暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

灑雪庵・節分の茶事-1

2014年02月12日 | 茶事  京都編

晩秋の夕去りの茶事以来、久しぶりに茶事をしました。

わが灑雪庵のベストシーズンは、風雪が隙間から降り灑ぎ、
厳しい寒さを体感できる1月~2月です(・・と思い込んでいます)。

さらに節分になると、ふだんは静かで学研的な界隈(京大があるので)が
ウソのように賑やかになり、活気づきます。
ご近所さんの須賀神社(一応、氏子です)、吉田神社、聖護院、熊野神社では
節分行事(神事)や節分しか売られない護符など珍しいものが目白押しです。

それで節分前日の2月2日、3名のお客さまにお出ましいただきました。
お正客は東京のOさま次客は淡路島のTさま詰は京都のYさまです。

正午の茶事なので特別な趣向はないのですが、
せめてご近所の神社の節分に因むものを取り揃え、
その御利益で厄災を祓って、立春を迎えたいと思いました。

              
                     須賀神社の懸想文売り

              
                懸想文の御札
先ずは須賀神社、
縁結びや交通安全の神様ですが、節分には
平安時代の装束を着た懸想文売りが登場し、「懸想文」の御札が売られます。
この御札を箪笥に入れておくと衣裳が増えるそうですが、
茶道具の引き出しに入れて置いたので、愛すべきガラクタが増えたかな?

茶事前日(1日)に須賀神社へ名物「須賀多餅」を買いに行くと、
「懸想文」も「須賀多餅」も2日と3日の2日間しか売っていないとか。
しかたなく、茶事当日に買いに行きました。
三条河原町の古本屋で見つけた「懸想文売り」の画を待合へ掛け、
新しい御札を飾ってみました。

              
                    須賀神社の茶店

              
                    名物・須賀多餅
次は吉田神社、
京都最大と言われる節分の名所です。
節分の夜遅く、古い護符をお焚きあげする火炉祭は一見の価値ありです。
昨年買った吉田神社の節分の「福枡」、これが優れものでして、
煙草盆、菓子器、花入などに使えます。
どのように使おうかしら・・・。

それから香合は染付の「豆男」。
調べてみると「豆男」は年男の意の他に、色好みの男、
転じて在原業平を指しているそうです。
業平さまと聞いて、どうしても使いたいと思いました。

吉田神社裏の吉田山に「業平塚」と呼ばれる塚があるからです。
榊が植えられ、結界をめぐらせた塚は落ち葉に寂しく埋もれていて、
いろいろな想像を掻き立ててくれます。
散歩途中に見つけたのですが、なぜそこに業平塚があるのか、
調べているのですがよくわかりません。

               
                     吉田神社・福枡の煙草盆

聖護院と熊野神社。
昨秋の寺町骨董まつりの時、下御霊神社で講演会がありました。
演題は「乾山の陶芸」、講師はMIHO MUSEUM学芸員の畑中章良氏でした。
乾山の生涯と作品についてお話があり、鳴滝、二条丁子屋町に続いて
一時、聖護院にも乾山窯があったことを知りました。
それで、乾山風の雪笹に雀の絵柄の茶碗で薄茶を・・と思いました。

熊野神社前の千歳屋で、名物「如心納豆」を販売しています。
気さくなご主人の話では転職して奥様の実家の菓子司を継いだとか。
表千家如心斎命名の「如心納豆」は大徳寺納豆を和三盆で包んだ、
独特の風味がお薦めの一品で、須賀多餅と一緒に干菓子にお出ししました。

              
                   節分の聖護院本殿

              
                   聖護院の鬼さん     

さあ~、これで一通りご近所さんを紹介できたかしら?
茶事の楽しみは亭主七分客三分と言われますが、
亭主が十分に楽しみすぎたかもしれません・・・ね(反省!)。

                             

         灑雪庵・節分の茶事-2へつづく



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