暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

野の里の名残りの茶事-2

2014年10月16日 | 思い出の茶事  京都編
懐石はご亭主の手づくりです。
向付はたっぷりの胡麻豆腐(山葵)、家庭茶事のお仲間の話題に上る一品です。
プリプリとした粘り、滑らかな口当り、風味豊かな胡麻豆腐は絶品で、
作り方を教えて頂きたい・・と思いました。
煮物碗は蓮餅、椎茸、海老、三つ葉だった・・と、これも参考にしたいです。

Yさまと会話を楽しみながらゆっくり供される懐石を美味しく頂きました。
酒豪(?)のYさまに味わいの違う2種の酒(山田錦と無)が用意され、お相伴で少々・・。
お酒に弱い私のためにウメッシュを用意してくださいました。
庸軒流の懐石の特徴として、ご飯の盛り方はふんわりした俵形、八寸は3点盛で、
この日は明太子入りのイカ、渋皮煮、キュウリ合え味噌のせの3種です。

              

次は待望の炭手前です。
前回は炉、今回は風炉で、庸軒流の炭手前を2回も目の当たりに出来て幸せでした。
どっしりした鉄の道安風炉に少庵好み霰巴釜が掛けられ、
鉄風炉に丸灰掻上がよくお似合いで、名残りにふさわしい風情です。
丸灰や掻上に挑戦してみたい・・・と良い刺激を頂戴しました。

羽根で風炉を清め、炉と同様に湿し灰が撒かれました。
ここでたまらず・・・「あのう~、そちらで拝見してよろしいでしょうか」
「どうぞ・・・」とご亭主。
炭の置き方をじっくりと拝見させて頂きました。
ジョウを取ってから胴炭を向正面に横向きに、胴炭から左回りに下火を囲んで
炭が丸く置かれ、黒い枝炭が置かれました。
黒い枝炭を間近に見るのは初めてです。
一度では覚えきれませんが、流儀の違いが興味深く、心躍る時間でした。

ここで席へ戻り、香合の拝見をお願いしました。
香合は大好きな二季鳥の平丸、司峰作です。
蓋裏に月と葦池の蒔絵があり、「月を慕って・・」はるばるやってきたのでしょう。
お香がステキでした・・・(紅葉に沈香をつけて)。

              

芳しき薫りが漂う中、主菓子(棹もの「秋の山(?)」)を頂き 中立しました。

後座の迎え付けは喚鐘、五点打たれました。
この音色と響きが美しく、いつまでも聞いていたいような・・・。


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