暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

風炉初炭手前

2010年04月12日 | 稽古忘備録

「今日から風炉の総ざらいをしましょう」
と、先生が灰型を整えて待っていてくださいました。

床のお軸は柳生芳徳禅寺の橋本紹尚和尚筆で、
「花簇々錦簇々」(はなぞくぞく にしきぞくぞく)。

風炉初炭手前から始まりました。
半年しか経っていないのに炉に慣れ親しんだ頭と体は
すぐには切り替わりません。

炭斗、羽根、火箸、香合、灰器、灰匙が風炉用になりました。
炭の細さが頼りなく、枝炭も細く短い風炉用の三本です。
香合が陶器から木地に変わり、白檀を三枚、
小振りの灰器に藤灰を少し入れました。

灰器を運び出す時、点前座での足の運びが変わり、
斜め下座へ向いて座り、置く手が左手になります。
炭を継いだ後に灰器を持ち出し、月型を切りますが、
月型を切るのは
「お客さまをお迎えするために、灰型を新たに整えて
 お待ちしておりました」
という意味だそうです。
言葉ではなく所作で表わすところが茶の湯らしいですね。
初炭手前で一番好きなところです。

            


さて、お稽古では
月型を切るために灰器を膝前に置くときの膝の動きが難しく、
所作がきちんと身についていないのでご指導を受けました。

先ず左膝を引いて灰器を取り、
右膝を引いて灰器を膝前に置きます。
灰匙はなるべく端を右手で持って、
次に左手で真ん中を持ちながら縦にして、
右手を進め、左手で手首を固定して月型を切ります。

切った後には逆の手順で灰匙を灰器へ戻し、灰器を右手で浅く持ち
左手で扱って右手で深く持ち直してから
右膝を前へ出しながら左斜めを向き、
左手で灰器を定位置へ置きます。
今度は左膝を前に出して、風炉前の元の位置に戻ります。

文章に書くより実際にやった方がわかりやすく、
特に難しいことではありませんが、
自然体で体が動くようになるまで稽古あるのみです・・。

その日は、初炭手前、濃茶平点前、和巾をお稽古しました。

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   写真は「利休梅と黒椿」と「散歩道の桜の景」です。