暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

辛卯の「炉開きと口切の会」 (2)

2011年11月07日 | 稽古忘備録
  (つづき)
先生、社中の先輩方の前で初めての口切でした。

壷の正面の封印を改めてから、小刀をとり、
茶壺と蓋の合口に小刀を突き立てるように入れ、
左手でゆっくり壷を回しながら切っていきました。

蓋を取り、口覆の前に置いて尋ねました。
「いずれのお茶をさしあげましょうか?」
正客は連客と相談の上、所望の茶を決めておきます。
「どうぞ、ご亭主様におまかせいたします」

壷をしっかり持ち、傾けて上合に詰茶を出します。
茶壺から「千代の寿」の袋を選び、右の挽家へ入れ、蓋をしました。
上合を回して、あけた詰茶を「詰」と書かれた左の挽家へ入れ、
残りを壷へ戻します。
この時、「トントントン・・・」と軽く叩いて茶を動かします。
この音も口切のご馳走でしょうか?

壷に蓋をして、封紙をとり、左手で紙を引きながら糊ベラで糊をつけ、
合口に封をし、捺印をしました。
諸道具を元に戻し、口覆をかぶせます。
葉茶上合を水屋へ戻しました。

               
               
かぎ畳へ斜めに座り、左手で網袋と口緒をとり、口緒を懐に入れ、
右手に網を持たし、壷正面へ向きます。
壷を網に入れて、水屋へ下がります。
御茶入日記を下げて、茶道口で挨拶をしました。
「初炭はIさんと交代いたします」

先生と諸先輩から
「とても良かったです。流れるような口切の所作でした」
とねぎらいのお言葉があり、安堵しました。
前日のリハーサルのおかげ・・・と先生に感謝です。

               
              
初炭が終わると、Y先輩とI先輩が前日から腕まくりで作ってくださった
点心、煮物椀(蟹真蒸)、八寸(カラスミと豆腐味噌漬)で一献を頂戴しました。
写真がないのが残念なくらい、盛付が美しく、美味しい点心でした。
それからIさん手づくりの粟ぜんざいもしっかり食べました。

中立のあと、Uさんの台天目で濃茶(千代の寿、上林詰)、
Kさんの点前で薄茶を頂戴しました。
台天目では三つの天目茶碗と台が並び、眼福です。

先生のお心づくしのお道具も素晴らしかったのですが、
適材適所で皆さまの奮闘ぶりが一番心に残りました・・・。

こうして、辛卯の「炉開きと口切の会」が終わってしまいました・・・。
 

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