暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

うさぎ小屋の茶遊び-1

2014年06月25日 | 思い出の茶事  京都編
              「沙羅ひらく」  17日真如堂にて撮影

山賊茶会のメンバー、Sさんから茶遊びへ招かれました。

山賊茶会は、池川みどりさんを中心に、Kさん、Nさん、Sさんたちが
個性あふれる、魅力的な茶会をしていらっしゃいます。
この度は思いがけなく末席に加えて頂きました。

送られて来たご案内のカードがステキでした!  

  うさぎ小屋の茶遊び       
        おまねき

    初夏の一日茶遊びにお招きしたく
     ご案内させていただきます。          

     2014年6月16日(月)      
       正午より  S宅・・・・(後略)


  台所でいたします。どうぞお気軽に普段着でお越しください。
  私も洋服で失礼させていただきます。


「ふぅ~」・・・ため息がでました!
なんてさりげなく、心温まる案内状なのだろう。
もうもう(牛ではありませんが・・)喜んで伺いますと返信しました。
それ以来、うさぎ小屋の茶遊びの日が楽しみでした。

               

当日近くの駅で、山賊茶会のメンバー(池川さん、Kさん、Nさん)と
待ち合わせ、車でSさん宅へ。
「正客は初めての方がすることになっています」とKさん。
正客(というか、一番目に入る客の意)を仰せつかり、
・・・ドキドキしながら自称・うさぎ小屋のドアを開けました。

玄関を入った廊下に腰掛が4つ用意され、荷物入れの籠が置いてあります。
そして壁に俳句を画いた色紙が掛けられていました。

    欲しいもの
      ことさらになく
        沙羅ひらく
             翠


すぐに池川さんの句とわかり、今日の茶遊びにぴったりです。
「欲しいもの ことさらになく」
・・・に同調あり、反論ありで楽しく話していると、
冷たい麦茶とおしぼりが出され、嬉しい気遣いでした。
これからの季節にインパクトあるご馳走かもしれません。

            

廊下の先のドアを開けると、そこが今日の茶室でした。
約10畳の板の間に、鉈目のある木のテーブルが置いてあります。

一方の壁を床に見立て、軸が掛けられ、香合が荘られていました。
反対側の壁側に点前座があり、丸っこい風炉に釜が掛けられています。
床と点前座を拝見し、木のテーブルを囲んで4人が座りました。
向こうに台所があるようですが、スクリーンで上手に隠されていました。

我が灑雪庵の四畳半と同じで、食堂であり、家族がくつろぐ居間であり、
客間でもあり、しかもフローリングです。
畳が無くても見事なお茶空間の創出にワクワクしてきました。
ご亭主が出てこられて、改めて挨拶を交わしました。

「一日  一生」
と書かれたお軸のことを伺いました。
「今の私は、一日が一生という思いを胸に暮らしていますので
 このお軸を掛けたいと思いました」
短く、言い得ている語句に一同深く頷いた次第です・・・。
                                  

           うさぎ小屋の茶遊び-2 へつづく