暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

聴花の茶事・・・(2)花ものがたり

2024年05月28日 | 「立礼の茶事」(2023年~自会記録)

つづき)

初炭の後、お客さまが持ち寄ってくださった「花に因むもの」の花ものがたりが始まりました。

その人ならではの素敵な花ものがたりがあり、もう感動しながら拝聴しました。そしてその方の貴重で素晴らしい時間(人生の一コマ)をちょっぴり共有できたように思います・・。

「聴花」の記念に写真を掲載します。写真を見るとその方の花ものがたりが思い出せるように・・・ものがたりの詳細については書き表わす文才なく省略いたします。

 

(Iさま・・・白竹の虫籠(池田泰輔作)に紫半夏(カラスビシャクとも)を生けてくださいました)

(SAさま・・・バドワイザーの瓶のような信楽焼花入(大宗匠の発案、伊藤南山作)と、はなの香「思ひのまゝに」)

(FIさま・・・手描きの花の栞、花はナツエビネ、きつりふね、いわしゃじん。移ろいゆく花ですが栞に一瞬の命を留めます)

(KMさま・・・花七宝蒔絵の棗とはな色の袱紗、稽古日誌に書かれたお軸の禅語「花下半日客 月前一夜友」)

お客様だけでなく、亭主・暁庵は前掲の香合「淡墨」の花ものがたりです。

半東KTさんは後座の薄茶席で、思い出のある茶箱を使い花点前で薄茶を点ててくださいました。

懐石担当の小梶さんの花ものがたりは「花菖蒲真蒸」の碗盛でしょうか。目からも舌からもしっかりと堪能しました。

花ものがたりに耳を傾けながら、「聴花の茶事」が愉しく打ち解けて、心に残るものになっていきました・・・ 

 

12時を10分ほど過ぎていましたので、懐石を差し上げました。

 聴花の茶事の献立  小梶由香作成

  飯   一文字

  汁   ホワイトアスパラ 辛子

  向付  鰹たたき とろろ おくら 山葵

  椀盛  花菖蒲真蒸 アスパラ 長ネギ

(花菖蒲真蒸は、黄、白、紫の美しい花の色を出すのに工夫したみたいです・・・)

  焼物  鯛 たたき木の芽

  預鉢  揚げ粟麩 南瓜 いんげん 炊き合わせ

  箸洗  新生姜

八寸  味噌漬寄せ豆腐のバケット そら豆翡翠煮

香物  沢庵 野沢菜

酒(大吟醸)は美しき渓流・楯野川(山形県酒田市産)です。酒豪が多いらしいとの情報で、社中・矢澤氏がチョイスしてくれました。

水屋で半東KTさんと相伴しましたが、とても美味しく短い時間に完食しました。ご馳走様! 

特に最初の膳にこだわりがあるそうで、汁がとても美味しかった!です。向付の鰹たたきは5月ならではのご馳走で、とろろで食べるのも新鮮でした。きっと一文字も・・・水屋なので私たちは物相御飯です。

懐石終了後に待合へ中立していただき、そちらで主菓子を差し上げました。つづく)

 

      (菓子銘「ベルサイユの薔薇」 石井製)

 

    「聴花の茶事」・・・(3)後座と花へ続く  (1)無我へ  

              (4)お礼のお手紙へ

     聴花の茶事の支度中です

 

 


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