暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

2014年節分の日に-2

2014年02月05日 | 京暮らし 年中行事
節分(3日)の午後11時から火炉祭が行われるというので、
10時前に吉田神社へ出かけました。

正面の屋台村を避けて近衛坂を登って、先ず元宮へ詣でました。
元宮は全国津々浦々の神社の総元締めなので、
元宮にお詣りすれば、全国の神社へお詣りするのと同じだとか。

            

            

いつもは閉ざされている元宮ですが、この夜はお詣りの人が溢れ、
遅くまで賑やかです。
Kさんに頼まれていた福枡を買いました。
福枡は煙草盆、菓子器などいろいろ使えて、重宝しています。
昨年は売り切れだったのが、今年はまだたくさんあったような・・・。

            
                 吉田神社・福枡の煙草盆

京都の節分は吉田神社と言われているほど、
たくさんの老若男女が厄落としのお詣りをします。
それに屋台の数がものすごく、食べ物の匂いが複雑にからみあって、
参道を歩いているだけで満腹感を覚えるほどです。

            

火炉祭のための古い護符が高く積み上げられているのですが、
梯子をかけて、護符の包みを更にてっぺんへ運んでいます。
厄災から身を守るため、人々は神仏に祈りをささげ、
霊験あらたかな護符を受け、
節分の日に、感謝の祈りとともに、焚きあげられるのです。

10時45分頃から火炉祭の神事がはじまりました。
先ず、神職が護符の山に玉串を奉げ、お祓いをします。
次いで、火炉祭に集まった人たちもお祓いを受けました。

            
            ころがすような鈴の音が・・・

一人の巫女が鈴を鳴らしながら、護符の山をひと回りしました。
鈴の音がなんともいえず玲瓏で、清々しく辺りを祓います。

白い式服の神職が祝詞を奉げると、2本の松明に火が点けられ、
神職が護符の山の数ヶ所へ火をつけていきました。

            

         

火勢はすぐに強まり、バリバリという竹の音、轟轟という火風の音、
燃え上がる火の踊り、上昇する火の粉、熱風・・・これでもかと云わんばかりに
荒ぶる神は火の勢いをどんどん増していき、怖いくらいでした。

            

            

「周りに水を撒け!」
「火の粉に水を掛けろ!」
怒号のような声が飛び交い、消防士が放水し、火と水のせめぎ合い。
火の粉を消すために真上に上がった水が見物人に降りそそぎ、
今度は見物人から悲鳴が上がります。

               

・・・なんて気持ちの良い火炉祭なんでしょう!
熱風で顔や手足は熱く火照り、
体の中の悪魔や厄災まで火が焼き尽くしてくれるような、爽快感を味わいました。
節分にふさわしい火の祭典のリセットです。

            

あまりの熱さに耐えかねて、護符の山が半分ほどに低くなったのを見定め、
満足して帰路に着きました。
                              

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