愛でながら食べることにしています。
この日も途中の公園のベンチでお弁当タイムにしました。
おにぎり、サンドイッチ、ジュース、牛乳などを買い込み、日向ぼっこをしながら花の下でいただくランチは最高! どんな豪華なレストランのランチよりも贅沢な気がします。
今年もまた花見弁当を2回も楽しめたことをツレと喜び合ったことでした。
(白の八重桜を発見!です。2本だけありました)
大好きな歌(古今和歌集)を思い出しました。この歌は友人に色紙に書いてもらい、桜の頃の茶事の待合によく掛けた歌です。
いざけふは 春の山辺にまじりなむ
暮れなば なげの花の陰かは 素性法師
・・・もし日が暮れたら、花の他には何もない花の陰で泊まりましょうよ・・・
「春の山辺に溶け込むような一体感がいいなぁ~」と、遠い目でため息をつきながら、現実には風が冷たくなり、日向ぼっこのベンチを引き上げて帰途につきました。
(人気のないベンチは春の愁いそのもののようだ・・・)
彼は始めて四方を見廻しました。
頭上に花がありました。
その下にひっそりと無限の虚空がみちていました。
ひそひそと花が降ります。
それだけのことです。
外には何の秘密もないのです。 「桜の森の満開の下で」より