暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

茶の湯炭と放射能

2012年02月07日 | 茶道具
                      (森の人   行田市グリーンロード)
茶の湯炭が手に入りにくくなっています。
それに一昨年あたりから値上がりしていて、頭が痛いです。

いつも炭をお願いしている寺家の丸善・夢生庵から
「茶炭に関するご連絡」がありました。

東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響で、
福島産のクヌギ炭から国の定める暫定基準値を超える放射能値が検出されたため、
福島産クヌギ炭(上品)の使用を一切中止し、並品(稽古用炭)で対応します。
代替品を手配中なのでしばらくお時間を頂戴します・・・といった内容でした。

気になって暫定基準値を調べてみました。
参考:林野庁HP:http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/tokuyou/111102.html

   調理加熱用の薪及び木炭の当面の指標値の設定について  平成23年11月2日
    放射性セシウムの濃度の最大値
    (1)薪 40ベクレル/kg(乾重量)
    (2)木炭 280ベクレル/kg(乾重量)

    薪及び木炭から食品への移動についてはわずかでしたが、
    焼却灰には一定レベルの放射性物質が残留するとの知見が得られたため、
    焼却灰が一般廃棄物最終処分場での埋めたて処分が可能な
    放射性物質の濃度8,000Bq/kg以下となるよう、当面の指標値を設定。

                  
                            (冬枯れのグリーンロード)

連絡を頂く2週間前に風炉用の炭1箱、丸ぎっちょ1箱、枝炭1箱を丸善へ注文しました。
京都で住む町家には炉が切ってないので、置炉を使う予定です。
「置炉には炉用ではなく、風炉用の炭を使うそうです。
 炉用の炭は手に入らないけれど、風炉用ならまだ在庫があるかも?」
と茶友から教えてもらい、あわてて注文したのです。

                  
                              (さきがけ)

実際に炭を使うとなると、炭のストック、炭箱、十能、火消壺、七輪などの
収納場所が必要です。
炭のほかにもストック品を入れるために床下収納庫を注文し、
先日、台所の床板張り工事と共に収納庫が出来上がったとのこと。
床材はヒノキで、当分、木の香りが楽しめそうです・・・。

一方で、福島原発事故の影響が茶の湯炭へも及んでいることを実感したことでした。