暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

八重桜の花の陰で

2021年04月09日 | 暮らし

 

毎年、花見の時期は忙しいですが、今年は特別かもしれません。

とにかく、咲くのが早いのです。

つい、数日前まで「私のサクラ」が満開で、その花びらを散る風情を惜しみながら、台所の窓から眺め暮らしていました。

今日(8日)は、数日前から気になっていた八重桜のお花見に行きました。

家から10分ほどのところにある帷子川沿いに八重桜の散歩道が2キロほど続いているのです。

 

ちょうど8分咲きで「今が一番の見頃だね・・・」と、八重桜の並木道を逍遥しました。

帷子川沿いに八重桜の若木が植えられた頃から見守っていますが、あれよあれよ・・・という間に大きく育って、20年近く経ったでしょうか? どの木も枝をしっかり伸ばし、びっしり八重の花をそれはそれは見事に咲かせています。

花見には団子ならぬ花見弁当が欠かせません。いつも手軽にコンビニでランチを調達して、花を愛でながら食べることにしています。

この日も途中の公園のベンチでお弁当タイムにしました。

おにぎり、サンドイッチ、ジュース、牛乳などを買い込み、日向ぼっこをしながら花の下でいただくランチは最高! どんな豪華なレストランのランチよりも贅沢な気がします。

今年もまた花見弁当を2回も楽しめたことをツレと喜び合ったことでした。

 

     (白の八重桜を発見!です。2本だけありました)

大好きな歌(古今和歌集)を思い出しました。この歌は友人に色紙に書いてもらい、桜の頃の茶事の待合によく掛けた歌です。

 

   いざけふは 春の山辺にまじりなむ

       暮れなば なげの花の陰かは      素性法師

 

・・・もし日が暮れたら、花の他には何もない花の陰で泊まりましょうよ・・・

「春の山辺に溶け込むような一体感がいいなぁ~」と、遠い目でため息をつきながら、現実には風が冷たくなり、日向ぼっこのベンチを引き上げて帰途につきました。

 

       (人気のないベンチは春の愁いそのもののようだ・・・)

 

  彼は始めて四方を見廻しました。
  頭上に花がありました。
  その下にひっそりと無限の虚空がみちていました。
  ひそひそと花が降ります。
  それだけのことです。
  外には何の秘密もないのです。      「桜の森の満開の下で」より

 

 


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。