12月13日(金)は令和元年・師走の五葉会でした。
この日の科目は、法磨之式、軸莊花月、香付花月です。
前日から必要な道具類を用意しておくのですが、
法磨之式・・・花台一式、炭道具、濃茶(包み帛紗にて)、菓子器(菓子)、折据、十種香札と長盆
軸莊花月・・・折据、軸、袱紗、白菊扇、薄茶(花月)
香付花月・・・折据 香道具一式、香包3つ、文台、奉書、硯箱、薄茶(花月)
こんなにいろいろな道具を揃えるのは久しぶりです。
3科目のいずれもお勉強することがいっぱいあり、それぞれやりがいがありますが、一番印象深かったのは香付花月でした。
折据を乗せた香盆が正客へ運び出され、折据を回し、月(香元)と花(花月の初花)が名乗ります。
香元は重香合に入っている3種の香包から一包を選んで、香を焚き、一同香を聞き、香包に書かれた香銘を拝見します。
香が終わると、花月になり、薄茶を点てて飲んでいる間に香銘にちなむ和歌を考えます。
和歌の初心者である私たちにはその場で和歌を詠む・・・というのは少し無理があり、前もってメールで香銘をお知らせしておきます。
この日は、「枯野」「初雪」「埋火」より「初雪」としました。
(丁度、数日前に横浜で初雪のたよりがありました)
花月が終わり、亭主が水次を持って立つと同時に八畳へ戻ります。正客は折据を持って、八畳上座七目に置きます。
亭主は水屋から硯箱と奉書を乗せた文台を持ち出します。この日は重硯箱ではなく硯箱を使いました。
すぐに硯箱を上座縁内におろし、両手で蓋を取って縁内下座に置きます。
墨をすって記録紙を作り、奉書を二つ折りにし、硯箱の蓋を閉め、文台の上にのせます。
文台の正面を正し、文台を正客の前に運びます。
亭主は座に戻ると、「どうぞ文台おまわしを」と正客に言います。
正客から順に、奉書の自分の名前の上に和歌をしたため、次客に回します。
亭主も和歌をしたため、奉書をひろげたまま正面を向こうにし、文台を正客の前に持っていきます。
正客から順に歌を拝見していくのですが、五葉会では唱和之式のように2回ずつ唱和していただきます。
麗しき声が朗々と響きます・・・
すると、心を込めて詠んだ和歌が一段と輝きを増し、ストーンと頭と心に入って来ました。
それに、和歌を奉書にしたため、皆で唱和する・・・この瞬間、この時間が大好きです。
きっと皆様も、「和歌を作るのは大変だけれど、この優雅な時間を同好の士と過ごす喜びは何とも代えがたい・・・」
と思っていてくださって、素晴らしい五葉会のお仲間に感謝です。
香付花月之式
二 宗曉
一 宗貞 二
月 宗里 三
三 宗陽
主 宗悦 一
二 宗曉
一 宗貞 二
月 宗里 三
三 宗陽
主 宗悦 一
香付花月之記
初雪のたより舞い込む朝の苑
落ちる葉残る葉ルノワールの秋 宗曉
初雪の積もりし庭の生垣に
紅き山茶花さむざむ咲けり 宗貞
紅葉の映えたる木々に
初雪のふりそそぎて心凍てつく 宗里
張りつめし稽古納めの静寂に
初雪見舞う障子真白く 宗陽
忙しなき街も我が家も静めたる
しんしんと降る初雪の朝 宗悦
初雪のたより舞い込む朝の苑
落ちる葉残る葉ルノワールの秋 宗曉
初雪の積もりし庭の生垣に
紅き山茶花さむざむ咲けり 宗貞
紅葉の映えたる木々に
初雪のふりそそぎて心凍てつく 宗里
張りつめし稽古納めの静寂に
初雪見舞う障子真白く 宗陽
忙しなき街も我が家も静めたる
しんしんと降る初雪の朝 宗悦