暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

皐月の自主稽古 2014年

2014年05月22日 | 自主稽古(京都編)&奥の細道会
                (夏蝋梅を釣花入に生けてみました)

5月16日に久々に3人で自主稽古をしました。

今月から風炉になったので、風炉の灰形から準備を始めました。
置き炉では風炉灰と風炉炭を使っているので、
その灰をメッシュ80の篩でふるいました。
本当はさらにメッシュ100の篩でふるうと良いのですが、手元にありません。
まぁ、メッシュ80で度々ふるうようにすれば、灰は確実に良くなっていきます。

相変わらず、灰形は二文字押切です。
風炉の最初にしてはまあまあ(?)・・と自己満足(これがいけない!)、
灰をふるってから自主稽古まで10日ありましたが、灰形の稽古は2回だけ。
子供の時からお尻に火がつかないとやらないタイプなのです。

    
                                    山法師と先代萩

当日、灰形を調え、水の卦を書き、撒灰をすると、遅ればせながら
「風炉の季節 到来!」という、茶事とは違う実感が湧いてきました。

「あっ、誰かいらしたようです・・」
Yさんが木槿の鉢を2つも持ってきてくださいました。
前から欲しかった「ピンク」と「白の祇園守」です・・ウレシイ! 
(枯らさないように大事に育てますね・・)

さて、自主稽古の科目は
1.行之行・台子点前
2.四ヶ伝の盆点
3.四ヶ伝の台天目

             

この日のお菓子は四ヶ伝に倣って3種、
薯蕷饅頭、棹もの(世田谷区「たちばな」の「新樹」)、苺です。
濃茶は「雲門の昔」と「青雲」、いずれも一保堂詰です。

天目茶碗での美味しい濃茶の練り方が話題に上がり、勉強になりました。
自分で練った濃茶を評価する機会が少ないので、
次回は多めにしてお点前さんにも味わってもうおう・・・と思いました。

前日が葵祭だったので、お疲れのご様子で全員1科目ずつでした。
次回はがんばって、真之炭手前、真之行・台子点前、大円之真・台子点前、
行之行・台子点前をすることに決まり、早めに解散しました。

             
                    夏蝋梅をガラス花入に

翌日、思いがけなく「夏蝋梅」の花が届きました。
偶然、ご近所にブログの読者がいらして、お庭の花をいただいたのです。
はじめて見る「夏蝋梅」、中国より輸入されたとか、
大山蓮華に似ていて、清楚で可憐な花です。
床の間、玄関などに生けて楽しんでします。

いろいろなご縁がありがたく、きょうの暮らしを彩ってくれます。
                                     
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自主稽古 in 大垣・惣楽庵

2014年03月11日 | 自主稽古(京都編)&奥の細道会

大垣在住の茶友Mさんからメールが届きました。
ホームページを開設したので見て欲しい・・・というお知らせでした。
拝見すると、茶室と庭、丹精された花の写真が満載の、素敵なホームページです。
京都に居る間に茶室・惣楽庵へお邪魔したくなりました。

早速、「ご一緒に自主稽古をしませんか?」とお願いして、
3月7日、Sさん、Yさんと三人で惣楽庵を訪ねました。

Yさんの情報により「青春18切符」を利用して、大垣へ向かいました。
4人分の駅弁を買ってちょっとした小旅行気分です。
その日は天気だったけれど寒く、おしゃべりの合間に窓外を見ると
近江八幡や彦根では積雪10センチ以上の雪景色でした。

            

大垣駅へ着くと好い天気です。 徒歩10分足らずでM邸へ。

通された暖かな座敷にはお雛さまが飾られ、
テーブルにはお菓子や抹茶がいっぱい用意されていました。
「お雛さまが見たいので、仕舞わないで・・・」とお願いしたのです。

一息入れてから、手分けして稽古の準備です。
今日は四人揃ったので、奥伝の総ざらいと決めていました。

惣楽庵はお茶を嗜んでいた義理のお祖父さんが建てられたとか、
長らく茶室として使われていなかったそうですが、
床柱、杉網代の床天井、竹の上がり框、化粧天井、窓など、
とても凝った造りで、材も今では手に入らないようなものでした。
それに畳がユニークで、中央に台目畳2枚が使われていて、
四畳半よりは大きく六畳より小さめ、床は台目床、出炉です。

            

Yさんの大円之草から始まりました。
順番や所作はきちんとできていらっしゃるので、帛紗を置く位置、
茶杓の清め方、盆の扱いなど、気になっている箇所について意見交換をしました。

お菓子は「橘」、緑のきんとんに黄色い実が乗っています。
濃茶を二服頂戴しました。
一服目(唐物茶入)の茶銘は「明昔(さやかのむかし)」、
二服目(和物茶入)の茶銘は「天王山」(?)でした。

昼食は、京都駅で買ってきた駅弁です。
これが美味しく、量も丁度よく、大正解でした。
1時間、お弁当とおしゃべりを堪能して、稽古再開です。

            

午後は、Sさんの行之行、暁庵の大円之真、Mさんの真之行です。
竹台子、真の台子、唐物皆具などを用意してくださったので
点前ごとに台子や道具を取替え、気持を新たにお点前ができました。

茶事や茶会も好いけれど、このような自主稽古も充実した時間が持てて
素晴らしいと思いました。
お互いに何かの刺激をたくさん受け取ったのではないでしょうか。


            
                       無双窓

            
                    味わい深い釣り舟

帰りに、無双窓のある廊下、2階の大広間、アトリエなど案内して頂き、
あっという間に帰る時間になってしまいました。

門の外まで見送ってくださったMさん、いろいろお世話になりました。
ありがとうございます。
茶室・惣楽庵へまたご縁があると嬉しいです・・・。

                                 
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長月の自主稽古  四ヶ伝総ざらい

2013年09月30日 | 自主稽古(京都編)&奥の細道会
                      貴船菊 (秋明菊)

長月27日は、自主稽古の日でした。

秋風に誘われて連日遊び歩いていたせいか、足首に痛みが出て、
一時は歩くのが辛いほどになりました。
どうも毎年9月は怪我や故障が多いみたいです。

自主稽古の日まで直さないと・・・
萩まつり宗偏流の茶会後はひたすら安静に努めました。
日ごとに痛みも和らいで、なんとか稽古はできそうです。

               
                 Tさん宅のホトトギス

科目は、茶通箱を除いた四ヶ伝の総ざらい。
四ヶ伝なので菓子は三種、毎回これがお楽しみなのです。
今回はYさん手づくりを堪能しました。
三種は、光琳菊(イチジク風味の白あんを道明寺で包んだもの)、
嵯峨野(浮島)、干笑果(ひしょうか。いちじくの干菓子)です。

               
                     菓子三種 by Yさん


唐物、台天目、盆点、和巾を三人で二科目ずつ、当日くじで決めました。
みなさま、それぞれ苦手があり、不思議なことにそれが当たるようです。
私は台天目かしら?

「最近、和巾をやっていないので・・・」
と言っていたYさんが和巾を二度も引き当てて、
「和巾をもっと稽古しなさい」という天の声のようです。
   Yさん  和巾と台天目
   Tさん  唐物と盆点
   暁庵   台天目と盆点

Tさんの盆点の正客になり、道具拝見の仕方と道具の返し方を
間違えました。
それで、二回目はくじ引きの唐物でなく、盆点をさせて頂きました。
二回目なのでスムーズに(疑問もなく)終わったのですが、
翌日、東京の茶友から質問が来て、飛び上がりました。  

              

「盆点で、盆を拝見に出すときは、右回しで良かったかしら?」
「え~と・・・(つい昨日のことなのに)確かそのようにしたわ」と私。
「でも、真之行では盆を左回しで拝見に出しますよね?
 伝来の確かな唐物ということでは同じなので、盆点も左回しだったかしら?
 迷いだすとわからなくって・・・」と友人。
「う~ん?」

・・・揉み手をして扱う、伝来が確かな唐物茶入をのせる盆で
扱いが違うのはなぜでしょうか? 
唐物茶入、盆、それとも点前の、格の違いなのでしょうか?
自分なりの理由づけが出来たら、迷いもなくなり忘れないと思うので、
ただ今、宿題になっています。

                            
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葉月の自主稽古

2013年09月01日 | 自主稽古(京都編)&奥の細道会
            久しぶりに見たカンナ  府立植物園にて

 
夏休みのため、8月30日が葉月の自主稽古日でした。

真形釜を京都へ持ってきたので、何度か湯を沸かさないと使えず、
早めに真之行と大円之真を稽古してみました。

とりあえず、間違ってもよいから自分が覚えている通りにやってみると、
「あれっ?どうっちだったかしら?」
そこは、いつも迷う箇所なので、メモしておきます。

一人で稽古をしていると、先生の声が聞こえてくることがあります。
そんな経験、ありませんか?
1年ほど前からお習いしているS先生の声が何度も聞こえて
来るではありませんか。
(今までは最初に手ほどきを受けた先生が多かったのですが・・・)

びしっびしっと、急所をお教えいただいたり、
他の点前との比較や特徴を指摘されたり・・・
先生がおっしゃることがやっとわかりかけてきたようで、
とても嬉しく幻の声に耳を傾けていました。

            
                 蓮池    府立植物園にて

            

8月は洋服で・・・ということにしましたが、
点前は真剣そのもので、奥伝を一つずつ修練しました。
いろいろ迷いやすい箇所の確認も出来て良かったです。
私が言うのも変ですが、みんな確実に上達しています。
やはり積み重ねのたまものですね。

  ① 真之炭手前
  ② 真之行
  ③ 大円之真
  ④ 行之行 

一番の反省点は私がやらせていただいた真之炭手前、
順番も所作も全然ダメでした。
気合いを入れて次回はパーフェクトを目指すことにしましょう。

稽古終了後、茶会や行事などの情報交換やおしゃべりも楽しく、
次回が待ち遠しい思いです。
長月は四ヶ伝の総ざらい(?)とか。

            
                ひょうたんがいっぱい  府立植物園にて

葉月の自主稽古
  床  「白雲抱幽石」  前大徳 明道和尚
  花   白りんどう  ピペリカム
  花入  ガラス (北欧KOSTA BODA製)
  台子と皆具一式など
  釜   真形 高橋敬典造
  (若狭盆を購入し、初使いです)

  茶  青雲(一保堂) 明の昔(一保堂)
  菓子3種  きんとん「初秋」(暁庵製) 松風(松屋藤兵衛) ぶどう

                                 
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文月の自主稽古

2013年07月10日 | 自主稽古(京都編)&奥の細道会

7月5日は文月の自主稽古の日でした。

10時過ぎに自転車で一保堂へ。
お店には外人観光客20名ほどが溢れていて・・・びっくりしていると、
すかさず店内から現われた男性がテキパキと応対、さすが京都の老舗です。
すっきりとした渋みが旨さを引き立たせる「青雲」を購入しました。

一保堂裏にある菓子舗「松彌」へ寄って、「金魚」を3匹連れ帰りました。
この時季になると、味わいたくなる和菓子の一つです。

              
                       「一保堂」
             

京都は連日蒸し暑く、気温は30℃以上、湿度は90%以上です。
正直、着物をきたくありません・・・。
暑いけど真剣だった夏期講習会を思い出して気持を引き締め直し、
ブルーグレーの絽の着物と百合の絵柄の帯を締め、
冷房と冷茶を用意してお二人を迎えました。
すると、濃い色目の涼しげな着物姿でいらっしゃいました。

              
                       「梶の葉」

              
Sさんが「祇園守り」と梶の葉を持ってきてくださいました。
「祇園守り」は、祇園祭の頃に咲く白い大輪の木槿で、
唐子のような花しべが豪華です。
早速、賀茂川の花入へいけたのですが、一日花なので
写真を撮る頃にはしぼみかけてしまい、残念!

              
                「シロギオンマモリ」

文月の課目は、
真之行・台子点前、大円之真・台子点前、茶通箱です。
さらに明日の稽古(先生宅)で茶通箱付花月が担当になっているので
四畳半花月でお付き合いを願いました。

真之行と大円之真を続いて稽古したので、
その違いや曖昧な箇所もわかり、質問も出ました。
質問が出ると、意見交換し、それでもわからない場合は宿題になります。
習い方が違っている場合もありますので、意見を横並びにして、
その中から「私はこうかしら・・・」と、自分で選んでもらいます。

順番はだいぶ身についてきましたので、その先(?)の質問が飛び交います。
例えば、膝行の時の目線は? 
真で火箸を杓立から一本ずつ取り置きするのは何故?
茶筅を筅皿の上方に置く位置は真之行と大円之真では違うのか? 
違うとしたらその理由は?
揉み手の仕方と目線は?・・・などなど。

宿題は各自持ち帰り、回答が出ると、次回の稽古またはメールで
教え合うことにしています。
1ヶ月先の稽古より、鉄が熱いうちのメールの方が嬉しいです。

              
                  涼しげな「金魚」(松彌製)
                   

茶通箱の稽古は台子をそのまま使うことになり、
「わん けん ばし・・」と、頭の体操をしながら
茶通箱の点前と花月の違いを考えながら、汗をいっぱいかきました。

次に三人で四畳半で茶通箱付花月です。
初めての経験でしたが、全員お役をこなして、
これはこれで充実していたような・・・来月も宜しくお願いします!

                              暑いから 

文月の自主稽古
  床  「心清寿年長」   紫野 宗興和尚
  花   利休草 ブラックベリー 紫の小菊
  花入  鉄製釣り花入
  台子と皆具一式など

  茶  青雲(一保堂) 丹頂の昔(一保堂)
  菓子 金魚(松彌製) 浮島(暁庵製) アメリカンチェリー

                                
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