暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

さんぽみち 「白沙村荘」へ

2012年11月04日 | 京暮らし 日常編
              
                 (特別展ポスターと白沙村荘)

今にも降りだしそうな曇空の午後、早めの散歩へ出かけました。
今日のコースは、(真如堂)-哲学の道-白沙村荘-喜み家です。

真如堂を抜けていきました。
大らかに参拝者や観光客を受け入れてくださる、この御寺が大好きです。
紅葉にはまだ少し早いですが、酔芙蓉、ホトトギス、ツワブキが咲き、
目を楽しませてくれます。

真如堂から白川通りを横切って、少し東へ行くと哲学の道にでます。
ここは「春の桜の景」が一番ですが、夏の蛍鑑賞もお薦めです。
秋は・・・まもなく樹木が紅葉して風情を増すと思われますが、
今は気候も好く、のんびり逍遥が楽しめます。

             

 
 
銀閣寺近くの「白沙村荘」(はくさそんそう)橋本関雪記念館へ入りました。
橋本関雪(明治16年-昭和20年)は、明治・大正・昭和にかけて
活躍した日本画家です。
残念ながら、橋本関雪の画を見る機会がありませんでしたが、
存古楼(画を制作していた建物)にあった特別展ポスター(写真1)を見て、
その迫力に圧倒され、唸りました。
「この画の実物をぜひ見たい!」
あとで記念館の方へお尋ねしたのですが、
「たぶん海外に・・・」とのことで詳しくはわかりません。

その橋本画伯が30年の歳月をかけて大地に描いた作品である庭園へ。

             

             

             

歩き進むうちに、次々と変化に富む庭の風情に魅せられました。
国東塔などの石塔、灯篭、鞍馬石、つぎつぎと現れる石に目を奪われ、
原三渓が創りあげた三溪園の石たちを思い出しました。

             

             

             

池をめぐる存古楼や茅葺の茶室の建築様式や意匠が素晴らしく、
ここで画の制作に励みながら庭を散策し、茶室で茶を点て、
ときに数ある石たちの声に耳を傾け、池の鯉や亀と戯れ、
四季折々の花に心慰む、橋本画伯の姿が彷彿されます。

             

              
            

季節を変えて、こんどは雪の日に来たい・・・と思いました。

白沙村荘を後にして「喜み家」へ寄って一休み。
名物の豆かんに餡を添えた「餡豆かん」を注文しました。
ふっくらした赤エンドウ豆と寒天と黒蜜のハーモニーがお薦めです。
北海道の旅以来、まだ赤エンドウ豆の呪縛が・・・

とても充実した午後のさんぽでした。