暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

奥の細道会の初稽古・・・節分 in 2017

2017年02月05日 | 暁庵の裏千家茶道教室

     浮田一恵筆「中古懸想文之画」 (山田雙竹模写)


2月3日は節分、奥の細道会の初稽古でした。

節分と言えば、京都では左京区・聖護院の近くに住んでいたので、一応、須賀神社の氏子でした。

江戸時代、京の風俗行事として懸想文売りが京の街々で懸想文(縁結びのお札)を売り歩いていました。
一説によると、貧乏なお公家さんの内職(アルバイト?)だったとかで、
烏帽子に水干姿で梅の木に文をつけ、覆面をして売り歩いたと言われています。


    須賀神社 縁結びお守り 「懸想文」

今でも聖護院近くの須賀神社では節分の日だけに懸想文売りが現れて、「懸想文」のお守りを売っています。
「懸想文」の名から恋文を連想しますが、縁談や商売繁盛など人々の欲望を叶えてくださる、有難いお札だそうです。
「懸想文」を鏡台の引き出しに入れておくと、顔や姿が美しくなり、
箪笥の引き出しに入れておくと、着物が増え、ともに良縁に恵まれるそうです・・・(ちと遅いかも?)。
       


さて、奥の細道会ですが、初稽古なので床の結び柳とお軸は正月飾りのままとし、水仙を生けてみました。
散歩途中の農家で購入したものですが、椿、梅、水仙などの花木が安価で売られていて大助かりしています。

その日はNさんがインフルエンザで急遽お休み、3名で奥伝に励みました。
最初に暁庵が真之炭手前をさせて頂きました。
香合は古染付写の辻堂香合、香は玄妙(山田松香木店)です。
羽根を浄める所作が身についておらず、清めるのを忘れがちで、大いに反省です。
もう一つ、後掃きの後に羽根は炉縁と炭斗の間に置くのですが、途中で思い出し、巻き戻ししました。
ここはポイントの一つと認識していたにもかかわらず・・・です。
頭ももちろんのこと身体がもっと自然に動くように・・・稽古しなくっちゃ!



稽古不足を痛感しながらも、奥伝の点前を茶友と研鑽できる奥の細道会の存在が有難く思います。
皆さまも全く同じ思いのようで、身体と頭を総動員して稽古に集中し、心地良い緊張感が漂いました。

Aさんの真之行台子、Kさんの大円真と進み、やり遂げてから遅い昼食になりました。
厄払いの一献をお出しし、豪華に(?)出前で、寿司、茶碗蒸し、吸物を頂きました。
主菓子は「此の花」、中が粒餡のピンク色のきんとん(暁庵製)、濃茶は金輪(小山園詰)でした。

毎月は開催できないかもしれませんが、今年も奥の細道をご一緒に歩んでいきたいものです。


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